今朝は晴天。朝から30℃近く陽射しの強さにおどろいた。慌てて箪笥から半袖のシャツとズボンを取り出した。夏もちかずくハ十八夜。茶摘みも八十八夜を中心とするから晩春、それから製造した今年のいわゆる新茶は、ゆえに初夏。走り茶ともいい香は新鮮である。生産額では静岡を筆頭に、滋賀県信楽、福岡県八女、佐賀県嬉野、埼玉県狭山など茶ぢころとして聞こえる。京都府宇治は宅地化も進み産額こそ他に譲ったが、上質の高級茶ではなお引けを取っていない。土や水など地勢規ゆえであろう。安土桃山以降、茶の湯の普及とともに、茶質の良ししが厳しくいわれるようになったが茶道でいう新茶.は時季が別で、「口切」をはじめ、晩秋初冬である。「宇治に似て山まなつかしき菜新茶かな 支 考」「霊前に新茶そゆるや一つまみ 浪 化」「猟人の念仏を聞く新茶かな 麦 水」「馬繋げ新茶かほらす萱が軒 蝶 夢」「新茶の香真昼の眠気て転じたり 一 茶」「夜も更けて新茶ありしをおもひいづ 水原秋櫻子」「新茶汲むや終わりの雫汲みわけて 杉田久女」「新茶洩れ父はおはしきその遠さ 加藤楸邨」「夕映えて海女とらへおり新茶売り 石田波郷」「老いぬれば括淡がよし古新茶 大橋桜波子」「日輪と新茶の小さき壺一つ 成田千空」。(物書いて新茶の一杯味はえり ケイスケ)