Kazucci ブログ

Composer, Bassist 土村和史の活動内容など

ベースの調弦法

2013-06-17 00:39:56 | Weblog
しばらく投稿していなかったら、雑草が茂って(広告がトップにきて)しまった。

7月初めの自分のバンドのライブのことか7月下旬のトーマストリオのツアーのことでも書こうかなと思ったけど、それは来週あたりに廻すとして今日は今年から本格稼動し始めた5度チューニングについてちょっと書いてみます。

えーと、アコースティック・ベース(ダブルベース、コントラバス、ウッドベース)の通常の調弦は低いほうからE-A-D-Gとなってます。あ、4弦のエレクトリックベースもそうです。ギターの低音弦4つと同じね。
これだと各弦の間の音程間隔(インターバル)が4度です。
これに対してヴァイオリンG-D-A-E、ヴィオラC-G-D-A、チェロC-G-D-Aという調弦は5度のインターバルになっています。
ベースはチェロの1オクターブ下、C-G-D-Aという調弦法で演奏する人がたまにいます。またそのチューニング用の弦4本セットもあります。

確かにこのチューニングだと低い音はより低く高い音はより高くというように音域が広がりますな。これが5度調弦の利点(4度調弦と比べて)のひとつ。

もうひとつは響きにふくらみが出るといわれています。さらに他の弦楽器(ヴァイオリンやチェロなどの5度調弦の弦楽器)とサウンドが溶け合いやすいとも言われます。
これは倍音列に関係していて、5度のほうが4度にくらべてはるかに共鳴しやすいのです。これを詳しく説明すると長くなるし、知っている人には常識なので、よくわからない人は「倍音列」で検索してみてください。ある音を鳴らした場合、実際さまざまな倍音が混じりこんでいます。これは開放弦を鳴らすとよくわかります。それらの音がより共鳴するので響きが豊かになるということですね。

この調弦で有名なのはRed Mitchellがいます。彼の弦を作っていたThomastik社では5度のセットをRed Mitchell Setと名づけて売り出しています。
クラシックではカナダのJoel Quarringtonなんて人がいます。あとDennis Masuzzoという人は5度調弦の教則本も出しています。音階とスケールの運指を何パターンかに分類して効率よく練習できるように工夫されています。

で、自分にとっては5度チューニングは実際どうだったかということを書いてみます。

ところで自分の調弦は下からD-A-E-Bというふうにしています。ダブルベースの5度チューニングの全音上。
え~、5度チューニングという少数派のなかでは「通常」となってる調弦の全音上。ややこしいねぇ!

動機はより広い音域が欲しいということ。さらに高めの音があるといいなと思ってこのチューニングを考えました。
音域を広げたいベーシストには5弦ベースという選択もあります。(またややこしや、、、 これは弦が5本あって4度の間隔でチューニングされます)
だけど5弦を手に入れる資金はないし、今の楽器が気に入ってるので、どうしようと思案した結果閃いたのが5度チューニング。

だけど運指がいままでの4度時代と大きく変わるのですぐに弾きこなせるわけがない。ということで昨年春からひそかにサブのベースをこのチューニングにして練習してました。
真ん中あたりのポジションでは薬指も使う運指を考えて練習したり、久しぶりに頭をつかったけど楽しいです。もっともまだマスターしたわけではないですが。

で、さきほど書いた5度の利点について。
音域が広がるのは、もちろんそうしたくて5度にしたわけだから満足してます。
響きがふくよかになるのも実感しましたねぇ。
あと、和音もやりやすいです。和声進行を基に音楽を作っていく西洋音楽では5度調弦のほうがいいんじゃないの、と思いますね。
難点は左手がえらい動き回らなければいけなくなったこと。異弦するまでに一本の弦でカバーしなければならない音域もひろがったのです。(ギターやベースギターでいう1フレットから6フレットまでは一本の同じ弦で弾ききらなくてはいけない)でもボクは左利きだからなんとかクリアできるでしょう、と思ってますが。

ベースの調弦法あれこれ、5度調弦時の弦の選択、なんてことを次回は書いてみようかなと思ってます。

興味ある方はお付き合いくださいませ。
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