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令和2年(2020年)木造建築士試験問題解説 ②

2020-09-17 09:57:09 | ビジネス・教育学習
◇今日は、確認・検査等の手続き規定に関する問題を解説していきます。
◇木造建築士試験問題に関しては、出題傾向分析はしていませんので、感でのコメント程度にします。
◇公表された木造建築士試験問題を参照しながら見てゆくと分かり易いと思います。
◇問題文、正答表共に、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.にて参照できます。
◇下記URLにアクセスしてください。(Ctrlキーを押しながらクリックすると表示できると思います。)
問題文(計画・法規)
https://www.jaeic.or.jp/shiken/mk/mk-mondai.files/mk-2020-1st-gakka1_2.pdf
正答表(全4科目):
https://www.jaeic.or.jp/shiken/mk/mk-mondai.files/mk-2020-1st-gokakukijun.pdf
⇒できない場合は、検索システムで、公益財団法人 建築技術教育普及センターにアクセスしてください。
 ホームページ内に、試験問題「過去問」にアクセスする「窓(メニュー)」があります。

〔No. 3 〕 木造建築物に関する次の行為のうち、建築基準法上、全国どの場所においても、確認済証の交付を受ける必要があるものはどれか。
正答 4
1.確認不要。法6条1項:展示場で80㎡のものは、法6条1項一号(特殊建築物で200㎡を超えるもの)に該当せず、同二号(大規模木造)、三号(木造以外)にも該当しない四号建築物
 なので、全国どこでも確認を必要とするわけではない(都市計画区域内等では、新築なので、確認が必要)。
2.確認不要。法6条1項:200㎡を超えているが、法別表第1の(い)欄にかっこ書きで、特殊建築物としての診療所は、患者の収容施設があるものに限定しているので、設問のも
 のは、法6条の確認申請手続きにおいて、特殊建築物には該当せず、規模・構造も二号、三号に該当しない四号建築物なので、大規模の模様替において、確認を要しない。ま
 た、新築であっても、全国どこでも確認を必要とするわけではない(都市計画区域内等では、新築の場合には、確認が必要)。
3.確認不要。法6条1項、法87条かっこ書き、令137条の18第一号:200㎡を超える特殊建築物の用途変更申請なので、法87条、法6条に基づき、原則、確認が必要だが、法87条
 かっこ書きで、政令で指定する類似用途間は除外しているので、令137条の18第一号において、映画館と演芸場は、類似用途として定義されているので、その場合には、用途
 変更の確認申請は不要。
4.確認が必要。前の肢問3と、ほぼ同様の設問ですが、共同住宅から有料老人ホームへの用途変更は、令137条の18に基づく、類似用途には該当せず、確認を必要とする。な
 お、有料老人ホームは、令19条により児童福祉施設等に該当し、患者の収容施設がある診療所と類似の用途ということになり、共同住宅は、水回りが住居ごとの空間となり、
 下宿、寄宿舎は、共同の空間となるので、共同住宅とは類似用途とはならない。
5.確認不要。法6条1項:事務所は、法別表第1の(い)欄に記載されている特殊建築物には該当せず、木造で300㎡なので、二号にも三号にも該当しない、四号建築物なので、全
 国どこでも確認を必要とするわけではない(都市計画区域内等では、新築なので、確認が必要)。

[ここがポイント]:全国どこでも確認が必要という問いかけでは、四号建築物であるか否かがポイントです。一号~三号建築物は、全国どこでも確認対象ですが、四号建築物は、
 都市計画区域・準都市計画区域内を対象とした規定です。したがって、誤答を招くのは、一つは、新築工事ですね。都市計画・準都市計画区域の外であれば、必要としないか
 らです。もう一つが、大規模修繕・大規模模様替ですね。都市計画・準都市計画区域内であっても、四号建築物への確認を要求していないからです。よく注意して問題文の建
 築物を読み込んでください。

〔No. 4 〕 建築基準法上の手続に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正答 1
1.誤り。法6条2項:確認を必要としないのは、防火地域又は準防火地域外にあるものを対象としており、たとえ10㎡以内の増・改築・移転であっても、防火地域又は準防火地
 域内においては、確認が必要。
2.正しい。法15条:10㎡を超えるものを対象として、建築工事届は建築主が、建築物除去届は施工者が、建築主事を経由して都道府県知事に届け出ることとしている。
3.正しい。法7条の3第6項:法7条の3第1項において特定工程を指定し、同2項において中間検査申請を義務付けており、同6項において中間検査合格証の交付前の次工程の工事
 を制限している。なお、指定確認検査機関による中間検査の規定は、法7条の4に規定している。
4.正しい。法7条1項、2項:建築主の完了検査姿勢義務を第1項で規定し、第2項で4日以内申請を義務付けている。
5.正しい。法87条1項:工事が完了した場合には、法7条の完了検査申請に替えて、法87条において、建築主事への完了届としている。指定確認検査機関については、法7条の2
 第1項において、完了検査を引き受けた場合としており、用途変更の工事に関しては完了検査がないので、指定確認検査機関の役割は存在しない。

[ここがポイント]:法15条の建築工事届と建築物除去届に関しては、届け出先の行政庁に注意です。確認申請と併せて提出しますので、建築主事を経由しますが、都道府県知事へ
 の提出書類です。あと、法87条に基づく用途変更確認申請ですが、完了検査はありません。完了届になります。したがって、提出先は、行政である建築主事であり、検査業務
 を委託している確認検査機関の業務としては存在しません。

2020年9月17日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
コメント
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