迷い道

今日、久しぶりに武蔵小杉にいる。

先日、孫が幼稚園に入園したので、その記念写真を武蔵小杉の写真館で撮ってもらった。写真が出来上がったと連絡があったので、会社帰りに取りに来たのだ。

武蔵小杉は、思い出深い場所である。
社会人になって初めて配属になった事業所が武蔵小杉であり、先輩達から半強制的に居酒屋に連れて行かれ、無理やり酒を呑まされたことで、純朴な青年は徐々に酒呑みへと変身していった。
（元々素質があったのだろうか・・・）
また、女房殿の勤務先も武蔵小杉であり、最初の出会いもこの地の呑み屋だった。

武蔵小杉は今、横須賀線も停まるようになり、工場跡地に超高層マンションも乱立し、昔の街並みから大きく変貌している。
ただ、東急東横線口には当時と全く変わらない、武蔵小杉センターロードという居酒屋が立ち並ぶ横丁がある。
せっかく、夜の武蔵小杉に来たので、入社当時も良く連れて来られたこの横丁の「くろ兵衛」という居酒屋で一杯やることにした。

メニューが書かれた短冊が壁一面に貼ってある、当時とまるで変わらない古びた店内で、やきトンを喰いながら、ホッピーをグビグビ。ん～、美味い。



店内に流れるＢＧＭも爺が若かりし頃のＨＩＴ曲ばかりであり、佐野元春・ガラスのレボリューション、久保田早紀・異邦人、松坂慶子・水中花等々。
平成も28年になったというのに、ここだけ昭和という時代から時が止まっているようだ。

そこそこ酔いもまわり、帰ろうとした時に流れてきた曲が、渡辺真知子・迷い道。
♪現在・過去・未来、あの人に逢ったなら・・・ひとつ曲がり角、ひとつ間違えて、迷い道くねくね♪

今後、武蔵小杉は近未来都市へと更に変貌していくのか、昭和の趣の残るセンターロードはどうなってしまうのか、ここで出会った女房殿とはうまくやっていけるのか等々、どうでも良いことを考えながら、駅までの道をくねくねと歩いていく。