アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

日米貿易交渉の評価

2019-08-27 09:21:25 | つれづれ

G7サミットがグジャグジャのうちに終わった。そのことは事前に織り込み済みであったが、日本ではそれ以上に日米貿易交渉の結果の方が注目だったはず。

 

 その結果の評価については新聞各紙やテレビ局によって大きく変わるものだった。例によって某紙は政府と同様に「大きな成果」と言っているし、某紙は「不平等」と

 改めて、合意内容を整理しておくと①日本が輸入する農産物の関税はTPP水準とする。②日本が輸出する自動車の関税は当面先送り。③売れ残りのトウモロコシ250万トンを日本が購入する。となる。

 

 政府の評価は、農産物の関税撤廃はまぬかれたこと、そして自動車の関税アップもまぬかれたことで成果と称している。

 ちょっと待ってほしい。そもそも今回の日米貿易交渉はトランプ大統領が「TPPは最悪だ」と称して脱退を決めたことに端を発している。

 

 その結果、アメリカの牛肉の輸入が減り、オーストラリアの牛肉が増えたことがけしからんと言っていたそうだが、TPPにいればそんなことはなかったのに・・・とアメリカにひと言言ってもよかったんでは・・・と。

 さすがにTPPを上回るレベルにはならなかったが、ある意味当然の水準では・・・と。

 

 次に、自動車の関税は撤廃の要求に対し、先送りとなったが、G7の後の記者会見でトランプは将来の関税引き上げの可能性も示唆している。近い将来、やっぱ上げると言われても文句が言えるのか・・・と。

 もうひとつ我々が忘れていけないのは、参院選前に「交渉を参院選後に先送りできたことは最大の成果」だと政府も御用ジャーナリストも言っていたことだ。

 

 一部情報によると、参院選前にすでに農産物の大量引き受けを決めているとの報道があった。つまり今回の③は既定路線だったというのだ。

 なるほど、あの記者会見の席上でトランプが「中国が約束を守らず余っているトウモロコシを買ってくれるとアメリカの農家が喜ぶんだが」と芝居がかった言い方で言い、その場で引き受けたのはそういうことか・・・と。

 

 このトウモロコシは日本が輸入に99.9%頼っている飼料用のものを、追加で約3か月分買うというものらしい。輸入のほとんどはすでにアメリカだというが・・・

 つまり(輸入に頼っていた以上、年間の必要分はすでに確保してあるのに加え、年間必要分の1/4を追加購入するわけで)、だぶつく可能性も高いとか。

 

 ある記事によれば、余った分を他国に輸出する可能性もあるとか・・・もう悪い冗談にしか聞こえない。

 こんなことを書いているとネトウヨの皆さんからは反日とか言われそうだが、冷静に見てほしい。小生は日本のためになるのかという視点で書いているわけで、しいて言えば反米であっても反日ではないはずだ。

 

 ただ、小生が一番問題にしたいのは、この交渉結果について、某国営放送は③についてただの一言も取り上げていないこと。

 この上で、首相が「ウインウインの成果」と言っているのを垂れ流しているが、これはダマシ以外の何物でもないのではないかと。

 

 やはりこの国の政治をゆがめているのはマスコミだ・・・とも思ってしまう小生である。こうした一部の情報を取り上げずに流すのは放送法に定める「政治的公平性」に反するのではないかと思うのだが、安倍支持者の皆さんいかがだろうか。

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