歴史的な南北首脳会談を受け、小生が注目したのは朝鮮戦争の終戦に向け、南北に米中2カ国を加えた4カ国協議を行うことが発表されたことだった。
朝鮮戦争は休戦に至る過程での経緯から、米中が関わるのは当然としても、現状少なくともその枠組みに日本が入る余地はないだろう。
なぜなら、終戦の議論に日本がこだわる拉致問題は関係ないからだ。誤解の無いように書いておくが、小生拉致問題はどうでもいいと言っているのではない。あくまで終戦協議の際に、コンテンツのひとつになりえないと言っているのだ。
ただ自虐的にいうと、今回の件を通じ政治的にせよ経済的にせよ、日本が今、世界からどう見られているのかを正しく見る機会になるのではと期待している。
以前エストニア在住の日本人の書いた、欧米から見た日本の評価について記事にしたことがある。少なくとも当の日本人が思っている認識とのギャップは大きいと。
そこで改めて具体的なデータをもとに日本の現状を見ていきたい。こちらの記事を参考にされたい。
これまでも小生のブログで何度も書いているのが、一人当たり国内総生産(名目GDP)だ。そのランキングで見ると、日本の順位は世界25位(2017年のIMF統計より)。90年代は、最高3位で、一貫してベスト10に入っていたから、低下は著しい。
このことはアジアでも言えて、アジア・中東でも、17年は、マカオ、カタール、シンガポール、香港、イスラエルに次いで6位(2017年のIMF統計より)という。
どこかの首相が金持ちぶって中東に行っても・・・だ。にもかかわらず、日本は経済大国と思っているのは人口が多いからだが、経済規模全体でも中国の4割にとどまっている。
一方で、安倍政権のスローガンによれば、世界銀行が発表するビジネス環境ランキングで「先進国3位を目指す」というものもあった。
その実状は・・・・かえって順位を落としていて2017年の世界ランキングでは、日本はベスト20にも入れず34位。35位のロシアに激しく追い立てられるという始末と。少なくともこれは野党のせいではないだろうと・・・
さらに教育の面でも日本の大学やNBAの地位が国際的にどんどん低下しているのは周知の事実。また当然卒業後の収入も、欧米に比べ日本は圧倒的に安い。
2016年に小生こんな記事を上げているが、このことにいまだに気付いていない人が多いはず。
今回の古賀氏の記事でも、上智からシンガポールの大学に行った人の話が出ているが、おそらく日本人のほとんどの人が、「上智まで出て、なんでシンガポールなんかに・・・」だろう。
テレビなどでは「日本は素晴らしい国」という礼賛番組が多く目につく。
しかも、それに乗ってほとんどの日本人がアジアの他国に対し、上から目線で接したりしているのが実状では・・・と。だが、名目GDPでみればシンガポールと日本では勝負にならない・・・
確かにかつては経済大国だったのは事実。だが、今や競争力を失い、賃金は安くて欧米から見ると都合のいい国・・・それが日本なのだ。
以前の記事で人口減少局面での金融緩和ではインフレにならないという記事を上げた。小生の実体験でも、2016年に受給した失業保険の給付金額が途中で引き下げされた。
理由は在職者の平均給与が下がったためという。アベノミクスで給料は上がってるの? と。いや、仮に上がっていたとしても、円安政策でそんなものは吹っ飛んでしまう。
小生の車はディーゼルだが、2016年の夏頃はリッター85円で給油できた。それが今や110円くらいになっている。実に30%近い値上がりだ。
給料がそのくらい上がっていれば、問題ないわけだが・・・逆に言うと為替の効果で輸入品はそのくらい上がっている。
にも関わらず、物価は・・・ということは、それだけ企業は価格を維持するために血の出るような努力をしている証左かと。
なぜ・・・それは値上げしたら売れないからだ・・・値上げしなくても・・・か。小生の近くの商店街も、この二年くらいで、閉店が相次いでいて、完全にシャッター商店街化している。
どこかの財務相は、「アベノミクス下で売り上げがのびないのは経営者が無能」とまで言っていたようだが、本当なの・・・って。
安倍支持者の方々の意見を待ちたいものである。
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