今日の目標は乗鞍の畳平、標高2700m。高山市との標高差は2200mに及びます。朝起きた途端に今日走るのやめようかと思いましたが、わざわざ高山まで何しに来たのかと言う話になります。レーパン姿でバスに乗る度胸もないし、そもそもバスは雪の壁で止まってくれないだろうし・・・しょうがない、行くか・・・

天気は上々、風も強くないし気温も高め。これ以上ないお出かけ日和です。一応冬ジャージも持ってきていたのですが、この気温なら不要と見て駅のコインロッカーに預けています。結局、夏ジャージ上下+アームウォーマーだけで事足りてしまいました。

そしてここが乗鞍スカイラインへの分岐。ちなみに高山から乗鞍までの道のりの中で、一番傾斜がキツいのはここからスカイライン入り口までの間だったりします。景色が良くないから気がまぎれないし、標高が低くて暑いしでたまったものではありません。
逆に言えば、ここを脚つき無しでいけるならばスカイラインは恐れるに足りません。・・・乗鞍で脚つき無しのタイムトライアルをやる人はあんまりいないと思いますが。

乗鞍スカイラインの入口の標高は約1700m、畳平まであと1000m。昨年秋にもここには来ていますので、この先に10%を大きく上回るような激坂がないことはわかっています。しかし平均斜度は8%あり楽な部分が少ない坂でもあります。


登り始めてしばらくすると、残雪があちこちに目立つようになって来ました。最初のうちは樹木も多く見通しはそれほど良くありませんが、徐々に景色が良くなることはわかっていますので、それを心待ちにしつつジワジワ登っていきます。

スカイラインから見える山々は大きく分けて二つ。手前に見える高山市のはるか向こう、石川県との境に聳える白山と・・・

言わずと知れた北アルプス。まだまだ森林限界には程遠いですが、徐々に樹木が疎らになっており、時おり視界が開けます。
ちなみに、左のほうにある尖った山は槍ヶ岳だと思い込んでいたのですが、あれは笠ヶ岳なのだそうです。槍ヶ岳はこのアングルだと他の山に紛れて目立たないのだとか。

皆さん雪の壁目当てなのでしょう、今日は多くの自転車乗りが来ていました。このあたりで会った方は登山用のデカくて重そうなザックを背負っており、聞いてみると剣ヶ峰に登るためにアイゼンまで持ってきているのだとか。
自転車乗りはたくさん見かける一方、マイカー規制がかかっているのでバスがたまに通る以外は車を全く見かけません。まさに自転車天国です。


雪のせいか昨年秋とは印象が大きく異なります。白く化粧された山はそれだけで美しいもの。雪山登山について「何を好き好んで寒くて危ない季節に山登りするんだ」と思っていましたが、こういうのを見ると少し認識が改まります。


畳平まであと5kmくらいあたりから一気に視界が開け、乗鞍らしい荒涼とした風景が広がります。

そして本日お目当ての雪の壁!いやー残ってて良かった。開通から10日経っているので、渋峠みたいに汚れているんじゃないかと思っていたのですが、さほどではありませんでした。マイカー規制のおかげなのでしょうね。

上から見るとこんな感じ。渋峠もそうですが、やはり雪の吹き溜まりになりそうな地形です。




畳平のすぐ手前では、なんとスキーをしている人が。今日は気温が高いのでスキーウェアを着ているとものすごく暑そうです。

もう脚はがたがた、息も絶え絶えながら畳平にやってまいりました。日本で一番高い舗装道路、去年の秋に続いて二度目ですが、雪と氷でまったく印象の異なる風景が広がっていました。

ちなみに7月1日に開通するエコーラインは今のところこんな感じ。

さて、せっかくなので今日もプチ登山をしてみましょう。剣ヶ峰は遠すぎて無理だし魔王岳と富士見岳は前回登りましたので、今回は大黒岳に行ってみることにしました。

登ってみると、崩れやすい土質で少し滑りやすい印象です。SPDシューズで登ってるお前が悪いと言われそうですが。
登り易さは 魔王岳>大黒岳≧富士見岳 かなと思います。


乗鞍スカイラインと北アルプスの山々、30分もかからない登山でこれが拝めるなら登った甲斐があったというものです。
なお、3つの山の中で個人的に一番オススメなのは富士見岳。登るのは少し大変ですが、四方に視界が開け剣ヶ峰もよく見えるので達成感がありました。

もう少し長居したかったけど、高山から八街までは6時間かかる長旅です。後ろ髪を引かれながらも下界に戻っていきました。
