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アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

写楽展

2011-05-07 06:25:18 | つれづれ
先日の記事で、ルイーザと浮世絵展を見に行ったことを紹介したが、この連休には上野の国立博物館でやっている写楽展を見に行ってきた。


 連休でもあり、パンダほどではないにせよけっこう混んでいると思いきや、意外にもそれほどではなかった。ラッキー・・・
 写楽といえば、江戸時代の役者絵で有名な浮世絵師で、活動期間がわずか十ヶ月間という短期間だったことでも有名で、誰なのかも話題になっていた。

 近年の研究では、阿波の能役者、斎藤十郎兵衛という説が定説になっているようだ。その構図の取り方や、特徴をデフォルメした作風は他のいずれとも異なる。
 また、歌麿などとことなり、ほとんどが芝居絵であることも特徴的であるが、リアルタイムでの評価や人気はイマイチだったという。


 それが今や世界的な肖像画家なんてことになっているのだから、なんともわからないものである。しかも浮世絵だから、当然版画である。
 ゴッホをはじめ、いろんな西洋画家が浮世絵の影響を受けたことは有名だが、版画であったことが、世界的に見たときにその特殊性を際立たせている。

 版元にしてプロデューサーの蔦屋重三郎が写楽を支援した形だが、十ヶ月の中でも芝居公演とセットで、作品は四期に分かれるという。
 おそらく、今で言えば評判の映画にタイアップしたポスターや写真集といったところか。こうして見ると江戸時代から日本人って、ミーハーそのものである。

 もっとも、この大衆文化であったことが、ゴッホあたりの西洋画家と決定的に異なるわけで、芝居・落語・浮世絵などのつながりが興味深い。
 この展覧会、震災の影響で開催時期がずれたが、もしかして前回見に行った浮世絵展とのバッティングを避ける意図もあったのかも・・・なんて思ったりして。

 といいつつ、写楽以外のコレクションもあり、また写楽の全作品のうち、そのほとんどを展示しているということで、見ごたえはバッチリだった。
 すっかり満足して表に出たら、雨がしとしと・・・いいひと時であった。

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