助手席のお母さんが「急がば回れと言うでしょう」と小さい声でブツブツ言っている。おじさんは聞えない振りをして運転している。チョッと遠出をした時の車の中での何時ものイザコザが始まった。お母さんの実家に用事が出来たので、チョッと買い物をして、そのまま直行することになったのだ。買い物をした店からだと、産業道路で行けば直線に近い。おじさんは当然その道に乗った。ところが、フィニッシュのところが、大渋滞になっていた。仕方なく、お母さんが実家に行く時、何時も使う道まで引き返し、１０分遅れで到着した。あの大渋滞が無ければ１０分早く着いた筈だ。しかし、おじさんの賭けは大方外れる。それに懲りずに今日も賭けてみた。お母さんは買い物を終わったら直ぐ回り道し、何時もの田舎道を走るものと思っていたらしい。二人とも考え方に進歩が無いが、勝敗数で言えば、おじさんの方が大分負が込んでいるのかもしれない。