山岳事故
岐阜県警山岳救助ヘリ「らいちょうⅡ」のレスキュー
8月10日 15:50頃 穂高岳山荘から奥穂への登り取り付き付近で
転倒事故が起きた。取り付きの垂直梯子が連続する付近にて。
もう少しで穂高岳山荘に下り着こうかという場所だが、岩場の急峻な所だ。
事故発生後、負傷者は山荘脇の安全場所に移された後、山荘の常駐隊や遭対協の方々が、
後続の登山者の誘導をしている場面。
すぐさま、救助ヘリの要請があり岐阜県警の「らいちょうⅡ」が穂高岳山荘の上空に姿を現した。
ヘリの着陸に支障がないようテラスにいた登山者たちは片隅に誘導された。
県警の救助ヘリは、中型ヘリ<全長16m>なので 接近してくるとかなりの迫力だ。
負傷者の待つポイントまで ぐ~~んと寄ってくる!
ものすごい音が響く! 強烈な吹き降ろし風が発生!
着陸! 砂塵が発生し小石等をまき散らす猛烈な風圧!
このケースでは着陸可なので、ホイストでヘリの救助隊員が降下してくることはない。
待機していた遭対協の方々の動きは機敏だ。数秒で、負傷者ピックアップ!
負傷者救助、機内固定。
離陸! すぐさま病院への搬送だ。 ここから約10分で着く。
バックで山荘から離れる。
距離、空間を確保して、
さっと方向転換して プロペラの轟音と共にあっという間に消えていく。
ヘリが姿を現してから立ち去るまで、わずか2分程度だ。
岐阜県警航空隊の果敢なフライトは見事であった。ご苦労様でした。
さて、ここで一考察:
不幸にして転倒事故が起きたのだが、幸いヘルメットを被っていたため
足首の骨折だけで済んだとのこと。
事故現場が、場所が場所だけにもしも頭部が保護されてなかったら重大な事態となっていたかもしれない。
今回の事故に関しては、今シーズンから推奨されているヘルメット効果があったケースである。
ただヘルメット着用していれば、絶対大丈夫という訳ではない。
今夏の穂高エリアの登山者を観察すると 例年の倍以上のヘルメット持参者を見るのであるが、
その方々が、安全な歩き方、登下降しているかと言えば 大半が否である。
格好だけはヘルメット着用なのだが、穂高エリアへ来る前に他の山で技量アップして臨んでいるのか
はなはだ疑問を感じる登山者が多過ぎる。
先ず、技術・体力、落石・滑落ポイントや天候を含む判断力など山に挑む総合力を高めた上での
いざという時の装備としてのヘルメットでないと 逆に危険な気がしてならない。
安易に流行でヘルメットだけ身に着けて 肝心の技量が身に付かないまま 物見遊山な山行で
穂高に来てしまうことの方が多くの危険をはらんでいると危惧してしまうのは私だけだろうか?
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