広島は6日、原爆投下から73年の「原爆の日」を迎えた。
広島市中区の平和記念公園では午前8時から「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれた。
松井一実市長は平和宣言で、核保有国に核拡散防止条約(NPT)が義務付ける核軍縮の誠実な履行を要求した上で、国際社会に核兵器禁止条約を核廃絶への「一里塚」にするよう求めた。
広島市は毎年8月6日に、原爆死没者への追悼とともに核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願って平和記念式典を行い、広島市長が「平和宣言」を世界に向けて発表しています。広島・長崎の悲惨な体験を再び世界の人々が経験することのないよう、核兵器をこの地球上からなくし、いつまでも続く平和な世界を確立しようと、これからも平和宣言は訴え続けていきます。 <広島市HPより>
平和宣言
73年前、今日と同じ月曜日の朝。広島には真夏の太陽が照りつけ、いつも通りの一日が始まろうとしていました。皆さん、あなたや大切な家族がそこにいたらと想像しながら聞いてください。8時15分、目もくらむ一瞬の閃光。摂氏100万度を超える火の球からの強烈な放射線と熱線、そして猛烈な爆風。立ち昇ったきのこ雲の下で何の罪もない多くの命が奪われ、街は破壊し尽くされました。「熱いよう!痛いよう!」潰(つぶ)れた家の下から母親に助けを求め叫ぶ子どもの声。「水を、水を下さい!」息絶え絶えの呻(うめ)き声、唸(うな)り声。人が焦げる臭気の中、赤い肉をむき出しにして亡霊のごとくさまよう人々。随所で降った黒い雨。脳裏に焼きついた地獄絵図と放射線障害は、生き延びた被爆者の心身を蝕(むしば)み続け、今なお苦悩の根源となっています。
世界にいまだ1万4千発を超える核兵器がある中、意図的であれ偶発的であれ、核兵器が炸裂(さくれつ)したあの日の広島の姿を再現させ、人々を苦難に陥れる可能性が高まっています。
被爆者の訴えは、核兵器の恐ろしさを熟知し、それを手にしたいという誘惑を断ち切るための警鐘です。年々被爆者の数が減少する中、その声に耳を傾けることが一層重要になっています。20歳だった被爆者は「核兵器が使われたなら、生あるもの全て死滅し、美しい地球は廃墟と化すでしょう。世界の指導者は被爆地に集い、その惨状に触れ、核兵器廃絶に向かう道筋だけでもつけてもらいたい。核廃絶ができるような万物の霊長たる人間であってほしい。」と訴え、命を大切にし、地球の破局を避けるため、為政者に対し「理性」と洞察力を持って核兵器廃絶に向かうよう求めています。
昨年、核兵器禁止条約の成立に貢献したICANがノーベル平和賞を受賞し、被爆者の思いが世界に広まりつつあります。その一方で、今世界では自国第一主義が台頭し、核兵器の近代化が進められるなど、各国間に東西冷戦期の緊張関係が再現しかねない状況にあります。
同じく20歳だった別の被爆者は訴えます。「あのような惨事が二度と世界に起こらないことを願う。過去の事だとして忘却や風化させてしまうことがあっては絶対にならない。人類の英知を傾けることで地球が平和に満ちた場所となることを切に願う。」人類は歴史を忘れ、あるいは直視することを止めたとき、再び重大な過ちを犯してしまいます。だからこそ私たちは「ヒロシマ」を「継続」して語り伝えなければなりません。核兵器の廃絶に向けた取組が、各国の為政者の「理性」に基づく行動によって「継続」するようにしなければなりません。
核抑止や核の傘という考え方は、核兵器の破壊力を誇示し、相手国に恐怖を与えることによって世界の秩序を維持しようとするものであり、長期にわたる世界の安全を保障するには、極めて不安定で危険極まりないものです。為政者は、このことを心に刻んだ上で、NPT(核不拡散条約)に義務づけられた核軍縮を誠実に履行し、さらに、核兵器禁止条約を核兵器のない世界への一里塚とするための取組を進めていただきたい。
私たち市民社会は、朝鮮半島の緊張緩和が今後も対話によって平和裏に進むことを心から希望しています。為政者が勇気を持って行動するために、市民社会は多様性を尊重しながら互いに信頼関係を醸成し、核兵器の廃絶を人類共通の価値観にしていかなければなりません。世界の7,600を超える都市で構成する平和首長会議は、そのための環境づくりに力を注ぎます。
日本政府には、核兵器禁止条約の発効に向けた流れの中で、日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現するためにも、国際社会が核兵器のない世界の実現に向けた対話と協調を進めるよう、その役割を果たしていただきたい。また、平均年齢が82歳を超えた被爆者をはじめ、放射線の影響により心身に苦しみを抱える多くの人々の苦悩に寄り添い、その支援策を充実するとともに、「黒い雨降雨地域」を拡大するよう強く求めます。
本日、私たちは思いを新たに、原爆犠牲者の御霊に衷心より哀悼の誠を捧げ、被爆地長崎、そして世界の人々と共に、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて力を尽くすことを誓います。
平成30年(2018年)8月6日
広島市長 松井 一實
*心に響く広島市長の平和宣言です*
これに対して、ヒロシマに於ける安倍首相の演説は <核兵器廃絶さんのブログ記事より>
今年も心に響かないスピーチであった。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/0806hiroshima.html
一発の原子爆弾が、街を一瞬にして破壊し、十数万ともいわれる貴い命を奪いました。あれから73年、一命をとりとめた方々にも、筆舌に尽くし難い苦難の日々をもたらしました。若者の夢や明るい未来が容赦なく奪われました。
原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
広島、長崎の悲劇を再び繰り返してはならない。唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けて、粘り強く努力を重ねていくこと。それは、我が国の使命です。
近年、核軍縮の進め方について、各国の考え方の違いが顕在化しています。
真に「核兵器のない世界」を実現するためには、被爆の悲惨な実相の正確な理解を出発点として、核兵器国と非核兵器国双方の協力を得ることが必要です。我が国は、非核三原則を堅持しつつ、粘り強く双方の橋渡しに努め、国際社会の取組を主導していく決意です。
その具体的な取組として昨年、核軍縮に関する「賢人会議」を、ここ広島で開催しました。
「賢人会議」を通じて有識者の知見も得ながら、核兵器不拡散条約(NPT)発効50周年となる2020年のNPT運用検討会議が意義あるものとなるよう、積極的に貢献してまいります。
また、その非人道性を、後の世に、また世界に、伝え続ける務めが我々にあります。
若い世代が、被爆者の方々から伝えられた被爆体験を語り継ぐ。
政府として、そうした取組をしっかりと推し進めてまいります。
被爆者の方々への援護施策については、保健、医療、福祉にわたる支援の必要性をしっかりと受け止め、被爆者の方々に寄り添いながら、今後とも、総合的に推進してまいります。特に、原爆症の認定について、引き続き、一日も早く結果をお知らせできるよう、できる限り迅速な審査を行ってまいります。
結びに、永遠の平和が祈られ続けている、ここ広島市において、「核兵器のない世界」と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げます。原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに、参列者、広島市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。
平成30年8月6日 内閣総理大臣・安倍晋三
参照:まるこ姫さんの昨年のブログ記事。
2015年8月 6日
安倍首相、
原爆の日の今日広島でも罵声を浴びる
私はたまたま、犬HKを見ていたのでぜんぜん分からなかったが
どうもTBSの中継では、庶民の罵声を拾ったようだ。
ツィッターを見ていると、式典に出席した人の話では、安倍首相
のスピーチの時だけ怒号や罵声がすごかったと。
安倍、何しに来た!
どの面を下げて来た
恥を知れ
安保法案を撤回しろ!
帰れ
戦争反対!
会場のあちこちから飛んでいたと。
小学生の平和への誓いに拍手のあと、
安倍総理のスピーチには
誰一人拍手する人なし。だと。
安倍首相に対しての反感はすごい。これは聞きしに勝る
>被爆から70年を迎えた今朝、
私は改めて平和の尊さに思いを致しております。
こんな取ってつけたような美辞麗句を言っても、全く響かない。
平和の尊さに思いを致す人間が、なぜ違憲と言われている法
案を無理やり通そうとしているのか。
審議を途中で打ち切り、強行採決に打って出るのか。
米国に追随して海外派兵を選択する法案に対して、“平和安全
法制”とネーミングするのか。
平和でも安全でも無く、ましてや抑止力になるわけがない。
戦後70年沖縄全戦没者追悼式では罵声は浴びせられるわ、靴
は投げつけられるわ。。。
それを思うとまだ待遇は良かったと言う事か。
不思議なことに、NHKではまったくこう言った庶民の声を拾わな
かった。
何事もなく議事進行。
TBSは、罵声をちゃんと拾って解説でも取り上げたようだ。
局の姿勢が分かると言うものだ。
本来なら、皆様のNHKが報道すべき仕事だろうに
こんなこともありましたね。↓ ↓ ↓
脅威のコピペ率、
安倍総理の広島平和祈念式典スピーチが
前年のものを使い回していることが明らかに
識者の安倍総理大臣への評価:
「平和ブランドを崩壊させ、米国追随の戦争国家への転換を始めた。“逮捕されなければ何をしても良い”という倫理規範を政官界に蔓延させた」
「権力を私物化し、三権分立のバランスを壊し、政治に対する信頼を地に落とした。日本国憲法を破壊した」
「外交ではトランプの後追いばかり。イデオロギー的には超保守派で対米自立を言っているようで、現実にはアメリカへのポチぶりも甚だしく矛盾が著しい。」
8月9日
安倍総理、広島でも長崎でも「核兵器禁止条約」に一言も触れず!
その真意を回答願いたいとした被爆者のお願いにまともに答えない不誠実さを見せた。
当然、被爆者の方々は怒り心頭である。
それに対して、国連事務総長のグテーレス氏は演説の中で語りづらいはずなのに、
きちんと発言していた。
安倍総理よ、核保有国と非核保有国の橋渡しとしてなどという逃げの姿勢ではなく
日本は唯一の核被爆国として 「核兵器禁止条約」に賛成する。その上で強くアメリカを説得する事を誓うと
述べてこそ核の怖さ、惨さを世界に発信するリーダーであり、平和の尊さについて初めて口にできる人なのである。
トランプとゴルフで遊ぶことはできるが、肝心な力強い外交力など微塵もない。
得意なのは、外交ではなく外遊ですからね!
グテーレス氏:国連トップとして初めて長崎の平和祈念式典に参列したグテーレス事務総長はあいさつで、核保有国が核兵器の近代化に巨額をつぎ込む一方、核軍縮は「プロセスが失速し、ほぼ停止している」と懸念を表明。核保有国に対して「核軍縮をリードする特別の責任がある」と強く訴えた。
昨年、国連で採択された核兵器禁止条約は、核軍縮が進まない現状に対する「多くの国の不満」と指摘。すべての国に、核軍縮に全力で取り組み、緊急の問題として目に見える進歩を遂げるよう訴えた。
「広島と長崎の原爆を生き延びた被爆者の方々は世界中で平和と軍縮の指導者になった」と称賛。「私たちはその声に耳を傾けなければならない」と呼びかけた。「私たちみんなで、この長崎を核兵器による惨害で苦しんだ地球最後の場所にするよう決意しましょう」と結んだ。
式典に先立つ記者会見では、核禁条約に対する国連の姿勢として「全面的に支持し、発効することを望む」と述べた。核軍縮に後ろ向きな米国に対しては、「米国の決定は米国の決定だ。国連はできることを精いっぱいやっていく。国連がすべき役割を果たす」と強調した。
グテーレス氏の揺るぎない信念と平和を希求する勇気ある発言、心に響く言葉に 拍手を送りたい。
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