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少女小説、アニメ、マンガ、サッカー、歴史雑学、時事ネタなどとりとめのない雑記

映画『チキン・リトル』吹替版で観た。

2006年01月12日 01時41分02秒 | 映画/DVD
洋物は字幕版で観るのですが、今回はアニメということで、吹替で観てみました。
しかし、パロディ満載のこの作品、映像はともかく音楽などは字幕版でないとピンとこないものもあり、ビミョーでした(苦)
映像はさすがのディズニーで高品質でしたが、内容にはノリきれなかったので★★☆☆☆。

そもそも近頃のディズニー系アニメをほとんど見ない私がこれを見たのは、前売についてたマスコット付携帯ストラップがクオリティ高そうだったので、間近で見たかったから。
見本がなかったので、見るためには前売券を買わねば。
買ったなら一応観ねば。です。

観た感想は、
「チキンリトルが予想以上にかわいそうな生き物だった」
「最近、声優としてはシロウトなタレントを吹替えに起用する(私はあんまり賛成でない派ですが)のに、どうして今回はほとんどそうしてないの?チキンリトルも本物の子供が声をアテたほうが、父と子の心のすれ違いがリアルに伝わるのにな~」
「ものすごく速い展開でついてくのが精一杯☆ アメリカの子供はこれについていけるのかー。っていうかアメリカ産のテレビアニメってもともと展開速いから、これが普通なのか…」
「SF名作や、とりわけ最近の『宇宙戦争』パロが多用されてるけど、チキンリトル観に来るような日本の子供たちは、たぶんほとんどが元ネタ観てないぞ。『宇宙戦争』はけっこうさくさく人が死ぬ映画だけど、アメリカじゃ子供が当然のように観に行くようなもんだったのか?」
「父子間の問題について丁寧に描いてるけど、当然ながらアメリカ的。離婚による(これは死別のようですが)シングルファーザーが珍しくない、理想の「ファミリー」観、など日本の現状とは違う部分ではピンとこないかなー」
「短い、忙しない、ゴーイン、アメリカンな展開…」

まあこんな感じです。
展開が速すぎて、感想というか考えもじっくりできなかったので箇条書き風。
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映画『銀の髪のアギト』観たけど

2006年01月12日 01時06分22秒 | 映画/DVD
結果は★☆☆☆☆…。
★一つ分はCGと宮崎あおいちゃん(サキは表示できないので崎で代用しています)にです。
私の動機もあおいちゃんだ。でなければあらすじだけですべってるこの作品、もともと趣味にも合わんし、映画館では見んよ
そうは言っても、迫力ある映像を大スクリーンでご覧になりたい方は是非劇場へれっつごー。

私自身の感想としては、びっくりするぐらい駄作でした
実写も含め昨年からけっこう映画作品観てきたけど、裏トップクラス。
「エッ!?こんな安直な展開でいいの??」で口をあんぐりしてしまったのが3回。
「あ~こーゆーてんかいでいいんだあ~~~」と失笑してしまったのが4回くらいかな。
主要キャラクターを本職声優でない俳優/タレントにやらせるのは話題づくりと宣伝費節約だと思うのですが、ヒロイン・宮崎あおいさんはアニメの声アテた経験もあるし他の方々もなかなかよかったです。
有名俳優やタレントを使った類似ケースと比べると上手くハマっていました。

しかし作品の内容が…どうにも…。
ミヤザキハヤオ作品が「ひと」を描くことをやめたらこんなもんになるかもしれない、という出来でした。
それか悪く言ったときの「男性作家によるラノベ」っぽい。
作りこんだ世界観とうんちくと絵的(場面というよりは一枚絵的な)なかっこよさがまずあって、そのために必要な人物を配置してるんだけど、「人間」とか「人間関係」とりわけ心の機微みたいなのが欠け落ちてて、ステレオタイプで生活感がない。
この作品のこの場にいる人物が「この場限り」のキャラクターなのですよ。
この人がここに至るまでの過程や人生があるはずなのに、それを感じさせるものがないのですよ。
展開の中でも「心の流れ」がないし。
なにごとも突然決めちゃって唐突にわかっちゃっていきなり悟っちゃってます。
キャラの感情や動機が言葉だけで説明されてて、いくら声優さんが情感こめてても、生きてる人のこととして伝わってこないのです。
物語世界で観客の『目』となるべき人物がいなかったのもマイナス。

世界観についてもべらべらとセリフで解説してるんだけど、いや、もう、「現代文明崩壊後の地球」とか「自然との共存」とか緑化とか世界を救うとかもう、これまでに散々他の作品で見てきたから!
さほど目新しいことがあるでなし、こまごまとした設定はサブカル本に任せておけばいいです。
作中、小難しいこと並べ立ててますが、ストーリーそのものは「安直だな」と思っただけで「理解できない」ほどではありません。

でもって嗤うしかない、強引な展開…。
「やめろ、ジョッカー!ぶっとばすずぉ~」(仮面ノリダー調)ってのが頭の中でぐるぐるしました。
なんかこの強引さ、特撮ヒーローもの的なんですもの♪
大事なあの娘とみんなを守るため、改造人間に変っ身!(もちろんお約束の、『リミット』付)とうっ!

映像は3DCGに気合が入りまくってるわりに、2Dキャラの単純な口パクがセル時代のTVアニメ?な感じでアンバランスでした。
劇場公開作品なので、どちらも手を抜かずにやってもらえれば結構な出来栄えで、特に物申すところはなかったのですが。

全体的に、ネットで全13話有料放送する作品のダイジェスト版…でも全13話で制作しても、この人間描写の虚ろさは埋まらん気がする。根本的に。
妥当なところではDVDでFINAL PLUS…もとい増補完全版で出る、かな(笑)

ちなみに客の入りは少なかったですが、女性割引デーということで、女性2~3人連れ立って来てるのが多かったです。
帰りに「ものすごく良かった!!」と興奮してる女の子が一人だけいましたが、連れの子は今イチだったのでしょう。「ふ~ん…」とちょっと引き気味で「どのへんがよかった?」と尋ねていました。
答えまでは聞けませんでしたが、私も理由が知りたかったです

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映画『ディック&ジェーン 復讐は最高』観た

2006年01月04日 23時23分22秒 | 映画/DVD
本年の映画鑑賞1作目。
でもこれ書いてるのは、実は観てから1週間後…。
細かい感想は忘れちゃうくらい、印象に残りませんでした。
そろそろ上映終了みたいなんで、☆もつけませんです。

「復讐」の部分は安易で、昔のナントカ大作戦じゃあるまいし、いまどきソレはないでしょー?って感じでがっかり。
痛快でもなかったから、期待はずれでした。

でももったいないくらい良かったのがジム・キャリー。
いい役者さんです。
彼の熱演を活かせないなんて、ほんとにもったいないですね。
順調に出世して、アメリカンなステイタスを手に入れようとしてたのが一転、じわじわと破産へ追い詰められ、強盗までするようになり…というくだりの家族への愛、夫として、父としての家庭を守る責任を果たせないことへの哀しみ、やや異常な精神状態に追い詰められる様など、コメディとは思えないくらい、切なく胸に迫るものがありました。

でもやっぱりオチがありきたりで使い古しなのだ~☆
もったいないなー。
これが'50年代、'60年代に作られた作品だったら、素直に「すごく粋だなぁ」って思えたんだけど

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映画『Mr.&Mrs.スミス』観たはなし。

2005年12月08日 23時51分43秒 | 映画/DVD
というわけでこっちが本家本元、作品の感想です(笑)
おススメ度は最後のオチの一瞬までは★★★★☆だったんだけどな~…でした。
過程がよければオチがアレでも気にしないよって人には今でもやっぱりお薦めしたいところです。

もともとあんまりバイオレンス系のアクションは好きじゃないほうですが、最近にしてはコメディ調で安心して観られそうかな、と思って行きました。
近頃は人間を殺す様子とかをいちいちリアルに描いたり、フィクションとしてみるときに殺さなくていい人物を意味を持たせずに死なせたり、まあそれがテーマとして何らかのフォローがあればいいけどそうでもないものが多すぎて。
ちょっとズレますが、日本のアニメ作品が戦闘や戦争や人殺しを安易に描く(いかにも戦争体験がない人が頭でっかちに表現してたり、単純にドンパチだの戦場の友情だのを美しく描くのがね…JAPANESEとして海外に出て行くのがみっともなくて)のには眉をひそめてるので、いろいろひっくるめて不快なんですけど。

その点はこの作品はある程度気を遣ってたみたいです。
主人公たちが暗殺者ですんで、「よく考えるとざんぎゃく…?」みたいなシーンを「ご想像にお任せしま~す」って感じでスマートにごまかしてました。
序盤の導入もなかなかテンポがよかったのですが、インタビュー風にカウンセリングに答えるシーンの挿入、最後のブラピのカットがあったのが残念。
挿入が多くなって、ちょっと間延びしてしまった。
でも本編に入ると、アクションもかなりやってきた二人の、俳優としてのキャリアが存分に活かされてるな~と感心しちゃいました。
私はもともと二人のどっちも好きじゃなかったけど、アンジェリーナ・ジョリー、カッコよかったな!オトコマエ?
いえいえ、回想の、夫婦が出逢った当初のシーンでは実に初々しくて可愛い表情を出してましたョ♪

ストーリーはまああらすじどおりって感じで、期待&予想を裏切られたのは最後だけですが、それでも二人の魅力と会話のテンポの良さ、スパイ大作戦だかルパン三世だかみたいななつかしい「ありえないけど楽しいからいいか」な展開、夫婦ならでは?のセクシーな会話やシーン、手に汗握るアクションに引き込まれました。
ま、オチはアレでしたけど。

オープニングからの受けとして、オチがアレでもいいけどさ。
もうワンクッション置いてくださいよ、観客をバカにしてないならさ。
結局バーチャルリアリティなコミュニケーションゲームだったのか夢オチなのか…は、ご覧になった皆さんで悩みましょーね!
↑↑↑
コレはネタバレ的にOKゾーンだと思うのですがどうでしょ。アウト?
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映画『春の雪』でしたが。

2005年12月01日 22時59分32秒 | 映画/DVD
ミシマワールドはやはり小説で浸るものですねえ。
おススメ度は、絵的に日本の『美』を観たいだけなら★★★★☆くらい。
全体では★★☆☆☆。キビシイか?

美輪さんがOKを出したというから悪い出来ではないのかな、と思ったのが、迷いに迷ったけど観に行った動機です。
…そっかぁ、これでもいいんだぁ。
美しい絵(映像)という点には強いこだわりをもってていねいに切り取ったな、と感心しました。
しかし物語としては美しく描こうとして失敗。なんか『美』の基準がズレてるかな~と思いました。
私のイメージに合わなかったからかもしれない。

竹内さん割と好きなんだけど、かわいらしい娘姿するにはトウがたってるかな~。
それに妻夫木くんはやっぱり原作を読んだほうが良かったよ、なんかみんなが目指してる『三島・美』世界の中で、彼だけがちょっと浮いてた。
活舌も悪いけど、「~なのさ」「~だぜ」みたいな古臭い言い回しのセリフに「」(カギカッコ)が見えるのです。生きてない。
そこいくと昔の青春映画のスター、たとえば石原裕次郎とかはああいうわざとらしい言い回しでも(当時は若者が実際使ってたとしても)自然にしゃべってるもんね。
武を重んじる校風や世の風潮に斜に構えてるのは察せられるけど、妻夫木くんじゃちょっと健康的すぎてわかりにくかったかも。

それと心の機微。
登場人物とその心情を整理してしまっているので、生きている人間としての深みがなく、底の浅さが目立ってしまった。
本多は映画版だけでもあとあと密かに重要な役どころなのに、主人公・清顕の友人というだけのちょい役にしか見えない。
「親友だ」ってそんな親しかったっけ???って感じです。
清顕が思いを寄せてくる聡子をこれでもかと邪険に扱ったのに、いざ聡子が皇族と正式に婚約した途端、一転して激しく強引に求める心の流れってのが、表情やちょっとした動作など、見る者に伏線として見えてこない。
恋愛に関して彼がかなり餓鬼だというのはセリフとして聞いてるけど、納得するほど伝わらないので、単に支離滅裂な人にしか思えません。
本当はかなり「いわゆる大人」になるのを拒むような、内面ではもやもやした複雑な部分があるはずなのに、その表現をしそこなってるので、「ばっかじゃねえの」と突き放して見てしまいました。
聡子もダメだとか言いながらさっくり落ちてるし、「罪だわ…」なんて言いながら、背徳的であることの演出がいまいちなので、結婚はまだだけど「不倫ごっこ?プレイかな?」ってかんじでピンときませんでした。
蓼科も人物として一貫してなかったしなー。

褒めるとしたら出家した聡子が襖の向こうで嗚咽してたとこ。
襖だけの映像で、姿を映さないことで観る側に彼女を想像させるのはよかったです。
でも雪の降り方はいけません。
CG丸出しというか、息も白くないのに雪降っちゃったよ、ダメじゃんって感じで最後までスベりっぱなしでした。
感情移入も感動もし損ねましたとさ!残念!

清顕が悪夢を見るたびがばっと起きる姿が繰り返し出てきて、起きかたにも布団の中ではっと目覚めるとか、ちょっと身を起こすとか、ベッドから落ちるとかいろいろパターンがあるでしょうに、なんかコミカルだな~と思いました。
昔のIHIのCM(緒方直人の)を連想して「はっ!夢だった。夢の続きはIHI…」とモノローグ付けたかったです
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軽いノリで~

2005年11月17日 22時14分17秒 | 映画/DVD
映画『イン・ハー・シューズ』観てきました。
昨日はサッカー(日本vsアンゴラ戦)のため映画は行かなかったので、その代わりに本日。
しかし観てみたいな~という作品は仕事の終業時間との兼ね合いですべて断念、でも映画観に行くっ!と決めたしなーてなわけで悩んでたところ、同僚が「『イン・ハーシューズ』はぁ?」と言ったので、「あーもーいーやそれで」でそれにしました。軽。

思ってたとおり、私にとっては劇場で観るより、DVDなどTVサイズで観ないと集中できないタイプのお話でした。
もともと気が散りやすいのと、映画館で観るときには作品の中(ハズレな作品では頭ん中でのツッコミ)だけにトリップしてたいほうなので、こういう普通っぽいストーリーのはあんまり見ないのヨ。
といっても評価は★3.5はつけますね!
姉妹の関係をかなりい~カンジに見せてくれて、後半はけっこう笑みがこぼれ、最後にはちょっと幸せな気分になりました。

この作品では、姉妹という二人の女性を家族として、親友として、個々の人間として、と多面的に描いています。
例えば妹の「知性(または社会適応性)」への、姉の「容姿」へのコンプレックスを姉妹間だけの単純な対比とはしてないのです。
「お姉ちゃんは頭がいいけどアタシはどうせバカよ」「私はブスでデブなのに妹はスタイルがよくて美人でセクシーで…」というのではなく、世間一般に対する自分の劣等感の代表として姉妹が存在していて、単なる姉妹ものというよりは「本当の自分らしさ探し」のような、女性一般に共感しやすい表現になっていました。
ストーリーは「いかにもアメリカンなドラマっぽい」ながら、あまり無理やりな展開はせず、気持ちよく観られたかな。
姉妹だけではなく、バラバラな家族の真情についても、設定がやや作りすぎだけど、情の部分は適度なさりげなさで演じられている。
ただ難を言えば、なかなか良いものを見せてくれる作品なのに、深く心が揺さぶられるほどの「何か」が足りない感じでした。
これだけの女優さん二人を配して、もっと共感して感情移入したり、なるほど~と深く感じ入ったりすることがなかったのが残念!
後半ご活躍のご老人がたが皆さん生き生きしてて、チャーミングでよかったです。
高齢者福祉施設を舞台のメインにすればおもしろかったかも
紆余曲折を経たラストの方のくだりは、特に妹が結婚する姉にサプライズなプレゼントをするあたりにちょっとほろっときちゃいました。

私は女兄弟はおりませんが、幼時は姉妹のように育った従妹がいます。
だから気持ちの上で実感としてわかる部分も少しはあるのですが、本当の姉妹がいる人が観たらなおのこと、また別の楽しみ方ができるかもしれませんね
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映画『ヴェニスの商人』感想。

2005年11月11日 00時42分58秒 | 映画/DVD
原作をあらすじしか知らない私の採点は★4.5って感じかな。描かれ方に偏りもあるし。
でも私はスキ♪ってことです。

大まかなストーリーはご存知の方が多いでしょう。
1,2年前にユダヤ人はなぜ迫害されてきたのかを知りたくて調べたことがあって、そのせいもあって私は最初からシャイロック(金貸し)に肩入れしまくってました。
シェークスピアっぽい滑稽な展開や設定がお芝居らしく作り事めいてる一方、悪役?となるユダヤ人の金貸しを歴史的な背景もからめてすごく、リアルに描いていて、ものすごい演出だな~と思いました。
ユダヤ人迫害というと、学校の世界史じゃ第二次大戦頃のナチによるもののイメージしかない感じですが、歴史的にキリスト教世界は(地域差はあるでしょうが)本当に気が遠くなるほど長きに渡って差別してきたんですよね。
ユダヤ人とわかるような名前、目印となる赤の帽子を被らされ、住む所を制限され、土地などの所有を許されず、金貸しや徴税吏のような汚れ仕事を押しつけられ、借金を取り立てれば嫌われ、名ではなくジュー(=ユダヤ人)と呼ばれ、犬のように蔑まれ、ツバを吐きかけられる。
そんな差別を受け続けて老人となった「典型的ユダヤ人」シャイロックが、キリスト教徒に惚れて改宗を望んだ愛する一人娘に金や財宝とともに駆け落ちされ、その片棒を担いだ一味とみなして(典型的キリスト教徒としても恨み)借金のカタにかたくなにアントーニオの肉を求める。
お芝居では見どころとなる、シャイロックから言質を取って「血を流さずに肉を切り取れないなら法律違反はお前のほうだ。自分の命と引き換えに全財産を没収される」
借金は返してもらえない、意趣返しの肉も切り取れない、当然娘も帰ってこないし、娘が持ち去った亡き妻の形見も戻らない。
キリスト教徒は「我々は慈悲深いから、財産の半分は返してもよいが、半分はお前の死後駆け落ちした娘に相続させるものとして預かる。ただしお前はキリスト教に改宗すること」などと偽善者ぶって物を言い、何もかもを失った哀れな老人から、追い討ちをかけて最後に残った信仰(改宗は地獄へ落ちることと同じ)までをも奪う。
もう、オチを知ってるだけに本当に悔しくて、物語の中で描かれる自分勝手で浮かれたキリスト教徒連中が憎かった!
アル・パチーノがまた『魂の死』ともいうべき絶望の様子を壮絶なまでに表現していて、涙が滲んじゃいました。

そのあとにいろいろ滑稽な展開にやっぱり笑えたりもするんだけど、いや、でもわらってられなかったな~。
最後にフォローっぽく娘が父を想う???らしきシーンが挿入されるけど、てゆーか娘は父が苦労してためた金を持ち逃げした(事実)挙句、賭け事やサルを買うのに散財(伝聞)して、親父の悪口言って、ダーリンとはまんまとよろしくやってるんですよ。
それは人づてに噂として聞かされたことで、娘の手にある指輪(母の形見?)の存在によって『本当は違うのかもよ』と暗示してるのかとも思いますが…。
…今さらそんなシーン突っ込まれてもたいしたなぐさめにならないっていうか…
それよりもラストの、シャイロックがキリスト教に改宗させられた儀式後(おそらく)、ひとり立ち尽くす姿のほうが胸に痛かったです。

これを観ると宗教戦争は起こるね!
日本にだって宗教戦争や迫害、階層差別はあったので、他人事ではないですが。
とにかく昨日今日の軋轢ではないので宗教の壁が厚いのも仕方ないし、人間同士分かり合えるさなんてろくに問題の根幹も知らずに言ってるのって、薄っぺらいねって思ってしまう。
と、絶望した人は『夏休みのレモネード』を見てさらにこの問題について深く考えてみようネ(笑)
複雑なのかシンプルなのか悩むでしょうたぶん。

あ、私はアンチ・キリスト教ではありませんよ!
たまたまこの作品世界で描かれている部分について、気持ちが入り込んでしまったということです。
博愛や積極的な慈善活動など、尊敬すべき点も多々あるし、宗派や人によって違うもので、本来はひとくくりに「キリスト教徒」と呼べるものでないことは基礎知識として存じておりますので。
ユダヤ教に関しても、良くも悪くも、知識がないので闇雲なことは言えません。
ここを誤解されてはタイヘン!フォローフォロー…
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映画『コープスブライド』観てきました。

2005年10月27日 00時26分11秒 | 映画/DVD
:下のほうにネタバレがあります。バレるほどのオチではないけども)

字幕版です。
他に観るもんないし~趣味ではないけどって行ったわりにはよかったです。
ミュージカル部分の一部でテンポが悪くなったり、ストーリーはオチまでありきたりだったけど、総合的にみて
★★★★☆
安心して楽しめました。

映像の表現手法もよかった。
私はこういう種類のアニメは苦手だと思ってたけど、これはなんでかけっこう平気でしたよ。
金かけられるってスバラシイね!
嫌味でなく、全てにおいて最高のスタッフを集め、さらに多くの人手を用意できるってやっぱうらやましいです。
クレーアニメとか実物系人形アニメのとかって、1~少人数が何年もかけてちまちま作って、やっと短編ができるってイメージあるけど、この作品は大勢で効率よく作ったなと感じます。貧ボくさくもオタくさくもないのだ。

それと、キャラクターのここもここも動かすのかってところでも感心しました。
目や手や表情などが動くのは当然ですが、衣服の端までとか、背景の端々まで表情以外でも心情の動きを感じられたりとか、いろいろ。
死んでる花嫁さんも本物の女優さんが演じてるみたいに「いきいき」してて、中盤くらいから同情したというか、助けてやれないかなって思えた。
アニメ作品なので吹き替えでもよかったかな、と観る前には思ったのですが、やっぱオリジナル音声で観てよかった!
ジョニー・デップはやっぱすごいね。
普段「すごいけどキモい…」苦手な役者さんなんですが、今回は声だけだったので
まじめだけど気弱で流されがちなビクター青年をなりきって演じてて、キャラが生きてました。
他の俳優さんたちもおおむね同様。

ストーリーは前述のとおりありきたり。
ハッピーエンドですが。
悪くないけどほとんど個性らしいものが印象に残らないヒロイン・ビクトリアより、死んだ花嫁さんのほうがていねいに、魅力的な描かれ方をしているので、いっそビクターがそっちを選んでくれまいかと思いました。
ビクトリアだって意地らしくてかわいいんだけどね~。
もちろん伏線からいって無理だとはわかってたんだけど、やっぱこれだけ彼女を描きこまれると、観る側を裏切ってほしい気がしてしまう…。
まあストーリーがわかりやすいのも、宗教や習俗からいってゾンビ(笑)婚を肯定できないのもお国柄だとわかるけどね(日本は昔話や民話だと幽霊にもわりと好意的な気がする)。
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映画『ヘイフラワーとキルトシュー』

2005年10月19日 23時50分18秒 | 映画/DVD
ちょ、ちょおかわええ~~~~
もはやでろでろにとけてますぅ~~~~
おススメ度は、そもそも好みによりけりでピンきりな作品なので…。
女性で、子供好き、可愛いもの好き、童話(児童書)好き、ミニシアター系の作品にも抵抗がないという方には、★★★★★付けちゃいます。
お家の中の、各部屋のインテリアや風景など、映像の中で「背景」となる部分も可愛いし、色使いがいいので、デザイン系の人にはまた別の面で興味深いのではないかなー。

映画のタイトルは姉妹の名前なのですが、字幕で観たので「ヘイナハットゥ」と「ヴィルティトッスー」(注:正確なカナ表記は不明。音はそのように聞こえた)と書かせていただきます。
耳ではこう聞こえるのに字幕で「ヘイフラワー」って書かれても~
かわい子ちゃんな子役大好き♪の私はこの公開を待ち望んでおりました。
原作はフィンランドの童話で、同国で制作、2002年に公開されたそうです。

【ジャガイモの改良に夢中な科学者の父、大卒で外で働きたがり家事がダメな母、幼くてきかん気な妹といった家族を支えるのが、思いやりがあって面倒見のよいヘイナハットゥ。
彼女は家事の手伝いも妹の相手もいやがらずにやっているが、近々小学校に上がることになった。
妹は「独りぼっちになる」とぐずるし、両親は妹の面倒をみてくれそうにない。
ヘイナハットゥは神様に父の研究が早く終わるように、母が家庭的になってくれるように必死で祈る。
それを漏れ聞いた母は一念発起して頑張ろうとするが、ぶきっちょでうまくいかない。
それどころか、娘たちが何かにつけて隣家の、家事全般が上手くて子供と遊ぶのも上手なオールドミス(たぶん)姉妹を引き合いに出すので、自信をなくしてしまう。
不協和音の家族は、知人のアドバイスで、隣人らとオリンピックごっこをしてみるが、かけっこでヴィルティトッスーがずるをしたうえ、ヘイナハットゥに足をかけて転ばせ、優勝してしまう。
さすがに怒ったヘイナハットゥに、大人たちは妹はまだ小さいんだから許してやれとたしなめる。
怒っている理由がよくわからないヴィルティトッスーが、姉が大事にしている聖火のトーチで遊び始め、ヘイナハットゥがそれを取り返した拍子に転んでしまった。
大人たちが心配して甘やかしてくれるのをいいことに、妹はわがまま放題。
ついにキレたヘイナハットゥは、誰とも口をきかなくなり、年相応の少女らしく、妹顔負けにやりたい放題と八つ当たりをし始める。
母親はどうしたらよいか半狂乱で、他人事のような態度の夫とも衝突したりするが、隣人たちによる「パン生地セラピー(要するに色付けした小麦粘土状のパン生地にまみれて童心に帰って遊ぶ?)」をするうちに、みんなが笑いを取り戻し、家族の絆を取り戻す。
母親も隣人姉妹から、「私たちは子供たちの母親になることはできないけど、面倒を見ることはできる。向いていないことを自分ひとりで全てやろうと思わずに、外で働くべきよ」とアドバイスされる。
そしてついにヘイナハットゥは小学校へ、ひとつの巣立ち(ただ小学校に向かうだけなのですが、あえて大げさに描いてちょっと笑いを誘う)を迎えた…。】

観客はほとんど女性でした。仕事帰りの人も多く、たぶん職業はいろいろかな?
きかん気の元気なヴィルティトッスーには、同じ年頃の甥っ子が重なりました。
可愛いけど、勝つためには手段を選ばないんだ、あの年頃の子は。
私もサッカーごっこに付き合ったとき、自分が不利になるとどんどんルール変えられちゃったことがあります(笑)今のはズルだから(もちろんフェアなのだが)得点じゃないからねっ、てそういうキミがズルですがな、みたいな。
姉妹は二人とも可愛いけど、お姉ちゃんが美少女です~。
東欧・北欧系の少女は顔立ちが大人びてて体つきはコドモなので、アンバランスな不思議な色香を感じちゃうなあ。寝るときの下着?シミーズ?みたいなの姿とかな。
なんだかくらくらしてロリコンに走りそうです私…ていうかもう…???

中編ていうくらい短い作品で、自分ちと隣近所が舞台なせま~い話ですが、とにかくかわいいです。
大人にとっての「問題」も描かれてます。特に子供や家庭を愛していても、どうしても家事になじめず専業主婦にはなれないお母さんとか。
新聞の映画評で「育児放棄の両親」とあえて表現したのがあって、でも自分本位で子供が邪魔っていうよりは、愛情はあるし、できれば家事育児もやりたい気はあるけど、とにかく適性がないんだなと肯定的に見えました。

映画館まで観るにはちょっとなあ…という方も、あとあとDVDレンタルとかで観て欲しいです。
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『シン・シティ』観てきました。

2005年10月05日 23時46分39秒 | 映画/DVD
あの感覚にはついていけませんでした(CMのアオリ文句に対する返答)。

しかし別の映画で主役または印象に残る脇役だった人が山ほど出てるので、駄作覚悟で観ました。
果たして駄作だったのか、あまりにも前衛的(ってほどでもないがー)な作品に対してアタシがオールドタイプ過ぎてついてけなかったのか…もーどっちでもいーや~。

感想書こうにも展開が細かい作品なので、ネタバレすぎて、内容についてはなんも書けん。
ていうか観た後にデリートしたうえ、思考もフリーズしました。

ラジオの朗読劇に動く挿絵をつけたみたいでした。
展開に説明がないのは全然かまわないから、えんえんモノローグなナレーションはやめてくれ。
設備のよい劇場内のスピーカーで聞くダミ声のモノローグは、けっこうツラいものなのですね。
初めて知りました。勉強になりました。
最近映画館やDVDで観て気になってた俳優さんたちをいろいろ観られたことは良かったです。
有名俳優多数出演ですが、イロモノでB級です。
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