馬の足跡 -あしあとー  

K ~競馬やスポーツについて好きなこと書いてる日記・覚え書き~

B2

2010年03月03日 | ここだけの話
B2(あだ名)



悪友B2、新宿で飲み屋を共同経営していたことがある。
ロックバンドU2でなければ、B郎(前出)でもない。
金持ちだが、ケチだ。
ケチだから、金持ちなのかもしれない。
ケチ男で、フェチ男だ。
そして、NO.1のネタ男なのである。





B2 車を購入のはなし


その当時、従業員に”スナイパー”と呼ばれる男がいた。
ブルース・ウィリス似の日本人だ。
スナイパーの先輩が、外車のディーラーだかなんだかで、
B2、その先輩んとこで車を買うことに。

B2は、ベンツのAMGだかなんだかを買うと朝から大張りきりだ!
一方、スナイパーは朝まで、酒飲んで(仕事)でフラフラ。
元気なB2は、”しっかりしろ、スナイパー、行くぞ!!”
と、無理やりに連れて行った。
(その店は横浜のはずれにある、鬼や…)

スナイパー(以後S)は、先輩に自分とこの社長なんで頼みます
と、あいさつを済ませ休もうとした。
しかし、B2”なに寝ようとしてんねん、いっしょに見ようや”
結局、展示してある車を見ることに。
”お前の先輩、安くしてくれるんやろな”

紹介くらい、電話でできるやろと思っていたがこんなことに。
電車で車屋に向かう際、しつこく繰り返す”負けさせろよ”
”わかってるんやろな”という言葉に寝かせてもらえなかった。
これは、ヤバいと思っていた。

だが、あっさりと車は決まった。
みんなに、言い張っていたベンツSLに。
ここからが問題。

金額の交渉。

車屋”値引きさせてもらって、これでどうですか”(電卓を見せる)
B2”そんだけしか、負からんのですか”
  ”キャッシュで払いますんで”
車屋”Sの知り合いなんで、じゃあ一杯一杯これで”(電卓)
B2”ん~、あと一声”(Sの足を踏む)
S ”来る前から、値引きのことは言ってますよ、これ以上は無理でしょ”

B2”なんでやねん、キャッシュやぞ!俺、キャッシュの客やねんぞ!”
車屋”あの…別にローンでもいいんですけど……”、
B2”いや、ローンは通らんと思う…、キャッシュで…”
車屋”はあ…、わかりました、儲けなしでこれで…”
B2”キャッシュでもですか?”
車屋”はい…、キャッシュでも…”
S ”もう買いましょうよ、他で買うより全然安いですよ!”
B2”あほ~、キャッシュやぞ!”

Sは、もう限界… 眠い…
2人のやり取りも、だんだん遠くへ…
100度目のキャッシュの声を聞いたころにSは,眠りに落ちた。
車屋のショールームで爆睡してしまったのだ。

数時間後、Sが起きるとB2も寝ていた。
が、B2は目を開き、”行こうか”っと言った。

S ”どうなったんですか?買ったんですか?”
B2”買ったよ”
S ”いくらで?”
B2”なんぼでもええやろ! 寝てたくせに!”

帰り際に、先輩に”ありがとうございます”と言うと、
先輩に呼ばれ、耳元で言われた。
”あの男、二度と連れてこないでくれ!頼む!!”

先輩にお客を紹介、上司に車屋を紹介、そして両者から喜ばれる。
その図式は、脆くも崩れ去った。
Sは、思う(B2、一体どんだけ負けさせたんやろ)
     (まぁ、いい、安くなってB2は喜んでるはず)
     (納車されたら、ドライブにでも連れて行ってもらおう)

新宿行の電車に乗り、2人眠った。
新宿到着、ここで別方向に別れる。
Sは、思う(遅くまでありがとうって言われる)
     (車屋、紹介してくれてありがとうって言われる)
     (メシ食って帰るかって言われたら、まだ眠いが御馳走になろう)

思い出したかのように、B2は言った。
”それはそうと、お前の先輩の店、高いねん、キャッシュやぞ!!”
Sの頭の中を、パチンコ海物語でいう”キャッシュ群”が、右から左に走る。!!

そして、B2
去り際に、一言!!
”俺のAMG、お前だけは絶対に乗せへんからな!!!”



次回、B2のはなし part2
   ”早朝ミーティング”

弁当が2つ

2010年02月22日 | ここだけの話
俺の親友 B郎。
今では、長い長い付き合い。
気の置けない飲み仲間の1人。
そしてネタの宝庫。
なつかしい話を1つ。




弁当が2つ



その時、月曜の早朝、俺は眠りの中。
眠りの中での、大きな揺れ。
誰かが起してる? そんなわけないわな。
この部屋には俺だけ。

そして、もう1度大きな揺れ。
ただ事じゃないと、目覚めた!


阪神大震災だ。


普段の明け方(水商売時間)なら、家で寝ていることもなかった。
がんがん飲んでいい感じだったことだろう。
でも日曜明けの月曜の朝、俺は熟睡していたなぁ。

テレビのニュースは大変なことになってる。
あとで知ったが、電話や携帯も繋がらなかったらしい。

その当時、B郎は俺ん家に居候していた。
が、彼女と遊ぶとかで外出していた。

”ピンポーン”
インターフォンが鳴る。
モニターを見るとB郎がいる。
”開けるわな”
帰ってきた。

俺 ”外、大変なことになってるんと違う?”
B郎”ヤバい、ヤバい、女だけタクシーに乗せたっきり
   タクシーも捕まらんかった。
   キタから家(島之内)まで歩いてきた。
   銀行の強化ガラスなんかが割れてたりスゴイことに
   なってる”
延々と、しゃべり倒した。
俺 ”ニュースでもそんなこと言ってたわ”
B郎”とにかく大惨事やわ
   コンビニにも人が殺到しててパニック状態や”

俺 ”そっか、そりゃそうやな
   みんな買い出ししてるわなぁ
   俺らも買い出しに行こう!”
B郎”そうくると思って買ってきた(笑顔)”
俺 ”お~、やるやん(笑顔)”
(なんちゅう、ええ奴やねん)



B郎が、コンビニ袋から出したものを机の上に並べた。
 お茶が1本(2ℓ)に弁当が2つ!!
どんだけ~~!! じゃなくて、こんだけ??
(緊急事態やのに!!)


そして弁当は、”ビックカツ弁当(大盛)”と”幕の内弁当”
幕の内のほうは、かなり小さい女の子サイズだ!
(なんでやねん!)
俺は、小食なほうだが、その時は思った。
(非常事態に、備えてスタミナ補給せなアカン、絶対にビックカツや!!)


B郎”どっちでも好きな方選んでや!”
弁当を1つずつ持った手を俺に差しだした。


(あ~~、コイツ、どっかでなんか食ってきたんやな)

俺は、迷うことなく、”ありがとう”
と言い、ビックカツ弁当のほうを選び取ろうとした。

だが、”ん?”
B郎の手に、むちゃくちゃ力が入っている。
”ん~?”
もう1度、
やっぱりB郎の手には、取られてたまるか!という強い力が。

そういうことか……
俺は、幕の内(小)のほうに手をやった。
すっと幕の内(極小)は俺のほうに……
(やっぱり……)

最初から、言えよ…
俺は、もう1度言った。
”ありがとう”と。

B郎も言った。
小さな声で、
”まずは、腹ごしらえをしよう”と。


こんな話。


B郎、いつもありがとね。
毎度、癒されてます。
今度飲む時も、いいネタよろしく!
生涯の友よ!!


ナルシストN 三ッ寺に眠る…

2010年02月17日 | ここだけの話
夜の仕事(水商売)は、人気商売。
だから当然モテる奴は、むちゃくちゃモテる。
だがモテるということは、恨まれることとも
常に背中合わせなのだ。




ナルシストN 三ッ寺に眠る ~1996~



今も飲み仲間、ナルシストN(元ホスト)の話。
Nは、モテるモテないでいえば断然モテる方。
(残念ながら今では、メシ&酒でブクブクと当時の面影はない)
口数は少ないが、王子様系の顔をしていてお店の売れっ子だった。

ホストの店って真夜中オープンの朝8時くらいまでってのが
その当時の主流だった(今は昼ごろまでやってるみたい)
店にもよるだろうが、俺んとこの店ではこんなかんじだった
店終わります → お客さん帰ります → 片付け洗い物します
でミーティングして終わり、従業員解散のパターン。
すぐ帰る者あり、食事に行く者あり、店で寝ていく者ありetc…

その日は、従業員揃って出て”みんなでメシ行こう”なんて
言いながらミナミの三ッ寺筋を歩いていた。
朝の、ミナミ(三ッ寺筋)なんてノロノロ運転のタクシーが
走ってるくらいで静かなもんだ。

そこに向こうから走ってくる人影が見える。
距離ににして、30メートルあるかなしか。
先頭を歩いている俺は、残念ながら目が悪い。
だが朝の三ッ寺を走ってる人を、俺はあまり見たことがない。

なんか怖っ…

近づいてくるうちにわかった。
Nのお客さんのHちゃんだ。
思うもつかの間、俺の横をすれ違っていった。
すれ違ったとき、俺のジャケットは微かになびいた。

そのあと、すぐに聞こえた音。
 ”バッッシーー”

えっ…?
後ろを振り向くとHちゃん、さらに御堂筋方面に向かって走っている。


もう一度、
えっ…?

何が起こったか分からない。
その場にいた者、全員が呆然としているのだ。


ただ気付いた。Nが倒れている!!
まさか、殴られたのか?

みんなが我に返り倒れているNに声を掛ける。
”大丈夫か!!”
”おい、N!!”
”大丈夫ですか”
数十秒は、倒れていただろうか。

Nが、目を開いた。そして静かに言った。
”大丈夫や”
殴られたんか?
”とにかく大丈夫やから”
Nは、みんなと行くはずだったメシを断り帰った。

Nの後ろを歩いてた者は、見ていたはずだ。
俺は、聞いた。
”思いっきりラリアットされました”

殴られるのもキツいが、まさかのラリアットって……
数秒の沈黙のあと、一同大爆笑!!
Nよりも後ろを歩いていた者は、笑いを堪えるのに必死だったらしい。
Nさん早く帰ってくれ、話したくて仕方がないと。

そうだ!Nは、自他共に認めるナルシストだったんだ!!
そんなナルシストな男が、
格好悪い姿をみんなに見せるわけにはいかなかったのだ。



この話、今でも飲むときの酒の肴になっている。

タイトルは、
 ”三ッ寺ラリアット” だ!!

今では話に色が付いて、Hちゃんは、腕にガッシガシにテーピングしてたとか、
Nは、バシッと決まるようにラリアットが決まる瞬間、アゴを少し上げたとか、
Nは、カウントを数えるとサイドロープ(どこにあったん?)に足を掛けたとかetc…。
アホな話やなぁ。


そのHちゃん今はどうしているのだろう?
結婚してたり子供いてたりするんだろうね。
でも残念ながら俺には、どうしてもHちゃんの顔が思い出せない。

俺は、たまにその時のことを思い出す。
でもHちゃんの部分だけが、どうしても故テリーゴディなのだ!
元プロレスラーの”人間魚雷”と恐れられたテリーゴディ!!

せめて長州力にしてほしい。
おしまい。



源氏名

2010年02月13日 | ここだけの話
源氏名=偽名・芸名


水商売(ホスト・ホステス)するときには、
ほとんどの人が源氏名を使う。
芸能人とか、宝塚歌劇団の人みたいに。

飲み屋の子が、名刺の名前が本名やなんて言うのは大概ウソ!
何でかって、なんかあった時に逃げられへんから。
借金取りとか、だました男とか女とか…

最近、生まれてくる子供たちは、
自分の親によって、スゴイ名前付けられたりしてるね。
まるで飲み屋の源氏名のような。

俺の周りにもいるなぁ。
シュッとした子に、育てばいいけど
どうだかなぁ、なんていらぬ心配してしまうこともある。
いらん世話やね。







店(ホスト風の小さい店)やってた時の話



テルって従業員がいた。
店長が面接して採用したのだが、
履歴書の写真が”ねずみ男”にソックリなのだ。
明日から出勤するらしい。

俺 「大丈夫なん?」
店長「やる気がありそうなんで採用してみた」

テレビ・マスコミが水商売を美化したりするが、
そんなに良いばっかりでもない。

従業員の採用基準もあいまいだ。
顔が良い・スタイルが良い・面白い・やる気がある
酒が強い、知り合いが多い等々 
どれか1つあれば多分採用!
2つもあれば、即採用!! 今日からでも働いて!のノリ。
(入れ替わりが激しく、慢性の人手不足なのだ)


次の日、テルが来た。
店の名前を決める。
テル「テルでいいです」
俺 「テルといえばGLAYのテルのイメージやん、
   違う名前にしたら?」
テル「本名がテル○○なんでテルがいいです」
履歴書見たら、名前 ○○ テル○○って書いてあった。

俺 「そっか、わかった。テルでいこう」
そんなやりとりがあり、そいつは源氏名テルになった。

成績は思った通りというか、いやそれ以上に良くなかった。
店長にアピールしたやる気もなっかった。
そして、約3カ月後、テルは飛んだ。

よくあることだから特に驚かない。
だが困ったことに、テルは従業員Aから金を借りていた。
金を借りたまま飛べば、当たり前に貸した側は怒る。

そういう場合、借りたほうはだいたい雲隠れするのだが、
テルは違った! 近くにいるらしいのだ!!
ある従業員が言った。
B 「テルが近くの店(同業)で働いてるらしい」
Aも、俺も
  「ウソやろ?」ってなったが、
B 「間違いないみたい…」

ほんの少し付き合いのあった店だったが、
間違ってるかもしれないし言いにくい。
だが行ってみるしかないだろう。
俺 「行ってみよう」

その店に行き、代表者を呼んだ。
客でもないんだから立ち話をする。
代表者「なにか?」
俺  「テル、○○テル○○って子がこの店で
    働いてるとと聞いたんだが…」
代表者「そんな従業員いないんですけど」
俺  「ほんまに?絶対に店に迷惑かけへんし」
A  「俺、金貸してるんで返してほしいいんです」
    ・
    ・ 
代表者「金か…、どんなかんじの子?」
A・俺「ねずみ男みたいな」
代表者「う~ん、うちの店じゃないと思うんやけど…」
    ・
    ・
  (2・3分経過)

そんなこんなしてる時、エレベーターが開き人が降りてきた。
両手一杯に買い物袋(買い出し=新人の仕事)を持ったテルだ!!
A  「テル!」
俺  「やっぱりここで働いてるんやな…」
テル 「………」
A  「お前、金返せ!」
テルは、下を向いている。

俺は、代表者のほうを振り帰った。
代表者「ハイド… …」
俺  「ハイド?」

代表者「こいつハイドですよ…」
俺  「………」


代表者と俺は、顔を見合わせ少し笑った。
(グレイの次は、ラルクアンシエルかい!!)

そして、
俺  「喫茶店で話するから、テル借りるね」
代表者「どうぞどうぞ、ハイドですけど(笑)」

そこの店の履歴書には、名前 ○○ハイドって書いたのだろう。
テル○○ならまだしも、ハイドって!

そんなわけで、その後一件落着したって話。

その後のことは知らないテルだけど
今もどこかの店で頑張っていてほしい。
今なら、坊主頭に横ソリ入れてアツシと名乗っててくれ!

そう、 エグザイルのアツシだ!!