やられました・・・
こんな痛い思いをしたのは…って、一月おきくらいに書いてるような気がしますが(T_T)、なんで私ばっかりこんな目に…。でもいいのよ、Hopeちゃんが痛い目に遭うよりは。ええ、大丈夫ですとも。おばーちゃん強いから。
太腿の内側にできた腫れ物を
切開されても泣かなかったよ。
以下、いつものように痛い話が苦手な方は
ポチッとしていただいてまた明日~。さて…
先日、何やら腫れ物ができて痛いがバレエのレッスンはもっと痛いので大丈夫、と理屈の通るような通らないような甘い見通しを立てていましたが、これがやっぱり痛いのです。まず、硬い素材のパンツ(下着じゃなくてね)がはけない。かといってスカートじゃ寒い。で、毎日ジャージみたいな服装でダラダラしていたんですが一向に引く気配なし。
仕方がないので火曜日に病院の予約を取って、これまた「後でかけ直す」だの「もうちょっと待って」だのいろいろあった挙げ句、木曜日(今日)の予約が取れまして。
恐る恐る出かけていったのです。もしかしたら、切開かなー、とは思ったけど、今までの経験から、きっとこれでまた病院に紹介状を書かれて改めて専門医を訪ねて…ってなるのだと思ってました。
ところがいつものように受付をして、熱や血圧を測った後、妙に通りが良いんですよ。「あ、腿の内側に何かできたのよね」なんて。こんなふうに一発で連絡がうまくいくことなんて滅多にないからヘンだなあ、と思っていたら、なんと今、かかりつけのそのプラクティス(開業医)にはMedical Student(医学実習生)が来ていたんです。やけに手回しが良いのは私が絶好の練習台だったから(爆)。
個室に入ってナースにいろいろ聞かれ、患部を見せると
「これはまさしくboil(できもの、はれもの)だわ!」と嬉しそうなのがいやでも伝わってくるし。で、「今、学生がいるのだけど、今日はドクターと一緒に学生に診察してもらっても構わないかしら。もちろんあなた次第(It's up to you!)だけど。」一応確認、女性の学生ですか?今日はせっかくいつものドクターではなく女医さんにかかることにしてあるので、できれば学生さんも女性ならいいなあ。「女性ですよ。」とのことで、はいはい、良いですよ。医学生のために貴重な練習台になりましょうぞ。
ナースは張り切って準備に取りかかりました。
・・・え?準備?まさか・・・何の準備?
こういう小さい診療所(プラクティス)にしろ、比較的大きな病院にしろ、診察室はすべて個室なのですが、日本の病院のような、よく言えば機能的、悪く言えば冷たい診療室ではなくて、普通の小さな部屋なのです。ドラマ「フレンズ」なんかでも、よくホテルの部屋みたいなところで出産(!)したりしてますよね。あんな感じ。
普通家庭のキッチンと同じく扉付きの棚と流しがあるのですが、その中から注射器やら鉗子やらいろんなものが出てくるので、なんだか不思議です。日本の病院のように細かい引き出しがガーッとワゴンに並んでいたりした方が取り出しやすいのは確かだと思うんですが、やはり見た目の安心感重視なのかなあ。それとも単にコストの問題?よくわかりません。まあ場所は余っているし、あまり機能的に詰め込む必要もないんでしょう。
とにかく、ナースは大きなガーゼやら消毒液やら、ゴム手袋やら、ピンセットやら、そういったものを何やらマニュアルと首っ引きで一つ一つ取り出してカウンターの上に並べ始めました。ま、ま、ま、まさか…
思わず「it makes me nervous.」と言うと「わかるわー、でもたぶん必要だと思うのよね~」とのおこたえ。えっ!心の準備ができてないんですけどっ!まさか今日、ここで切開とかしちゃうわけ!?にわかにドキドキしても、既に下半身は下着だけ残して紙でできた医療用ガウンを着せられている私、まな板の鯉であります。
逃げられません。
しばらく待たされた後にドクターと学生さんが入ってきて自己紹介。若い!一見、ブーと同い年と言われても違和感がないくらい。でももちろんハキハキとして優しそうでとても良い感じ。
思った通り、もう話は通っているようで、すぐにドクターが学生さんに切開の説明を始めました(涙)。
「ここを触ってみて、ホラ、フラクチャラントな場所があるでしょう。ここに
刺すんです。」
ひゃあ!怖ろしいことを聞いてしまった。でもわからない単語があったなー、ふらくちゅらんと?と気を紛らわすために辞書を引こうとしていたらドクターが「何か質問ある?」と聞いてくれたので、今の単語がわからなかったと言ったら口でスペルアウトしてくれました。f-l-u-c-t-u-r-a-n-tこの単語自体は私の辞書には載っていなかったのですが、fluctuationとかfluctuateがありました。意味は「(相場・熱・意見などが)変動する。語源はラテン語で”波のように動く”」
つまり、この腫れ物の中に触るとゆらゆら動く、ようするに口のような場所があるわけですね。そこを刺して開く、と(泣)。「やっぱり今、切るんですね~。」と情けない声を出す私。「そうねえ。切らないとだんだん大きくなってそのうち破裂するから、もっとひどいことになるし。」ひぃ~、怖いよー。
診察台に寝ていたので患部が見えないのが良いような悪いような。想像力をたくましくしてしまうので余計怖いような気もします。こうなったらもう覚悟を決めるしかない。けど、麻酔は?と訊く前にドクターが小さな青い瓶をシュッシュッと振りながら見せてくれました。名前も聞いたのだけど忘れちゃった。とにかく強烈に冷やす薬品。もちろん患部を凍らせて取るヤツではなくて、痛みをある程度麻痺させるものだそうで。ってことは麻酔はナシね。
シューッとその液体がかかると、わりと広範囲なので驚きました。そして冷たい!と思ったのは最初の一瞬で、次は痛い痛い痛い!考えてみれば氷だって皮膚に当てていればすぐに痛くなるじゃないですか。痛いですよ。ドクターが「フロスト(霜)で覆われるまでしっかり噴霧して」と指示してます。うわー、つまり今私の
脚に霜が降りてる状態なわけね、それは痛いです。
おもわず
「あ”~」と声を押し殺していると、「じゃ刺して。」とドクターの声。実際の作業(?)は全て学生さんが進めます。何か刺さった、と同時に、鋭い
痛みが来ました。ぐぐぐぐぐーっ!これは痛い!痛すぎる!いやー、やっぱりバレエで痛いのとは違うなあ。これは耐えられないぞー。どうしよう。なんとか平静を保とうとしつつも…とても無理でした。私はスパイにはなれません。拷問されたらなんでも喋っちゃうよ。切られたあとに膿を絞り出されるのがまた痛い!「いだ~~~~」←思わず日本語
その上!その上ですよ!もう目が裏返りそうになっている私にドクターが言うのです。
「土曜日にまた来てくれる?ウィックを取るから。」
掴まるところもないので両手で辞書を握りしめていたのが役に立ちました。「ウィックって?」「w-i-c-k」またドクターがスペルアウト。何でもいいから少しでも気の紛れることをしていたかったので辞書のキーを叩くのも嬉しいくらい。wick-「ロウソク[ランプ]の芯」だって。
・・・え”?
まままま、まさか…。そのまさかでした。切開した傷口にガーゼを入れるって。うぅぅ。「これよ。」ってもう見せてくれなくて良いですから。大きいじゃないですかっ!そんなの入れるんですか!?「傷口を開けておいて膿を吸い取らせなくてはいけないから。」だって。思わず「あとどれくらいかかるんですかー(痛いのが)」と訊いてしまったですよ。「うーん、もうほとんど終わってるわよ、あとはこのガーゼを入れるだけだから。」いかにも痛そうでしょ?痛そうでしょ?
ええ、もちろん痛かったですとも。その、「ガーゼを入れる
だけ」の所で、たぶん私の歯の寿命は何年か縮まったんじゃないかと思うくらい歯を食いしばってしまいましたとも。それが一番痛かったですから。もう陣痛の痛みとか思い出して、ヒッヒッフーとかリラックスとかしてみたけど
全然効きませんでした。
ともあれ、なんとか処置は終わり、ついでに止まらない咳も見てもらって(肺の音は綺麗だけどsinusが炎症を起こしているみたいだからそれが喉を刺激して咳が出るのでしょう、とのこと)、今日の処置とsinusの両方のために抗生物質(cipro)が処方されました。薬局へは診察室のPCからオンラインで処方箋が送られます。私はただ薬局へ行って名前を言うだけ。便利なんだけど毎回ちょっと不安です。今までのところトラブルはありません。
そのPCの入力も今日は学生さんの実習だったので、その間ドクターと世間話をしました。私の英語を褒めてくれて(お約束ですが、英語を褒められているうちは一人前じゃないってことです(笑))いきなり、「Memoirs of Geishaを観た?」だって。
いや、観てないんです。原作は途中まで読んだけど、と言うと「あの映画って日本人から見てどうなの?」と言うので、「日本人の間ではあまり評判が良くないみたいです。あまり正しい描写がされていなかったらしくて。」と言うとちょっとガッカリしてました。そして更に私が、「あの映画を演じた女優は中国人だし…」と言うと、「ゲイシャはどちらかというと中国よりも日本の方が本場なのよね?」と言うではないですか。「ゲイシャは日本だけです。」とちょっと語気を強めてしまいましたわよ、ワタクシ。ええ、ゲイシャのことなんて実は何も知らないんですけども。
尤も、アメリカ人の中には日本を中国の一部だと信じている人がずいぶんいるようだし、このドクターはちゃんと認識してくれているだけ良い方です。それにあの映画を見て日本にすごく興味を持ったそうです。ちょっと複雑だけど…まあ良いこと、かな。
さて、治療は終わったものの、まだじんじんと痛いし、土曜日にはまたこの「ロウソクの芯」を抜かなくてはいけないんですね。あーやだやだ!
もしこういうのがまた出来そうになったら、ほんの小さな兆候のうちにドクターに電話すれば、早めの抗生物質で叩いて大きくならないようにできるんだそうです。次回(ないといいけど)役に立ちますように。
さすがに診察室の写真は撮れなかったので今日のお薬など。
薬の瓶は子どもの誤飲防止のために、押してひねらないと開かないようになっています。
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