病院
先日、息子がちょっとした検査の為に小児総合病院に入院することになり、付き添いとして一緒に病院で数日過ごす機会がありました。今回は、その時の感想をちょっとだけ。
イタリアは日本と違って基本的に医療費は無料です。入院した場合も同じく、検査代、ベッド代、食事代も含めて全て無料です。今回入院した病院では、ベッドも空きがあったので、息子の隣の普通ベッドで寝ることが出来ました。食事は、病院食なので大して美味しくはなかったですが、そんなにひどくもなかったです。日本では通常、入院患者のみに食事が出ると思うのですが(病院によって違うかも知れませんが)イタリアではきちんと二人分でました。朝は、ミルクもしくはカフェラッテ、それにビスケット、パン、フルーツといたってシンプル。昼食は、パスタ、それにメインがお肉や魚のソテー、オムレツ、サラダ等。夕食は昼食より軽めで、パスタにチーズやハムや温野菜など。毎回パンとオレンジ&りんごがついてきました。でも日本のようにきれいにカットされたフルーツではなく、丸ごとです。食器は全て使い捨てのプラスチック皿が使われてました。お皿を片付ける手間が省ける(食事のあとゴミ箱に残り物も一緒に捨てるだけです)のと皿洗いをしなくて済むからなのか?理由は不明ですが、毎回すごい量のプラスチックごみがでているのは確かです。ちなみにイタリアでは使い捨てプラスチック皿はリサイクルできないものになっています。
医療費はタダですが、家から持ち込むものは多いです。例えば、トイレにはトイレットペーパーもソープも常備されていません。全部自前です。部屋にはテレビもないのでTVを見たい人は持ってきて取り付けてました。飲み物のカップや食事用のフォーク、スプーン、ナイフ等も持ち込み。それから日本のように就寝時間は決まっていませんでした。個々が寝たい時間にベッドの明かりを消して寝るといった感じです。それはいいんですが、初日の夜、みんな寝静まった夜中に廊下で話してる看護士たちの声が異常にうるさくて気になりました、、、。(あー、やっぱりこういうところがイタリアですね)
今回は検査するために入院したのですが、終わってみてから「何も入院する必要はなかったのではないか?」という疑問が残りました。ひとつの検査にかかった時間は長くみても1時間以内。1日に1回しか検査をしなかったので、それ以外は1日中他にすることもなく、かなり時間を持て余しました。入院中に一度、ピエロを装った不思議なおじさんが来て風船で犬や花を子ども達に作ってくれました。他の日には、ちょっとした楽しいお話をしてくれる小母さんが来たりもしました。子供の病院なので、それなりに子供たちを退屈させないよう多少工夫はされていたと思います。
検査をする前に担当医の先生に会う予約をとるのですが、予約が一杯で1ヶ月先も空いてないと電話で言われたので、私費扱いにして予約をとりました(私費扱いにすると予約日程を早めることが出来るが、支払いが生じる)。面白かったのが、担当医の先生が、初診が終わった時に「病院の支払い窓口に行って支払うと120ユーロですが、領収書が必要ないのなら50ユーロをここで支払ってくれればOKですよ」と言ったので、50ユーロを直接その場で払いました。イタリアらしいなぁって思いました。なんか変な時に融通が利くというか(私にとっては領収書なしで50ユーロの方が有り難かったので)、これはお医者さんのポケットに直行するのか?という怪しさ。。。日本でも小規模の病院や歯科医では、こういうこと内緒でしてくれたりしますけどね!
ヨーロッパは医療費無料って普通らしいけど、健康保険料は徴収されるの?病院とか医者の報酬はどこからでるの。税金が充てられているのかね。
予約すると120ユーロっていうのも随分高いね。でも先生に直接支払えば安くなるっていうのも黒い世界ですね。
病院の財源は税金なので、医者の報酬も税金から、ということは医者は公務員です。日本は医師不足って言われているけど、イタリアは逆に医師過剰という問題があるらしい。医大を卒業しても医師としてのポストがないっていうことだね。
医療費無料っていうと聞こえはいいけど、正直なところ病気になった場合は不安が多い。なんせ生命に関わらない場合の手術等は待ち時間が数ヶ月というのは当たり前らしいから・・・
そうか、医者はみんな公務員なんだ。医療費無料っていうのも一長一短のようだね。
海外からの旅行者も公立病院に駆け込むことは出来るけど(治療費も無料らしいが)なんせイタリア語しか通じない病院がほとんどなので、みんな私立病院に直行するみたい。でも、海外旅行保険に加入していないと恐ろしい金額が請求されるので要注意!