風と光と大地の詩

気まぐれ日記と日々のつぶやき

詩(君に伝えたかった言葉は・・・)

2019年07月19日 | 
   君に伝えたかった言葉は・・・

   君に伝えたかった言葉は
  夕暮れの雑踏のなかで
  アスファルトの上に落ちた
  夜に沈みこむビルの谷間を
  方角を失った声がさまよい歩いた

  君に届けたかった思いは
  深夜のアパートの片隅で
  萎れた花のように色あせた
  腐食していく時間の中で
  読めない文字が人知れず朽ち果てた

  目に見えない壁を超えて どこに
  君と出会ったかもしれない海があるか
  出口のない袋小路を抜けて どこに
  君が待っていたかもしれない街があるか

  光と闇の半球が目まぐるしく反転し
  生と死の鎮魂曲が鳴り響いて
  君に伝えたかった言葉が 星のように
  遠い空にまたたいている