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勝手に書評

私が読んだ本の書評を勝手に行います。

ウェルチ リーダーシップ:31の秘訣/ロバート・スレーター 著

2001-03-17 | ビジネス
タイトル : ウェルチ リーダーシップ:31の秘訣
著者 : ロバート・スレーター
出版社 : 日本経済新聞社(日経ビジネス人文庫)
出版年: 2001年

---感想---
今や伝説の経営者、アメリカを代表するエクセレント企業GEのCEO、ジャック・ウェルチのこれまでの経営思想の軌跡である。

ジャック・ウェルチがGEのCEOに就任した時期は、既にGEはアメリカのエクセレント企業としてそのトップの地位にあったが、ジャック・ウェルチは事業の買収あるいは売却によって、もはやこれまで以上の成長はないであろうと思われていたGEに更なる成長を遂げさせた。当然、大胆な改革を伴う経営は周囲の反発を生んだが、その反発を跳ね返し、改革をやり遂げるベースとなった考えが、本書に”31の秘訣”として記されている。ジャック・ウェルチは、2001年12月を持って、GEのCEOから退くが、その功績は永遠に語られるに違いない。

ホンダ神話 教祖のなき後で/佐藤 正明 著

2000-06-24 | ビジネス
タイトル : ホンダ神話 教祖のなき後で
著者 : 佐藤 正明
出版社 : 文藝春秋(文春文庫)
出版年: 2000年

---感想---
単行本として1995年に文藝春秋から発行されているものの文庫版。

ホンダがおかしいと言われだしたのは、ホンダの創業者本田宗一郎晩年、盟友であった藤沢武夫が死去し、川本が社長を始めた頃ではないだろうか。やはり、その頃から、ホンダの車には遊び心が無くなり、”普通の”車に成り下がってきたような気がする。今年、ホンダはF1に7年ぶりに復帰した。しかし、それはホンダの苦悩に対する目をそらすものではないのだろうか。確かにRV車は成功し、ホンダの業績は一息ついているところだが、RV市場そのものが下降傾向が見られる今からが正念場である。一般に、強烈な個性のある創業者がいる企業は、そのカリスマがなくなってからが勝負だが、ホンダもその勝負の真っ最中である。

トヨタ経営の源流創業者・喜一郎の人と事業/佐藤 義信 著

1999-12-08 | ビジネス
タイトル : トヨタ経営の源流創業者・喜一郎の人と事業
著者 : 佐藤 義信
出版社 : 講談社(講談社文庫)
出版年: 1999年

---感想---
片山氏による企業研究本シリーズとは、また異なる企業研究本。

片山氏の著書は、”いま”に焦点を当てているが、こちらは”過去”に注目している。そして、日本で唯一のフルライン自動車メーカのトヨタ、その創業者である豊田喜一郎に焦点を当て、其の人となりやどのように日本最大・世界有数の自動車メーカに育てていったかが記されている。

サントリーの嗅覚/片山 修 著

1999-11-27 | ビジネス
タイトル : サントリーの嗅覚
著者 : 片山 修
出版社 : 小学館(小学館文庫)
出版年: 1999年

---感想---
著者片山氏の企業研究本シリーズ第5段。

NHK研究では、技研の研究者の文章の場合が研究論文的な内容で、読んでいる人によってはあまり興味を感じられなかったと言う事を意識したのか、サントリーでは、著者による社員へのインタービューをまとめる方式を取っている。インタビューされているサントリー社員は、「この道一筋何十年」と言うような研究者に対してインタビューを行っているが、うまく著者がまとめているため、物語としてかなり読みやすくなっている。「生の声」出はないが、読み物であるのでこのような形態の方が良いかもしれない。

NHKの知力/片山 修 著

1999-11-25 | ビジネス
タイトル : NHKの知力
著者 : 片山 修
出版社 : 小学館(小学館文庫)
出版年: 1999年

---感想---
著者片山氏の企業研究本シリーズ?である。今回は、日本最大の放送企業NHKについて研究している。

このシリーズでは、①本人に原稿を書いてもらう方式、②著者によるインタービュー方式の2方式の場合があるが、このNHK研究では本人に原稿を書いてもらう方式を取っている。NHK研究で気になるのは、言葉を職業としているアナウンサーと研究開発に職業としている研究者で全く内容が異なると言うことである。アナウンサーの文章の場合は、読み物的で読者に配慮した?内容になっているが、技研の研究者の文章の場合は、研究論文的な内容で、読んでいる人によってはあまり興味を感じないかもしれない。放送企業にして研究企業と言うNHKの特殊性を示していると言えるが、曲がりなりにも言葉を対象としている企業なのだから、研究者ももう少し一般を対象として内容を考えてほしかった。

アサヒビールの奇跡 ―ここまで企業は変われる/石山 順也 著

1999-09-15 | ビジネス
タイトル : アサヒビールの奇跡 ―ここまで企業は変われる
著者 : 石山 順也
出版社 : 講談社(講談社+α文庫)
出版年: 1999年

---感想---
業界3位のローカルな企業から、今や業界トップへ今一歩と言う地位まで上ってきたアサヒビールのサクセスストーリーに付いての書である。

シェアがじりじりと低下していく企業と言うものは、社内の士気にも影響するものであるが、以前のアサヒビールもその例外ではなかったようだ。かつてはトップの地位に有り、歴史のある企業であるだけ忸怩たるものがあったに違いない。そんな中でアサヒはCIを行い過去への決別をして行くのだが、これを単なるCIにとどまらせず企業革命とも言うべき社内の意識改革を果たした事が現在の勢いにつながる事が改めて認識できる。逆に、ガリバーとも揶揄されたキリンが、その大きさのゆえか有効な対抗手段を打ち出させずにアサヒに市場を奪われていくが、原因は追う者と追われる者の違いだけでは無かったはずだ。ドライビールブームも一段落し安定期に入った。これからアサヒがどのように成長していくのか、非常に興味深いところである。

ホンダの兵法/片山 修 著

1999-04-24 | ビジネス
タイトル : ホンダの兵法
著者 : 片山 修
出版社 : 小学館(小学館文庫)
出版年: 1999年

---感想---
「ソニーの法則」「トヨタの方式」に続く(?)3冊目の企業研究本。

元気な企業には理由があるようだ。特に、ソニーとホンダには、①ドメスティックにはこだわらない、②若い人材を活用する、③新しい課題(技術)に挑戦するなど共通点が見受けられる。ユーザに受け入れられる商品を作り出すには、古い考え方に固執していても仕方なく、また、新しい商品を作り出すには常に新しい力が求められると言う事の現われだろうか?

ソニーやホンダの場合は「後世に残る」と言う商品が少なくない。ソニーやホンダは、商品が新しいだけではなく考え方そのものが新しく、文化を作り出していると言っても良いかもしれない。

トヨタの方式/片山 修 著

1998-09-26 | ビジネス
タイトル : トヨタの方式
著者 : 片山 修
出版社 : 小学館(小学館文庫)
出版年: 1998年

---感想---
以前に「ソニーの法則」というものを紹介したが、これはその続編?に相当する作品。トヨタの強さに迫る。「ソニーの法則」では、各項が個人へのインタビューと言う形式を取っていたが、本「トヨタの方式」では、グループへのインタビューと言うような形式になっている。言うなれば個人のソニー、組織のトヨタか。

トヨタは企業規模が大きいため、”硬直した組織”という一般的なイメージが有るが、本書を読んでみると実際にはかなりフラットな組織であり、社会の変化へ柔軟に対処し、成長してきた事が良く分かる。実際にも、不況の中国内最高の利益を上げているので、硬直した企業にそのような事は出来ないだろうと言う傍証になるのではないだろうか。トヨタへのイメージを一新させる一冊である。

シェア神話の崩壊/前屋 毅 著

1998-05-30 | ビジネス
タイトル : シェア神話の崩壊
著者 : 前屋 毅
出版社 : 小学館(小学館文庫)
出版年: 1998年

---感想---
ソニーの法則」に続き、ビジネス書もの。一応サラリーマンなのでこのような本も読むようになりました。

ビール業界(キリンとアサヒ、サントリー)、自動車業界(トヨタと日産)、電機業界(松下)について、実例(?)を下にシェア奪回・低下の契機などを解説している。特にビール業界の事情については詳しく記してあり、強く興味を引かれた。
元々はダイヤモンド社から「シェアの迷走」として1994年に出版されたものに加筆して1998年4月に出版したものである。いま(1998年5月)であれば、おそらくPHS業界の事も加筆される事だろう。一読の価値はある。

ソニーの法則/片山 修 著

1998-05-15 | ビジネス
タイトル : ソニーの法則
著者 : 片山 修
出版社 : 小学館(小学館文庫)
出版年: 1998年

---感想---
ソニー社員(役員・社員経験者含む)に”ソニー”という会社を語らせている本。前社長の大賀典雄氏、現社長の出井伸之氏も存分に語っている。本そのものは、書き下ろしであり、週刊誌や何らかの雑誌のコラムではない。著者がそれぞれに取材し、まとめたものである(ようだ)。ソニーは創業52周年を迎えた。企画が、著者、あるいはソニーのいずれから出たか勘ぐるのは邪推か?

内容は、一般に「開かれた会社」「先進的な会社」というイメージの通りで、特に目新しい内容は見受けられなかった。イメージの通りの会社と言えるのかもしれないが、意外性が見られなかったのは残念だ。いずれにせよ、一読の価値はある本である(かもしれない)。