オールド・パンダという言い方ができるほどには、ニューパンダは売れなかった。
「パンダ」と言えば、初代パンダを指す。
1994年から11年間、パンダと暮らした。
1.1Lになったヤツである。
それまで乗ってたジェミニZZ(FR)の後釜として検討したのは、初代ユーノス・ロードスターとパンダだった。
ユーノス・ロードスターには、ジェミニとの違いが見出せなかった。
結局、「NAVI」に洗脳されて、パンダに決めた。(特に1993年4月号。ボロボロ)
当初、4×4にするはずだったのが、1.0Lのヤツは国内に在庫なし。
新しいのは、リアに「Panda 4×4」と入っており、シンプルさを損ねていたので、FFにした。
定番の赤のボディに黒のキャンパストップ。
3ヶ月ほど待って納車されたパンダは、まさに雑誌の通りだった。
ジウジアーロのシンプルなデザイン。
1.1Lのエンジンは何の変哲もないのだが、770kgのボディをきびきびと走らす。
特に、高速!”をkm/h巡航は快適だった。
内装もいい。バスケット型のダッシュボードを灰皿が左右に動く。コストをかけてなさそうなシートは、全く腰が痛くならない。後席へのアクセスも楽だ。左ハンドルだから、足元も狭くない。また、後席のシートアレンジも考えられていて、びっくりするくらいの荷室が現れる。内装の生地もお洒落だった。
一言でいえば「自由」。
壊れたのは、持病の前輪シャフトブーツ。(これは交換を前提としている)
クーラー。(これも御法度の高速で使ってしまったため)
後は、キャンバストップの雨漏りくらいか。
ボンネットを開けてスペアタイヤをはずすと、ピーンとコードが張っていたりして、「イタリアだな~」とつくづく感じたわりには、故障は少なかったと思う。
最後は、後輪のハブが固着して手放した。
パンダ最大の弱点は、運転中はその姿を見ることができないということ。
イメージのおかげで乗っていて楽しいが、運転自体はおもしろい部類に入らない。
(これがニューパンダの1.2Lになると、途端に元気よく回り、高回転でいい音を奏でるから不思議だ)
パンダは、今でも乗りたいと思う。
中古車の値も強気だから、人気があるのだろう。
たまに見かけると、はっとしてその姿を追いかける。
9万km弱で手放したので、念願の10年10万kmは達成していない。
だから、ぜひともルーテシアで、「枯れたフランス車と10年10万km」を目指したい。