霧島:えー、私たちは講義も終わったと言うのに大学に残っているわけです。
俺ちゃんと映ってる?
シロー:ああ、必要以上の笑顔でな…。
霧島:時刻は程よく午後八時、他の生徒は下校済みです。
まずは、テニス部の霊から検証してみましょう。
シロー:テニス部の霊ってアレか。
ドリミン:ああ、アレか。
若:アレだな。
クード:アレって、何だよ…。
霧島:男子テニス部のエースで「コートの貴公子」って呼ばれた奴が居たんだけどな、後輩への恋に悩んで試合に負けて失踪したらしいのだよ。
んで、夜に部室に居ると耳元で甘ーい愛の台詞を囁かれるそうなんだ。
若:甘い台詞ね、軟弱な霊だな。
シロー:軟弱っていうか、むしろ寒いよな。
クード:ある意味すごく寒いな。
ドリミン:他で俺が知ってるのは、男子器械体操同好会の霊の話だな。
霧島:器械体操か…。
妙なドキドキ加減だね。
ドリミン:黙って聞け。
体が堅くて柔軟運動の特訓していた部員がいたのだが、無理をしすぎて腱を傷めてしまった部員が居たらしいのだ。
それ以来、夜に部室前を通り過ぎると一緒に柔軟運動をさせられて、間接を外されてしまうらしい…。
霧島:痛い霊だなぁ。
シロー:バスケ部にもあったよな。
ドリミン:ああ。
霧島:おかげで、遊びに行ってもうっかり牛乳も飲めない。
若:牛乳?
シロー:小柄な選手が毎日牛乳を飲んで、人一倍練習も頑張ってレギュラーの座を手に入れたのだが、試合当日に飲んだ牛乳が悪かったのか試合の間中トイレから出られなかったそうだ。
クード:気の毒すぎる話だ…。
シロー:それ以来、部室で牛乳を飲むと腹を下すという噂があるのだよ。
若:あー、部室長屋のトイレで「うんうん」唸ってる霊が出るって聞いたことあるな。
霧島:それ、繋がってる話だったりして。痛い霊Pat2だね。
取って置きの怖い話もありまっせ。開かずの間、これがもう怖いの何の…
シロー:ちょっと待て、いつから怪談を楽しむ会になったんだ?
霧島:これからミステリーツアーに行くんだから知ってないとね。
クード:ミステリーツアー?
俺らが行くのか。
霧島:マリモも誘いたかったんだけどよ、バイトでこれないって言い出してさ~。
そういう訳だから、みんな手伝ってくれるよな?
ドリミン:あ?俺も勘定に入っているわけか?
霧島:いやまぁ、ノリって言うか霊とかに強そうじゃん。
ドリミン:霊とか自体信じてないんだけどな。
若:それはそうと、開かずの間の話なんだが…。
霧島:良くぞ聞いてくれました!
学内のジムの2階って卓球場があるだろ?あそこさ、夜になると完全に閉鎖するんだよ。
なぜかっていうと、昔は卓球部が使用してたんだけど、部員が問題起こしてしまったらしくてさ、廃部になってしまったんだよな。
んで、最後の部長の怨念が夜になると現れて練習相手をさせられた挙句に「向こう側」に拉致されるそうなんだよ。
ドリミン:…。ネタはみんな同じなんだな。
霧島:…。
霧島:と言うわけで、はいコレ。
若:なんだコレ…?
ドリミン:デジカメだな。しかも最新型か。
霧島:それで各自、証拠映像を撮って来て下さい。
若は体操部の霊。
シローはテニス部の霊。
クードはトイレの霊。
俺はバスケ部。
ドリミンは…一番怖い開かずの間でぇす。
霧島:ちなみに、必要な通路のドアなどは開けておきました。
クード:なんで俺がトイレなんだ!
霧島:(´゜Д゜`)…?
牛乳を飲む勇気があるか?
間接外されるても良いのか?
クード:ははは…OTZ
霧島:んじゃー、レッツ裸ごー。
[器械体操同好会部室前]
若:器械体操部の霊ねぇ。
???:まずハ君の記録ヲ取るゥ、立位体前屈をしテみろォ。
若:こうか?っぬ!
???:ォぉ、スげー掌がぴっタり床にツいたァ。
若:次はお前の番だ。
???:ェ?俺?ィやあ、俺堅くッテさぁ。
若:遠慮するな、俺が手伝ってやるよ。
???:ァ゛ァ゛!そンな。どぅるア!ア゛ぁああァぁ゛ーーーーーー。
[テニス部部室内]
シロー:な、なんだ、さっきの声は…。
??:誰かが俺ラの仲間になっタノかもナぁ。
お前も来イよぉ。
シロー:お前、コートの貴公子か。どっかで聞いたことある声だな?
??:む…。キノセイっすよ。
シロー:…。
??:…。
ドリミン:『ぐぁぁぁぁーーーー』
シロー:今の声は!?
[ジム入り口]
ドンドンドン!!!
シロー:クード!どうした?
クード:ドリミン、中にいるのか!
シロー:若、どうなってるんだ?
若:分からん。悲鳴に駆けつけてきたらここにドリミンのカメラが落ちていたんだ…。
クードはトイレを出てここに向かっていたらしいが、俺もドリミンを見ていない。一体どこに消えたんだ…。
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