川崎フューチャー・ネットワーク(特定非営利活動法人)

みんなの力で、川崎を “環境都市” に!

開催報告:夏休み公害映画上映会2014「かつて川崎に公害があった!?」

2014-09-06 | KF-netの活動:まちづくり(持続可能性)
2014年の夏休みに合わせて開催した、
公害映画上映会「かつて川崎に公害があった!?」が、
無事に3回の上映を終えました。

おかげさまで、数組の親子の方なども含めて、
たくさんの方々(65名)に映画を見ていただき、感想をお寄せいただきました。
まずは速報で、ご報告させていただきます。

 ◆8月 7日(木)14~16時
     川崎区 教育文化会館 5階 視聴覚室


      

  参加者数:34名
  感想(抜粋):
   ・今も公害が終わっていないことを強く感じた。
    公害の原因物質は時代とともに変わり、目には見えにくくなっているが。(70代男性)
   ・非常に重たい内容だと思います。
    当時に比べると、今では病気で苦しむ人も減り、
    環境は改善されたのかもしれませんが、
    事実として、このような記録が残され、
    記憶を次代に継承することは大切だと思います。
(40代男性)
   ・環境への有害物質の排出を少なくする技術を、
    製品への製造と同時に導入しないと、対策が遅れを取る。(70代男性)
   ・日本の暗部を見た。衝撃的であった。
    21世紀の現代でも、貧しい方、お年寄り、子どもにシワ寄せがいくような事態が
    生じていないかどうか心配だ。
    「目に見えなくなった」のキーワードが無気味。(40代男性)
   ・公害を苦に、自殺した人もいたことがショックだった。
    ぜん息など、発作のつらさを知らなかった。
    同じ川崎市といっても、さまざまな環境があると知った。
    川崎市はテクノロジーの発展した都市だと思っていたが、
    環境分野にも、もっと力を入れていくべきだと感じた。(女性)
   ・弟が小学校の頃、ぜん息だったので、
    本人はもちろん、両親の苦しみを思い出しました。(70代男性)
   ・84年でも、まだ公害が解決されていなかったのがわかった。
    77年に幸区に引っ越してきたが、公害の影響が少ないと思っていた。(60代男性)
   ・経済成長による富国の陰に、多くの方々が犠牲に。(40代男性)

     
   
  【川崎市の公害患者さんたちの声】
   ・国や企業が我々の苦しい思いをわかろうとしない姿勢に腹が立ちます。
    みな、同じ人間でありながら、どうして自分は気管支ぜんそくになったのか、
    悔しくてなりません。(60代女性)
   ・最初の映像が衝撃的。あまりにもひどいぜん息発作の方々に目を背けました。
    亡き母(2級認定患者)も、発作時、夜中、母に付き添って病院まで行っていた頃が、
    強く思い出され、オーバーラップしました。
    国、企業等に憤りを感じざるを得ません。(60代女性)
   ・私は川崎に昭和46年5月に来ました。
    洗濯物を干しますと灰がついて、白いものが黒ずんだりしていました。
    平成15年に、朝起きて仕事に行こうとしたら声が出なくなり、
    水を飲んでも動けない状態に。一日我慢して、次の日に病院に行きましたら、
    ぜん息ですと言われました。
    その時にヘルパーをしていて仕事を休めぬ毎日だったので、
    点滴、酸素吸入をしながら働いて、医療費が1か月16万円かかっていました。
    2か月くらい頑張ったが、払いきれなくて、公害被害者救済を紹介してもらい、
    医療費は払わなくて済むようになり、すごく助かりました。
    それでも今だにとても苦しいです。
    公害病に侵された人は、とても大変な思いをして、とても悔しいです。(70代女性)
   ・空気だけではなく、海も、川も、ひどかった。(70代男性)

 ◆8月12日(火)14~15時半:
    福祉パルたかつ(てくのかわさき 3階) 会議室A




  参加者数:16名(うち子ども2名)
  感想(抜粋):
   ・公害というと日本の四大公害しか良く知られていないところが多いですが、
    住んでいる川崎市で、こんなにもひどい公害があったなんて…。
    (思っていたより、はるかにひどい)
    国は人間が健康で暮らせる環境について、もっと親身に対応して欲しいと、
    怒りを感じた。(30代女性)
   ・経済発展の陰で、健康を害したり、空気や水の汚染があったりと、
    問題も多く抱えていたことを再認識。
    現在も、経済活動の裏には、どのようなリスクがあるのかを、
    良く見極めていかないければいけないと痛感しております。(60代女性)
   ・話には聞いていましたが、フィルムを見て、
    こんなにも苦しいものかと、あらためて感じました。(70代女性)
   ・患者の苦しみ、空気が吐けない苦しみを、映像を見て再認識。
    今も苦しんでいる患者がいる。終わってはいないことが心に残った。(60代男性)
   ・公害でたくさんの人の命がなくなって、たくさんの人が苦しんでいて、
    すごく公害というのはこわいなって思いました。(10代女性)
   ・映画を見て、終始、憤りしか感じなかった。
    国の対応についても、納得のいく説明はないように感じられた。
    学生時代に学習した公害については、四大公害の記憶しかないが、
    今回、この映画を見て、自分の身近にも、このような公害があったのだと、
    感慨深かったです。(30代女性)
   ・公害患者友の会のみなさんとは10年来のお付き合いで、
    川崎公害について知ったつもりになっていました。
    今日、あらためて映画を見て、そもそも公害が発生した原因、
    患者さんたちの苦しみについて思いが至りました。
    ただ、ここで終わりではなく、今現在も公害患者は増え続けています。
    そこにも注視して、できることは協力していきたいと思います。(60代女性)

 ◆8月23日(土)18時半~20時:
    多摩市民館 3階 視聴覚室


   

  参加者数:15名(うち子ども1名)
  感想(抜粋):
   ・息ができないという苦しさは、格別のものだろうと思いました。(30代女性)
   ・発作が起きている時は本当につらそうで、いつ死ぬのかという恐怖があっただろう、
    と思いました。子どものうちからそういう病気では、なおさらかわいそうでした。
    発作が起きていない時は普通に過ごせるのですね。でも、患者さんは、
    生きて、働いていくことができない状況だったのですね。(50代女性)
   ・どうして川崎が四大公害に入っていなかったのか。
    ここまでひどいとは思っていなかった。
    (川崎に公害が)あったという事実は知っていたが、昭和40年代のことと思っていた。
    昭和50年代まで続いていたとは思っていなかった。(60代男性)
   ・洗濯物にばい煙が積もる映像を初めて見ました。
    話には聞いていたけれど、本当だったのだと実感しました。
    この映画は本当に貴重です。
    今、公害を「終わった」として「忘れよう」としている行政に対して、
    この映像の力で「終わっていない」と知らせていかないといけないと思いました。
    (50代女性)
   ・忘れてはいけない過去の公害です。どのように克服してきたか、
    終わってはいないけれども、ある程度の効果を上げてきていることも、
    心に留めるべき。(70代女性)
   ・福島原発事故との共通性。問題や構造はほとんど同じで、既視感。(20代男性)


  ◇プレ企画「公害写真展」7/31(木)-8/6(水)10時~19時
        教育文化会館 1階 ギャラリー
        (協力:川崎公害病患者と家族の会


      


※イベントの詳細ページは、こちら

   

今回、3回の上映会を開催し、
たくさんの感想やご意見をいただくことができました。

いただいた感想の多くに、
「こんなことが川崎で起こっていたと初めて知った」
「こんなにひどいことだとは思わなかった」
という声がありました。

また現在の大気汚染の状況などに関しても、取り上げてお伝えしたところ、
「知らなかった」という方が多かったです。

  
   ※2012年度:2回、2013年度:11回、2014年度:6回 (出典:川崎市)

「もっと多くの方に見て欲しい」との声もいただき、
より多くの方に見ていただく機会を設けていく必要性も感じています。
今年度中に、あと何回か、上映の機会を設けていけるよう、
検討したいと思っています。

秋頃には、より詳しく学ぶために、
当時の市のご担当者の方をお招きして、
お話を伺う機会も設ける予定です。
※2015年2月8日に開催済み。

ご興味のある方、参加したい方は、
ぜひ、お問い合わせください。
※無料でメールニュースも登録できます。
 最新情報は、facebookが早いです。

また、今回、小学生の方たちにも何人かご参加いただき、
学校での川崎公害についての学習について伺ったのですが、
やはり、あまり学校で公害について学ぶことはないとのことで、
学校でも学ぶ機会をつくっていく必要性について、
いっそう強く感じられました。
今後、子ども向けのプログラムも準備していきたいと思っています。

そこでKF-netでは、
これら、いただいたご感想をまとめて、お知らせしていくとともに、
「川崎の公害」のテーマについて、今後も継続的に行っていきたいと考えています。

上映会の継続はもちろん、さらに詳しく学んでいく場を設けたり、
子ども向けのプログラムの作成など、
関心のある方は、ぜひ、ご一緒していただければ幸いです。
※会員登録は、こちらへ。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!





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