平の高房という名前は、湯西川にゆかりのある平氏の武将の名前だという。ご存じの方も多いかと思うが、湯西川は平氏が源平合戦で敗れた後、落人の里として移り住んだ所と言われている。
そんな中、平の高房には「平家砦の館」というキャッチフレーズもついている。以前から何度も書いているが、元々材木商を営まれていた社長が始められたお宿ということで、木材をふんだんに使われていて、装飾的なものも含め、砦っぽい感じになっている。
そして特筆すべきは、下足番がいらっしゃることだ。
立派な玄関を入ると大きな階段があり、その上がロビーになっている。そのため下足番はマストなのだ。
そのロビーがまた素晴らしい。天井が高く、巨大な空間になっている。小生の行っているお宿のロビーとしては、美郷館と並び双璧である。
お宿の規模の割に空間が大きく、贅沢な空間ということができる。
さて、このお宿を切り盛りしている社長は素朴で誠実さが見える方で、食事の時にも汗かきながら働かれている。また女将さんは、スラッとして知的で上品な方。中居さんたちにもフラットな立場で接しておられて、スタッフさんの定着率もいい。
さらに、昨年からは若女将も入られて、気持ちいい接客も受け継がれている。そしてもうひとつ特筆すべきは料理だ。
平家落人の里として湯西川の名物になっている、囲炉裏端の焼き物をはじめ、大イワナと頂鱒の刺身、天ぷらなどバラエティに富み、そしてすべてがやさしく美味しい。
毎回こちらでは和牛のステーキ付をお願いしているが、これもまた抜群に美味しい。そして・・・こちらでもうひとつお約束なのが、凍結竹酒だ。
社長のアイディアによるというが、竹筒に入れたお酒をキンキンに冷やし、竹の御猪口でいただくもの。
貝掛温泉など、日本酒の美味しいお宿はたくさんあるが、こちらのこれは別格である。興にのって、お代わりも重ねてしまった。
翌朝の朝食は、派手さはないものの、ご飯を美味しく食べられるおかずが並び、普通ならお代わりしてしまうような・・・
そこはぐっとこらえて、お代わりはせず、そのかわりに完食した。ご飯がやけに美味しかった・・・
残念なのは、帰宅したら体重がとんでもないことになっていたこと。それは、このお宿に包まれた幸せ感がなせる技だと思ってしまうしかない。
またリピートすることは間違いない。何しろ、女将さん・社長さん・若女将だけでなく、中居さんに番頭さん、それに下足番さえ顔なじみなのだから・・・
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