雪は雪月花のひとつ。春の花、秋の月とともに日本の四季を彩る美しいものの代表とされた。この花と月と雪は「美しい」というほかにいくつかの共通点がある。ひとつは時の流れとともに移ろい、消滅してしまうこと。花は散り、月は欠け、雪は溶ける。日本人は永遠不滅のものに美を見出さず、このような時とともに失われてゆくものこそ美しいと感じた。どれも未来における再生の約束だった。この再生の約束が日本人の心に安らかなものをもたらしている。「長々と横たふ雪のつつみかな 才 麿」「馬をさへながむる雪の朝哉 芭 蕉」「我雪とおもへばかろし笠の上 其 角」「応々といへど敲くや雪の門 去 來」「引きすてし車の数よ夜の雪 白 雄」「是がまあつひの栖か雪五尺 一 茶」「いくたびも浮きの深さを尋ねけり 正岡子規」「雪片のつれ立ちてくる深空かな 高野素十」「降る雪や明治は遠くなりにけり 中村草田男」。早くも裏日本~北陸~東北~北海道と初雪の便り、待っていたスキー場にも積雪の便り、本格的な冬の到来である。(待ちわびし スキー仲間の 笑い顔 ケイスケ)
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