暮らす、生きる、繋がる、持続可能な未来

人も社会も、成長と負荷を切り離して、落としどころを考える。

平成30年「1級建築士試験問題・建築法規」ブログ解説 「No.10」

2019-01-07 09:34:14 | ビジネス・教育学習
◇官公庁や多くの企業の正月休みは明けましたが、学生は、まだ休みの期間中です。
◇この期間を利用し、休憩していました「平成30年度1級建築士試験」の解説を続けます。
◇今年もこれまで通り、一日2問のペースで、解説を記述していこうと思います。
◇約一カ月ぶりですが、建築基準法分野としては、最後の2問になります。

◇なお、試験問題は、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.をご参照ください。
◇二級建築士試験、木造建築士試験と同様に、問題文と正答肢表が公開されています。
◇参考までに、該当アドレスを下記に記載します。

〔No.19 〕「病院」という用途に絞って、新築する場合の規制事項を問う問題です。4択の肢問で、それぞれ、「用途規制」「防火建築物規制」「避難設備としての廊下の基準」「居室としての採光規定」を問う問題です。
正答 2
1.正しい。法91条、法48条、法別表第2(ろ)項、令130条の4:敷地の過半に属する用途地域の用途規制を適用し、第二種低層住居専用地域内に、建
築することができる建築物に、病院は含まれていないので、建築できない。ちなみに、第一種中高層住居専用地域内であれば、法別表第2(は)項
三号に該当し、建築できる。
2.誤り。法27条1項二号、法別表第1(2)項(は)欄、法62条1項:病院の用途(患者の収容施設がある)に供する部分が、2階の部分にあって300㎡以上の
ものについては、耐火建築物又は特定避難時間倒壊等防止建築物が要求されていて(二号)、耐火建築物とする必要はない(特定避難時間倒壊等防
止建築物でよい)。また、準防火地域内において、耐火建築物が要求されるのは、4階建て以上、又は1,500㎡を超えるものなので、これにも該当
しない。なお、告示255号第1第1項一号において、設問の建築物は、準耐火構造とすることとしている。
3 .正しい。令119条の表:病院における患者用の廊下の幅は、1.6m以上と規定している。
4.正しい。法28条1項、令19条2項五号:居室には、原則として、採光のための窓が必要。

講評:用途規制は、法91条に「過半の用途による」としており、敷地面積が小さい「第一種中高層住居専用地域」内であれば、建築できるが、敷地面積が大きい「第二種低層住居専用地域」内には建築できず、法91条が確認できれば、易しい問題だと思います。ちなみに、公益上必要な建築物に該当するか否かの確認もしてみてもいいと思います。
 正答の「耐火建築物としなければならない」かの確認ですが、理解してみれば、易しい部類に属する問題だと感じることができると推察しています。試験では、法令の条文だけで回答できますが、実務では、「告示255号」が絡んできます。勿論、耐火建築物とする必要はないのですが、具体的に「準耐火構造」の建築物として扱うことが必要とされてきます。

〔No.20 〕地区計画と、建築協定に関する問題です。
正答 4
1.正しい。法68条の2第1項参照
2.正しい。法68条の3第1項参照
3.正しい。法69条、法2条一号:建築物に付属する門及び塀は、建築物と定義されており、建築協定では、建築物の意匠に関する基準について定め
ることができるとしているので、建築協定で、建築物に附属する門及び塀の意匠に関する基準を定めることができる。
4.誤り。法75条の2第2項:当該土地に係る土地の所有者等の全員の合意が必要である。

講評:この分野の問題は、条文をよく読むことで、納得がゆく回答が得られると思っています。特に、肢問の3と4では、注意して読み込まないと、読み違えそうな条文ですので、注意が必要だと思っています。

学科Ⅲ「建築法規」問題集
http://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-mondai-h30-gakka3.pdf
学科の正答肢
http://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-gakka-gokakukijyun-h30.pdf

2019年1月7日 by SHRS(シュルズ)「1級建築士、建築基準適合判定資格者」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする