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かずさんの、ふらり日々是好日の記

ふっても てっても  日々是好日  泣いてもわらっても 私の一生の中の きょうが一番いい日だから

641 通関分野の公正取引委員会がらみの話題

2009-04-21 | 色んな話題
 例年、GWが近づく頃になると陽射しが強くなり初夏の気候となりますが、昨日、今日と通勤では汗ばむような気温となっています。

 このところ、公正取引委員会がらみの話題が航空物流関係で続いています。
 4月17日には、同委員会が成田、関西、中部国際空港、羽田空港での国際貨物について、国際航空貨物輸送における公正かつ自由な競争の促進を眼目に、次のような骨子の「提言」を発表しました。
 
提言は拘束力がないものですが、関係者や当局の今後の施策に微妙に一定の影響が及ぶかもしれません。

① 航空上屋の利用及び利用条件のイコールフィッテイングの確保
② 空港管理会社による保税蔵置場施設の航空会社等関係者への割当におけるイコールフィッテイングの確保

③ 空港管理会社が上屋事業を行なう場合や上屋事業者が空港管理者の株式を保有する場合のイコールフィッテイング確保
④ 既に通関業の免許を受けている業者が、他の税関管轄で通関業を営もうとする時の許可制の実益が乏しい。

⑤ 通関業務料金の上限規制の維持についての実益が乏しいこと。

詳しくは、公取委員会の次のページでご覧下さい。
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/09.april/090417betten1.pdf

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 このブログでも既に取上げましたが、航空フォワーダー業界が、先般、公正取引委員会から課徴金の納付を指示されました。
昨日までの報道では郵船航空と西鉄が、課徴金を不服として審判手続きの開始請求を行ったとのこと。フォワーダーの中では企業毎の戦略があるんでしょうが、まだら模様の対応となっています。

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 画は、正義の女神といわれるギリシャ神話のテミス女神です。剣と天秤を持っています。







635 成田と羽田の一体的運用を促す税関手続きの改善とは?

2009-04-13 | 色んな話題
各国の政府要人の発言を見ると景気に少しの光明が見えるようですが、大手航空フォワーダーの3月の輸出混載貨物量が前年比でほぼ半分になるなど、厳しい状況が続いています。
 
NO 602(航空ビッグバンと通関手続き)でも取上げましたが、成田空港の北伸事業が2010年3月共用予定、羽田の第4滑走路が同年10月共用などで、首都圏の国際定期便や深夜早朝便の増・就航が生じると言われています。

 この環境変化を背景に、財務省関税局が「国際物流と税関行政に関する懇談会」を開催し、国土交通省では「航空国際貨物輸送の競争力」強化をテーマに勉強会をしています(国土交通省の勉強会は私のブログNO617参照)。

 成田と羽田と言う100km近く離れた空港が、路線や時間帯に応じてそれぞれの役割を果たすと言うことは、貨物関係の業界にとって、両空港にらみの施設の立地やオペレーションを余儀なくされ、難しい舵取りを迫られる問題ですが、そのオペレーションについての税関への要請の中で、NO602 では、通関手続きについて「成田発貨物の羽田での申告、又はこの逆を認める。」のようなことが言われていることを紹介しました。

今般、財務省の懇談会での、定期航空協会による、この成田・羽田問題への意見陳述が明らかになりましたが、税関手続き関係では、次のような点に言及されています。

 1 成田⇔羽田空港間の円滑な保税運送

  羽田から成田に保税運送したり、三国間輸送の貨物が仮陸揚貨物として、羽田⇔成田で運送されたりが頻繁に起こりそうです。
 ご存知のように、外国貨物の国内運送は、保税運送手続きが必要です。成田⇔羽田の運送には、NACCSで所定の事項を入力する必要がありますが、この際、ULD単位での運送や、MAWB(マスター・エアウエイビル)単位での運送申告ができれば、手続きが非常に楽に出来ます。

 ただ、税関から見れば、ULD単位やMAWB単位だと、その中身が誰のどのような貨物か明細が判明しないので、このような大くくりの保税運送手続きはMAWBが、HAWB(ハウス・エアーウエイビル)情報とリンクしている場合に認めているようです。ULD単位の運送も、その中身の貨物データとのリンクが必要のようです。

 税関の、「中身が明らかにならない大くくりの運送は取締り上からも困る」というのも分かりますが、コンピューターシステムの連携か何かで、税関と関係業界が WIN-WINの関係になれる解決策が欲しいものです。

 2 航空会社による輸出許可後変更手続きの簡素化

 現在何らかの航空会社の理由で、輸出の積出し空港変更になると、輸出申告ごとに変更手続きをしているようです。これを一括して手続きしたいとのことですが、場合によってはとても沢山の輸出申告貨物の空港変更でしょうから、変更すべき申告番号の指定とかやはり少しは手間をかけざるを得ないでしょうし、システム的にはちょっと負荷が大きくなって大変じゃないかなと想像できますが・・・。

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 貨物取扱い量で、成田空港が、香港・チェックラップコック、ソウル仁川(インチョン)に次ぐ世界第三位の空港となり、航空会社別貨物輸送量(トンキロ)では、大韓航空、ルフトハンザ、シンガポール航空が、日本のJAL・ANA・NCAの三社合計よりも上回っています。

 日本の空港の成長力回復には、取り込み不足のトランジット貨物の取扱いを増やす必要がありそうです。
  トランジット貨物量:仁川空港 全取扱量の50%強、香港・シンガポール 40%強、成田・関空 20%

 2007年の国土交通省の調査では、調査期間中に中国から第三国に輸出される航空貨物のうち、左の写真の仁川空港を経由した量は、成田・関空・中部の日本の3空港合計量の約2.5倍ということで、中国からのトランジット貨物への仁川の強さが目立ちます。
 ただ~、中国のキャリアが実力を養ってくると仁川経由じゃなくダイレクトに北米に行くんでしょうか?

せめて、日本発の輸出貨物が、地方空港から仁川経由で欧米に運ばれると言うのは止めたいものです。






633  日本の外航商船隊の実像とは?

2009-04-09 | 色んな話題
 前回の632で、船舶の用船契約における運賃を取上げたことから、日本郵船や、三井商船、川崎汽船などの日本の船会社が運航する、外航商船隊の現状はどうなっているのかその実像を、追ってみました。

 そういうと、かずさんは、30年ぐらい前に四国の港で働いていた頃、入港した日本郵船の貨物船で船員として乗っていた中学校の同窓生に、偶然出合ったことが有ります。確か、鳥羽の商船学校に入学したという消息を聞いていましたが、今では、日本の船会社の船に日本人の船員が乗っていると言うのは例外みたいに少数らしいです。

以下、主に日本船主協会さんの資料によります。
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次の質問のうち、正しい数字に最も近い値は①~③(又は⑤)のどれでしょう?
質問は、全て2000総トン以上の、外航、内外航共用船が対象です。

Q1 日本の外航商船隊の総隻数は?
  ① 1000隻    ② 2000隻  ③ 4000隻

Q2 日本の外航商船隊のうち日本隻のものの割合は?
  ① 10%  ② 30%  ③ 60%

Q3 日本の外航商船隊が船籍を置いている国で、一番隻数が多いのは?
  ① リべりア  ② 香港  ③ パナマ

Q4 日本の外航商船隊の、平均船齢は何年でしょう?
①  5年 ② 10年 ③ 15年

Q5 2007年の日本の外航商船隊2305隻について、船種別に隻数が多い順に並んでいる組み合わせはどれか?
① フルコンテナ船・・・鉱石運搬・バルクキャリア・・・タンカー
② タンカー・・・フルコンテナ船・・・自動車専用船
③ 鉱石・バルクキャリア・・・タンカー・・・自動車専用船
④ 自動車専用船・・・フルコンテナ船・・・タンカー

Q6 2006年の世界の海上荷動き量は69億8千万トン。このうち日本の輸出入貨物量シェア%は?
   参考に、金額ベースでは、日本の世界貿易額に占めるシェアは、輸出入ともに4~5%ぐらい。
  ① 5%  ② 10% ③ 15%

Q7 2006年の世界の海上荷動き量は69億8千万トン。このうち、日本の外航商船隊が運んだ荷動き量のシェアは?
① 5% ② 10% ③ 15%

Q8 2006年の日本の外航商船隊の、総運賃収入は?
  ① 1兆円  ② 2兆円  ③ 4兆円

Q9 2006年日本の輸出量(トン)のうち、日本商船隊が運んだ量のシェアは?
① 30% ② 50% ③70%

Q10 日本籍船舶には2名以上の日本人船員が配乗する必要がありますが、いまや、日本籍船といっても船員の殆どは外国人です。
 世界の商船に乗り込む船員数は120万人と言われていますが、日本人は5000人ほどです。では、国別に見てもっとも船員が多い国はどこでしょう?
① フィリピン  ② 中国  ③ インドネシア

(正解)
1  ②  2007年(年央) 2,305隻
2  ①  2007年の総隻数2305隻のうち、日本隻船は91隻の3.9%

3  ③  2007年の外国籍2214隻のうち、第1位はパナマ1597隻、りべりア124隻、香港98隻の順番。
4  ②  2007年の総隻数2305隻の平均船齢は8.6年。
       参考に、船齢が一定以上高い船で運送する場合の海上保険は、割増し保険料が必要ですが、そ      の船齢は、バルク船は10年、定期コンテナ船や自動車運搬船は30年となっています。

5  ③  隻数が多い順の船種別では、鉱石・バルクキャリア822隻、タンカー508隻 、自動車専用船317隻、フルコンテナ船262隻、一般貨物船237隻

6  ③  2006年 日本の海上荷動き量は9億6千万トンで、シェア13.7%。輸出入別の量では、輸出1億4千万トン、輸入8億2千万トン

7  ②  日本の外航商船隊が運んだ量は2006年7億9千万トン、11.3%。
8  ②  2兆6千億円。うち日本の輸出入の収入1兆4千億円。三国間輸送の収入1兆2千億円。

9  ①  輸出の日本商船隊の積取比率36.4%。(輸入は60.7%)
10 ①  おおよそフィリピンが22万人、中国、インドネシアがそれぞれ8万人ぐらいです。

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 Sea-NACCSは昨年10月に更改されて、NVOCC、海貨、輸出入者の三つの利用者業種が追加されました。また、更改にあわせて、既存業務の改善、業務の新設、運用方法の改善などが行われました。

この結果、更改前の2008年9月末と、2008年12月末の利用者数を比較すると、企業数で、1489社が2257社(152%)、事業所数で3879所が5386所(138%)と著増しています。
 
 とりわけ、船会社が39社から115社 と約3倍に増え船舶代理店も284社から678社と2.4倍です。

 どこかの教室のポスターで、「世界の船旅を考えている方へ ダンスを覚えていきませんか?」とのコピーがありました。いいな~~(^。^)







629 北朝鮮との輸出入

2009-04-03 | 色んな話題
 まじかに、ミサイル(?)の発射が迫った状況になり、日本政府の発射した場合の追加経済措置の報道がされています。

 報道によれば、北朝鮮向け輸出を禁止にするとのことがありますが、これはどういうインパクトが有るものでしょうか?

輸入は、2006年10月の閣議決定により北朝鮮を原産地又は船積地域とする全ての貨物について、外国為替管理法の承認制に置き、事実上の輸入禁止にしました。

財務省のページでは、貿易統計のかなり詳細の数字がネットで検索してダウンロードできます。

ちなみに、輸出入の国別推移を見ると、北朝鮮からの輸入額は、2005年の136億8千万円から、禁止措置が実施された2006年には90億3千万円に減少し、2007年からは実績なしになっています。統計のうえでは、ぴたっと輸入が無くなったようです。当然ですが・・・。

そこで今回、追加制裁として検討されているとの報道がある輸出禁止措置ですが、2008年の日本からの輸出は7億9千万円でした。2005年には66億5千万円でしたからこれも随分減少したことになります。

そこで、2008年はどのようなものが輸出されたのかな?と、国別概況品別表で検索すると、食料、紙、電気機械、運動用具(ゴルフ用品ではないようです。)などがでてきます。

品名が特定されるものでは、バターが年間で5千万円弱輸出されているようで、あちらの食糧事情が反映しているんでしょうか?

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東京は満開宣言。
京都の桜も見頃近づくでしょうか?写真は、日本三大桜の、根尾谷の薄墨桜です。





625 ロジステイクスいろは歌留多(その2)

2009-03-30 | 色んな話題
ロジステイクスについて、いろんな立場や経験の人が、いろんな媒体の上で、いろんなことを仰っていますが、こんな意見もあるのかと少しは記憶に残ったものを、いくつかの切り口で順不同で並べています。今夜は2回目の最終回です。同感というのはあるでしょうか?

メーカーや商社・流通等の視点からのものが多いようです。
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8 物流費・・・物流費を正確に算定することはなかなか難しい。原因の一つは物流費という勘定科目が存在しないことにある。つまり、企業会計原則には入っていないため、管理会計として捉えることになるのである。

 即ち、企業によって或いは担当する人によっても物流費の捉え方が大きく異なってくる。
 標準的な考え方として、経済産業省が発行している「物流費算定マニュアル」が参考にはなるが、そのまま自社に取り入れることになっていない。
 
9 物流費の見える化・・・物流は見えないところで意外な費用がかかっていることも多い。物流費を「可視化」することで、物流改革に寄与するのである。結果的に予想以上の物流費の存在に驚くことのないことを期待したいが・・・・。

10 時間単位・・・注文してから商品が3日以内に届けば返品率は低いが、それ以上時間がかかると返品率はハネ上がるのである。極端に集中する注文をいかに効率良く捌けるかが売上利益に直結する。
 オンライン・ネットワーク・システムによって情報のコントロールは大変進歩し、秒単位で物理的に時間・距離を超越できる状況が現出したが、物流システムは依然として時間単位、日単位での対応が一般的である。   それでも2~30年前と比べて、1日で日本全国主要都市に配送が可能になったことは、まさに物流改革に他ならない。

11 暗黒大陸・・・今は昔、「物流は暗黒大陸」であるといわれたが、現在では物流システムの巧拙が企業業績を大きく左右する時代であると認識されるように大きく変化した。
 実際に好業績をあげている優良企業の内容を調査すると、コスト削減の中味はその殆どが物流コスト削減、在庫削減が占めていることが明確である。

12 インタ-ネット社会の進展・・・一瞬のうちに情報が世界を駆け巡り、詳細な出来事も瞬く間に人々に伝わるという事実は企業のあり方を根本から考え直す必要性を感じさせる。受注を受けてから生産し極力在庫を持たないというビジネスモデルを構築することで変化に柔軟に対応が可能となる。

13 全体最適システム・・・グローバル企業の世界展開に当たっては、工場の立地の検討段階から、物流の要素も含めての視点がなければ、全体最適のシステムはつくれない。

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前の土曜日はネットで見頃との記事を見つけて、地蔵禅院のしだれ桜を見に行きました。京都駅から南に下る奈良線大和路快速で30分弱、奈良駅からだと15分弱の玉水駅で下車して、玉川沿いの桜並木の土手を20分ぐらい歩きます。

 お目当ての枝垂れ桜は、樹齢280年余の古木で、京都円山公園の先代の枝垂れ桜と親株が同じで、つまり先代とは姉妹樹で、今の円山公園のもののおばさんに当たるそうです。

 土手の桜は咲き始めですが、お目当てはほぼ満開で、眼下に菜の花や集落を眺めながら風格ある趣です。

 おとづれるひともそう多くなく、半日、穏やかな観桜の散歩でした。