三島由紀夫の金閣寺を読みました。
はっきり言って、面白くもなかったし、
考えさせられるというものでもなかった。
ある意味ではまったく理解できていない、
とも言えるのでしょうが、しかしながら、
世代を異にする者として率直な感想である。
全体のテーマのほんのごく一側面である、
「美は破滅の畏れがあるから美しい」
という部分はいかにも日本人的発想であり、
その部分には、共感する部分もある。
しかしながら、主人公の葛藤、行動については
共感できず、いらだたしさを感じるものだった。
三島由紀夫の自決の際の檄文も読んでみたが
「今や自衛隊にのみ、真の日本、真の日本人、
真の武士の魂が残されてゐる」というのも
正しくはない、と思っている。
まぁ、私は右でも左でもなく、日本人の教養として
一度くらいは三島由紀夫に触れておくものいいと
思ったのがきっかけなので、目的は達したのだが。
恥ずかしながら、
今回はじめて、三島由紀夫の出生、家族構成、
- きわめてエリート一家の出であること -
を知ったということからも読んだ意味はあった、
と思う。