今日はちょっとした、ビジネス小話です。
入社から3年くらいは、今思えば突っ張っていました。
なかなか話ができる先輩もいなかったし、後輩もいなかったし。
いやむしろ、自分がそういう間柄になろうとしていなかった。
会社以外に仲間をつくって、会社で仲間をつくることをどこか恥に思っていた。
それは同期の男3人のうち、僕1人だけが、違う部署だったからか、
子どもの頃から、一匹狼が好きだったからか、自己中心的だったからか。
いろんな要因があるのだろうけれど、僕はとにかく仲間なんていなかった。
会社で一日に3人以上の人と話すことを目標にしたこともあった。
実際に、なかなか難しくって、僕はほとんど達成できなかった。
忙しなかったこともある。先輩を尊敬できなかった未熟さもある。
そもそも、自分の精神年齢が低すぎたのだと、今になってみれば思う。
そんな時、ある上司に言われたのだ。
「お前、歩き方が怖いって言われとるぞ」
元々180センチあり背が高いこともあるし、
そもそも無愛想だった僕は、
会社以外で自分が笑っているところを見られた時に、
「勝田くんも笑うんだね」と言われたこともあった。
そんな折、さっきの「ある上司」に教えてもらったことがあった。
勝田、デスクに書類を置く方法を知っているか?

「いろんな人の、机に書類を置く姿を見ててみ、色々やろ。
あの人はほら、上司だろうが書類を軽くほってるわな。
あの人はほら、普通に置いてるけど、机の上で、曲がってるわな。
あの人はほら、書類を置いて、その後ちょんっと指を当てて、整えておいているわな」
会社内で人と話すのが面倒だと思っていた僕は、
俺は歩き方だけでなく、書類の置き方まで怒られにゃならんのか?!
そこまで気を使わないかんのかと、イライラしていたと思う。
そもそも人の話が素直に聞けなかったのだ。
「同じ書類を置く方法でも、みんな違うなぁ。
勝田はどうやっておいとる?
普段どんな思いで書類を置いている?
そういうところから、一つ一つ考えていこや」
記憶の中ではそんな優しい言い方をされた思い出がある。
まぁ実際は、半ば怒られていたのだと思うがw
今では僕は、人の机にものを置く時は、
必ず向きを整えて、置いた後に、少し指を当てておいている。
誰が見ているわけでもないが、そういう癖なのだ。
そうしろと言われたわけではない。
自分がそれが良い、正しいと思ったのだ。
そして、そんなちょっとしたことは、
ちょっとしたことで自分の印象は大きく変わるんだなぁということに、
心から気づかせてくれたんだと思う。
大切な文書を見ていただくわけだ。
文章の内容が間違っていないか、
僕のやりたいと思っていることを会社に見てもらって、
出来るように導いてもらうことだ。
なのに、置き方が雑だったり、乱れていたら、
やっぱりそれは気持ちの良いものではない。
そこで、よけいなことで、マイナス点を作る必要はないのだ。
机の上に、書類を置く。
僕の会社でのコミュニケーションは、そこから始まった気がするんです。
そして、そんな初歩的なことから教えてくれた上司には、
僕は全く頭が上がらず、刃向わないというわけではないけれど、
やっぱり、忠誠心をもって、働きたいと思う男なのです。
俺もそういう男、上司になりたいなと、思うわけです。