早いもので、息子は来月で3歳になる。
夏には弟か妹ができる予定だ。
毎日のようにお母さんのお腹に耳をくっつけて、
おにーちゃんですよ、元気ですか。
と声をかけている。
赤ちゃんがお母さんの体にいることを理解しているようだ。
一方、お腹がいっぱいで自分のお腹が膨れると、
それはそれで、赤ちゃんだといってさすってはいるけれど。
もうすぐ3歳になるということで、来年度から幼稚園に入れる。
3歳児学級は市内でも少なく、少し距離はあるものの、
息子の社会性や、もう一人子どもができることを考えると、
妻の忙しなさも、少しは楽になるだろう。
職場に送りだしていただいて、休暇をとって幼稚園の説明会に出かけたときのことだ。
保護者は2階の広間で説明を聞き、
子どもたちは1階の遊戯室で幼稚園の先生と遊ぶということだった。
園の服、用意しなければならないもの。
一通りの説明を受けた30分後。
書類は妻に任せて、息子を迎えに行った。
お母さんたちが先に並んでいて、僕は列の最後の方だったんだけど、
その間、息子はずっと部屋の中を行ったりきたりしていた。
「あそぼー」「あそぼー」「あそぼーよー」「あそぼー」
いろんな子に声を背中からかけている。
誰も振り向いてくれない。
地元の元からの友達とかもあるんだろう、友達同士で遊んでいる子、
単に泣いている子、アニメに夢中な子、いろんな子がいる中、
息子はお人形を持って、声をかけ続けていた。
お母さんが迎えに行くから、少しずつ部屋の子どもたちは減っていく。
全部で30人くらいはいて、残り10人くらいになったとき、
息子は部屋の真ん中に一人でいて、
僕に気づいて、ニコっと僕に笑いかけてきた。
僕が親バカなんだろうか。僕はもう涙が出そうだった。
ずっとずっと友達になろうって声をかけていたのに、
誰一人相手にされずに、それを僕は、僕に見つかってしまったと、
彼は思ったのではないかと思った。
僕なら、恥ずかしいと、思うかもしれないから。
息子はそんなこと関係なしに、あそぼーあそぼーと言って、
たまに返事をしてくれる子がいると、一緒に絵本を見ようと、声をかけていた。
そんな話を妻にしたら、
いつもあの子はそうよ、という。
かわいいよね、かわいそうだけど、えらいね。って。
例えばショッピングセンターのちょっとした遊具スペースや、
公園とかに出かけたときも、一人では遊ばずに、誰かと遊びたがるんだそうだ。
妻も、義母もご飯を食べているときの口癖は「みんなで食べると、おいしいね」だ。
なんて素敵な義母で、妻なんだろうと、いつも思う。
きっとそんな言葉に感化されて、皆で遊びたいんだろうな。
みんなで遊んだ方が、楽しいもんな。
父ちゃん見て、笑うなよ、俺はもう、本当に辛かったぞ。
でもね、お前はきっと友達たくさんできるよ。
父ちゃんのように、大切だと思える仲間がきっとたくさんできるよ。
母ちゃんのように、お互いを大切に思える仲間がきっとできるよ。
だから、いつまでも、自分から声をかけてね。
「あそぼー」って、声をかけてね。
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