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胎の名前

過ぎにし胎はただ名前のみ、虚しきその名が今に残れり。 (ウンベルト・エーコ先生とは関係ありません…)

「のだめカンタービレ」17巻

2007-02-26 01:12:30 | アニメ・コミック・ゲーム

ということで、「のだめカンタービレ」17巻の感想。
ネタバレ進行ですので読まれたくないかたは吹き飛ばしてください。

そもそも連載の感想を載せるのはどうなったよひさ。

17巻のキモ。
・千秋のマルレオケ常任指揮者デビュー公演(Aプログラム)は好演。
・Bプログラムで千秋がバッハのチェンバロ協奏曲(ピアノ版)を弾き振り。
・だがメインのベト4で振り間違いコンマスのお局シモン氏に救ってもらう。
・千秋父=有名ピアニストはBプログラムをこっそり聞きに行くが息子とは会わずに帰る。
・千秋父とのだめ初対面。だが会話なく終了。
・千秋父のピアノコンサートをのだめが聴きに行く。
・三善アパルトマンの陽気な学生達はそれぞれコンクール出場を決意。
・のだめと千秋のすれ違いが続く。
・千秋はのだめとの隣人関係の清算を決意、引越しへ。

千秋父の登場で物語は深みを増してきました。
実際のところ、このオヤジが冷たいという設定、千秋息子の思い込みなんじゃないかと予想していた。
でも期待を裏切って、というかある意味期待以上に親父は人でなしでした。
アパルトマンの管理人アンナおばさんに「は~大きくなったな~、横に」と言ったりとか。
目の前に突如現れたのだめが硬直して大口あけたまま話しかけられないのを見て、面と向かって「気持ち悪い」と言ったりとか。

父も父で息子を捨てたことには罪悪感もあるようですが。
記憶にある幼い息子の姿を思い浮かべて「いつまでもそんな目で見るなよ」なんて言っているあたり、案外悪い人ではないのかもしれません。
のだめが父の演奏を聞いて「何だか悲しかった」「ピアノだけなのかって」と感想を持ったのも、父の背負う孤独を敏感に感じ取ったからなのかもしれないなと。

千秋息子は指揮者なので、様々な場面でオケの人に救われてきたわけです。
指揮棒を振り間違ってもフォローしてくれるお局もいるし、失敗しても千秋を理解し受け入れてくれる団員がいる。
もっとも受け入れられるだけの努力や勉強を千秋がしてきたからでもあるんですが。
でも父のほうは、ピアニストだから常に一人。
ピアノ仲間や指揮者の友達は居ますが、本番で誰かと競演することはむしろ数が少ないのがピアニストですから。
音楽面ではずっと一人きりの世界で生きてきたわけだ。
息子が音楽の世界に入ることもどうも快く思っていなかった節もあるが、これはライバルが1人増えるという危機感も手伝ってのことではないだろうか。

全然場面が違うけれど、ターニャが黒木くんに「ピアニストは孤独、一人きりで練習を続けるのにはもう耐えられない」みたいなことを漏らしていたのも実は複線なのかもしれないと考えてみたり。

千秋父の選曲もものすごく孤独感溢れる曲ばっかりだったしなー。
バッハとブラームスとベトベン。3Bかい。しかも曲のほとんどが短調だし。
それでも、息子の演奏会を聞いたことで父の演奏が何か変わった可能性もある。
観客が「昔はもっと切迫感があったけれど、今日の演奏は穏やかだ」みたいな感想を述べていたし。

ともかくも、今後この親子の競演、絶対あるとふんだ。
のだめと千秋との共演、多分このマンガのクライマックスに来る可能性の高いネタだが、そんなのもうどうでも良いです。

親子で罵り合いながら1つの曲を作っていく、なんて萌えな展開なんでしょうか!(そっちかい)

曲として一番面白いのは、千秋息子がピアノを弾いたことのあるラフマニノフ2番なんだが、こういうお色気路線は千秋父の範疇ではなさそうなので、ないかな。
千秋父の趣味からすると、あまり重量級ではなく円熟感のある骨太な曲ですか。

で、千秋息子はしょっぱなのピアノソロを聴いて「この人はこんな音を出す人だったんだ」とか新たな父の一面を見つけてほんわり。
一方で、出だしのオケの音が気に入らずに「弾くのやめた!こんな練習不足のオケと合わせられるかバカ」とか言い捨てて一人立ち去っていく千秋父に、
「やっぱりコイツはこういうヤツだった!」とか呆然と見送る息子の図とか。

という要件を満たす曲を探すとすると、ピアノソロから曲が始まるものあたりでしょうか。
ベトベンの4番、シューマン、グリーグあたり、あと始まってすぐにピアノソロのあるブラームス2番とかベトベン5番「皇帝」、リスト1番とかもあるか?
親子の確執というテーマからクローズアップして曲を探すとすると、
作曲家とその親で確執のあったバッハやモーツァルト、メンデルスゾーンあたりも範囲内なんですが。

ちなみにのだめと千秋はラヴェルのピアノ協奏曲だと決めてかかっているので、これは選択肢から外す。

って全てひさの妄想の範囲内ですけれども。


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