
昨年暮れに亡くなったトランペット奏者のフレディ・ハバードはリーダー作だけではなくサイドメンとして参加したものを加えると優に100枚を超えるアルバムを残しています。デビューしたときからふくよかなビッグ・トーンの持ち主で、クリフォード・ブラウンの系譜に連なる歌心あふれるプレイと完璧なテクニックでラッパをコントロールしていました。
蚤助は1970年代にJTが後援していた「Live Under The Sky」(よみうりランド)でその演奏を聴いたことがあります。ジャズの主流派でありながら、時にはフュージョンに色気を出したりアヴァンギャルドなジャズに首を突っ込んだりと、カテゴリーに拘らない演奏活動で常にジャズシーンの第1線を走っていました。しかしながら、ハバードというプレイヤーは50年代にはクリフォード・ブラウンやマイルス・デイヴィス、60年代はリー・モーガン、ドナルド・バード、70年代にはウッディ・ショウ、80年代以降はウィントン・マルサリスなど、常にライバルの背中を見ながら過ごしてきたという印象がぬぐえません。一言でいうと器用貧乏という言葉がぴったりですが、それにしても常にジャズ界のトップクラスの地位を常に占めていたことには違いなく、万人が認める実力者でありました。
オープン・トランペットでバリバリ吹くハバードも魅力でしたが、ミューテッドプレイだけに徹しある意味で異色というべき作品がこの「The Rose Tattoo」(1983)というアルバムです。ミュートといえば、マイルス・デイヴィスの冷徹な美しいスタンダード曲の演奏や緊張感あふれる情緒的バラードの古典的な作品群が圧巻ですが、ここでのハバードは暖かく優しく聴き手をリラックスさせる馥郁とした演奏に仕上げています。アルバムタイトルの「The Rose Tattoo」はジャック・ブルックス作詞、ハリー・ウォーレン作曲で、1955年のダニエル・マン監督、アンナ・マニャーニ、バート・ランカスター出演の同名映画に触発されて書かれた曲で映画には使われていません。ペリー・コモの歌で有名となり、日本でも旗照夫なんかが歌っていたようです。ジャズで取り上げられるのは珍しいナンバーですが、抑制されたハバードの表現が素晴らしい出来です。ハバードの訃報を聞いた年末年始は追悼のため一番聴いたアルバムとなりました。
ところで「薔薇」という字はパソコンだと一発で出ますが、書いてみろと言われると悩ましい字ですね(笑)。昨今ニュースネタになっている漢字検定にでも挑戦してみようかしら、ナンチャッテ…
「鬱の文字見ているだけでウツになる」(蚤助)
蚤助は1970年代にJTが後援していた「Live Under The Sky」(よみうりランド)でその演奏を聴いたことがあります。ジャズの主流派でありながら、時にはフュージョンに色気を出したりアヴァンギャルドなジャズに首を突っ込んだりと、カテゴリーに拘らない演奏活動で常にジャズシーンの第1線を走っていました。しかしながら、ハバードというプレイヤーは50年代にはクリフォード・ブラウンやマイルス・デイヴィス、60年代はリー・モーガン、ドナルド・バード、70年代にはウッディ・ショウ、80年代以降はウィントン・マルサリスなど、常にライバルの背中を見ながら過ごしてきたという印象がぬぐえません。一言でいうと器用貧乏という言葉がぴったりですが、それにしても常にジャズ界のトップクラスの地位を常に占めていたことには違いなく、万人が認める実力者でありました。
オープン・トランペットでバリバリ吹くハバードも魅力でしたが、ミューテッドプレイだけに徹しある意味で異色というべき作品がこの「The Rose Tattoo」(1983)というアルバムです。ミュートといえば、マイルス・デイヴィスの冷徹な美しいスタンダード曲の演奏や緊張感あふれる情緒的バラードの古典的な作品群が圧巻ですが、ここでのハバードは暖かく優しく聴き手をリラックスさせる馥郁とした演奏に仕上げています。アルバムタイトルの「The Rose Tattoo」はジャック・ブルックス作詞、ハリー・ウォーレン作曲で、1955年のダニエル・マン監督、アンナ・マニャーニ、バート・ランカスター出演の同名映画に触発されて書かれた曲で映画には使われていません。ペリー・コモの歌で有名となり、日本でも旗照夫なんかが歌っていたようです。ジャズで取り上げられるのは珍しいナンバーですが、抑制されたハバードの表現が素晴らしい出来です。ハバードの訃報を聞いた年末年始は追悼のため一番聴いたアルバムとなりました。
ところで「薔薇」という字はパソコンだと一発で出ますが、書いてみろと言われると悩ましい字ですね(笑)。昨今ニュースネタになっている漢字検定にでも挑戦してみようかしら、ナンチャッテ…
「鬱の文字見ているだけでウツになる」(蚤助)