囲碁と将棋はどっちが面白いんだろう

囲碁の活動と将棋の活動を通じてその面白さに迫る

羽根直樹、十段戦2回戦で伊田に勝ち星

2016年11月15日 | 囲碁

少し前の棋譜ですが、
羽根さんは厚みをうまく使って、辛抱しながら、忍びながら、いつの間にか勝つ。
まっすぐな攻め合いにも強く若手にも引かないところは四天王健在を思わせ心強い。



序盤、3間バサミに打ったところ。
白は実利重視のスベり。

スベリのいいところは右辺が黒地になったときに地に辛いところ。
具体的にいうと…



ツケフクラミだと黒が隅を打ってるけど



スベリだとのちのち、
このコスミが先手で打てる。

白が地で得してきてるということは、
そのぶん薄さがあるということ。
囲碁は調和とはこのことかね。



実戦はツケ!

反発すると…



無理矢理分断されて戦いになる。



実戦はこれを避けたが、
それでも追求は厳しく



押して、ハネには切り。



白の抵抗もあって最終図はこんなフリカワリに。
この厚みをじわじわ効かす羽根さんの打ち回しは老練の業といえようか。



右下をはさんで追い立て



左下の根拠を脅かし



左辺で得をしてからの



きり!
右上のハサミツケなら安全なんですが妥協しません。



シメツケで厚みを築いて



左辺、下辺の地を手厚くします。
直接攻めなくても、無理矢理切らなくても、じんわり打つのが味わい深い。



結果は黒中押し勝ち。



羽根さんは棋聖リーグはB2?ですか。
なんともまぁ、不本意なところに。

羽根さんに一番似合うタイトルはなんですかね。
本因坊もとってたけど、
本因坊はもっと、鋭い棋風の人が似合うとおもう。
この泰然とした棋風、人柄には、
やっぱり棋聖だ。





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