前稿で触れたスペインの「LP TIME」レーベルからリリースされた美女ジャケをいくつか紹介しましょう。
いずれも、あまり…というか、ほとんど世に知られていない美女たちなのは言うまでもありません。
まずは、パット・オデイ嬢の「WHEN YOUR LOVER HAS GONE」(1957)であります。
少ししどけないネグリジェ姿で、なかなか色っぽいお姉さまですが、何と、録音当時の年齢は21歳(!)だそうで、ビックリしてしまいます。
ジャケットの裏に彼女のプロフィールがあるのですが、それによると瞳はブルー、髪はブロンド、身長5フィート5インチ(およそ170センチ弱)、体重114ポンド(およそ55~6キロか)、職業は歌手となっています(笑)。
スイング時代の香りがするヴォーカルで、ジャケット写真で推測されるように、実年齢よりはるかに年齢を重ねた女性が歌うようなトーチ・ソング集です。
編曲と指揮はジャック・ジンマーマン。
次は、サリー・ブレア嬢の「HELLO, TIGER!」(1959)。
ボルティモア出身の美人シンガーです。
ボルティモアといえば、ビリー・ホリデイと同郷ですが、よく伸びる声と丁寧な歌唱をしていて好感が持てます。
伴奏はニール・ヘフティ率いるオーケストラで、名手ヘフティがエキゾティックかつ華麗でふくよかな編曲を施しています。
今回紹介する女性シンガーの中ではいちばんジャズ・フィーリングにあふれたアルバムです。
リー・スコット嬢の「ESPECIALLY FOR YOU」と「COOL MUSIC FOR WARM PEOPLE」という1959年にレコーディングされた2枚のアルバムを1枚にまとめた徳用盤ですが、彼女についてこのアルバムの歌声以外は何も知ることがないという、蚤助にとってはまさに「謎の女性歌手」です。
これもかなりお色気ムンムンのジャケットですが、ヴォーカルそのものはあまり色気を感じさせず、好みのヴォーカルとは言い難いところであります。
ドンとトニーのルイス兄弟による編曲で、トニーのジャズ・コンボが伴奏に付き合っているのですが、個人的にはトニー・パガノの薄っぺらなフルートの音色が苦手で、大いに演奏を盛り下げている結果となっています(笑)。
キャロル・ローレンス嬢の「AN EVENING WITH CAROL LAWRENCE」(1964)です。
言わずと知れた名作ミュージカル「ウエストサイド物語」のオリジナル・ブロードウェイ・キャストでヒロインのマリアを演じた女優さんです。
歌って踊れる女優として20歳でミュージカル・デビューを果たし、数々のステージで活躍しました。
ショウ・シンガーは声を張り上げて大仰に歌う傾向がありますが。彼女の場合はそんな癖はなく非常に聴きやすいヴォーカルです。
ジャケットもいかにも女優らしいゴージャスな出来栄えで、ここではフォークソングから出世作「ウエストサイド物語」のメドレーまで取り上げて可憐な歌声を披露しています。
ジョー・ハーネルの編曲・指揮のオーケストラが伴奏しています。
最後がフラン・ジェフリーズ嬢の「SEX AND THE THE SINGLE GIRL」(1964)というアルバムで、マーティ・マニングが編曲・指揮をしています。
本作もなかなかのセクシー・ジャケットです。
アルバムのタイトルは元コスモポリタン誌の女性編集長だったヘレン・ガーリー・ブラウン女史の自伝的小説の題名ですが、ナタリー・ウッドとトニー・カーティス主演で映画化(邦題「求婚専科」)されています。
彼女自身も、ブレイク・エドワーズの「ピンクの豹」(The Pink Panther - 1963)やプレスリーの「ハレム万才」(Harum Scarum - 1965)などの映画に出演していました。
以上、どういう経緯か知らねどもなぜか手元にある5枚の「LP TIME」のCDを、とりあえずご紹介しました。
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「セクハラを気にし色気のないジョーク」(蚤助)
いずれも、あまり…というか、ほとんど世に知られていない美女たちなのは言うまでもありません。
まずは、パット・オデイ嬢の「WHEN YOUR LOVER HAS GONE」(1957)であります。
少ししどけないネグリジェ姿で、なかなか色っぽいお姉さまですが、何と、録音当時の年齢は21歳(!)だそうで、ビックリしてしまいます。
ジャケットの裏に彼女のプロフィールがあるのですが、それによると瞳はブルー、髪はブロンド、身長5フィート5インチ(およそ170センチ弱)、体重114ポンド(およそ55~6キロか)、職業は歌手となっています(笑)。
スイング時代の香りがするヴォーカルで、ジャケット写真で推測されるように、実年齢よりはるかに年齢を重ねた女性が歌うようなトーチ・ソング集です。
編曲と指揮はジャック・ジンマーマン。
次は、サリー・ブレア嬢の「HELLO, TIGER!」(1959)。
ボルティモア出身の美人シンガーです。
ボルティモアといえば、ビリー・ホリデイと同郷ですが、よく伸びる声と丁寧な歌唱をしていて好感が持てます。
伴奏はニール・ヘフティ率いるオーケストラで、名手ヘフティがエキゾティックかつ華麗でふくよかな編曲を施しています。
今回紹介する女性シンガーの中ではいちばんジャズ・フィーリングにあふれたアルバムです。
リー・スコット嬢の「ESPECIALLY FOR YOU」と「COOL MUSIC FOR WARM PEOPLE」という1959年にレコーディングされた2枚のアルバムを1枚にまとめた徳用盤ですが、彼女についてこのアルバムの歌声以外は何も知ることがないという、蚤助にとってはまさに「謎の女性歌手」です。
これもかなりお色気ムンムンのジャケットですが、ヴォーカルそのものはあまり色気を感じさせず、好みのヴォーカルとは言い難いところであります。
ドンとトニーのルイス兄弟による編曲で、トニーのジャズ・コンボが伴奏に付き合っているのですが、個人的にはトニー・パガノの薄っぺらなフルートの音色が苦手で、大いに演奏を盛り下げている結果となっています(笑)。
キャロル・ローレンス嬢の「AN EVENING WITH CAROL LAWRENCE」(1964)です。
言わずと知れた名作ミュージカル「ウエストサイド物語」のオリジナル・ブロードウェイ・キャストでヒロインのマリアを演じた女優さんです。
歌って踊れる女優として20歳でミュージカル・デビューを果たし、数々のステージで活躍しました。
ショウ・シンガーは声を張り上げて大仰に歌う傾向がありますが。彼女の場合はそんな癖はなく非常に聴きやすいヴォーカルです。
ジャケットもいかにも女優らしいゴージャスな出来栄えで、ここではフォークソングから出世作「ウエストサイド物語」のメドレーまで取り上げて可憐な歌声を披露しています。
ジョー・ハーネルの編曲・指揮のオーケストラが伴奏しています。
最後がフラン・ジェフリーズ嬢の「SEX AND THE THE SINGLE GIRL」(1964)というアルバムで、マーティ・マニングが編曲・指揮をしています。
本作もなかなかのセクシー・ジャケットです。
アルバムのタイトルは元コスモポリタン誌の女性編集長だったヘレン・ガーリー・ブラウン女史の自伝的小説の題名ですが、ナタリー・ウッドとトニー・カーティス主演で映画化(邦題「求婚専科」)されています。
彼女自身も、ブレイク・エドワーズの「ピンクの豹」(The Pink Panther - 1963)やプレスリーの「ハレム万才」(Harum Scarum - 1965)などの映画に出演していました。
以上、どういう経緯か知らねどもなぜか手元にある5枚の「LP TIME」のCDを、とりあえずご紹介しました。
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「セクハラを気にし色気のないジョーク」(蚤助)