わずか3日で公演中止となった「あいちトリエンナーレ 表現の不自由展」については、各種メディアで取り上げられているが、炎上覚悟で取り上げてみたい。
慰安婦像や天皇の写真を燃やすものなどが集中して取り上げられているが、そもそも「表現の自由」に対して制約を受けたものに対し、アンチテーゼを訴えるのが主旨。
ここで慰安婦像がいいのかどうかを議論する気はない。取り上げたいのは中止を訴えた政治家やそれを(後押しするかのような)マスコミの姿勢だ。
テレビ等で話題になっているのは愛知県知事と名古屋市長がお互いに意見を言い合っていることだが・・・それ以上にこちらの記事にあるように国会議員や他府県の知事などが愛知県知事やイベントを叩きまくっていることだ。
中には県知事や主催者を国会に参考人招致しろという意見まで・・・って、おいおい犯罪人かよ。
あくまで小生の感想だが、マスコミの取り扱いは県知事が悪者で中止を勧告している方が正義みたいな・・・
その一方で殺害予告メールなどがあったことも紹介されていて、すでに逮捕者まで出ている。
ここで取り上げたいのは、「税金を使ってやるイベントだから自ずと政府に反旗を翻すようなものは制限されて当然」という論理だ。
もっともらしくいろんな人が言っているが、そんなこと言ったらそもそも「表現の自由」なんてものは成立しなくなる。
歌舞伎や落語だって、そもそもは反権力的なものであり、毒があるのが当たり前なのだ。この説に従えば、国立劇場での落語や歌舞伎は公演中止にしないといけないことになる。
この騒動に混ざってネット上で拡散したのが、安倍首相と菅官房長官と見られる人物の口をハイヒールで踏む作品の画像だ。Twitterで拡散されると、まとめサイトが記事を配信するなどし、さらに情報が広がったという。
ただし、これは完全な誤報であることが確認されたが、ちょっと待ってくれ・・・と言いたい。慰安婦像に関しては、他国に関することであり、政治的には微妙な要素もあるので、懸念を表明するのはわからんではない。
だが、事実ではなかったといいつつも、この作品が仮に展示されていたとしたら何が問題なのだろうか? 小生にはこの作品のどこが問題になるのかがまったくわからない。
もしこれが選挙のビラやどこかの党のパンフに掲載されるというなら問題だろうが、あくまで芸術作品としての展示なら不適切な要素はないだろう。何が問題なのかを教えてほしい・・・
さらに嫌な気分なのが、韓国への(報復ではないと政府が気色ばむ)輸出制限措置への世論。この対応に賛成する人が圧倒的という・・・
誰が何と言おうと報復であり、それを是とする世論が多いというのは「韓国憎し」という空気が大勢を占めているということだ。
皮肉な話だが、ソウルでは反日の幟に市民たちが反対し数時間で撤去されたという。曰く「市民の意見は反政府(安倍)であり、反日ではない」という。
日頃、韓国の過激な反日行動をマスコミで見せられているが、これを見ているとむしろ日本の方が危なくないか・・・って。
仮想敵国みたいな形で国民を誘導するのは独裁政治の典型だそうだが、すごくイヤな気分になっている小生である。
そういえばトピズレだが、かつては北朝鮮がミサイルを飛ばすとまっさきに「国連決議違反だ」と大騒ぎしていたどこかの首相は、最近は「我が国の安全保障上ただちに問題はない」と。
短距離ミサイルも国連決議違反に間違いはないのだが、トランプが問題にしなければいいのだろうか・・・この件については安倍支持者の皆さんはどう考えられるのだろうか。
いずれにしても、とても嫌な気分になっている・・・のは小生だけだろうか。
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