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あなたまであと一歩 

すべての風景のそこに、あなたが居てほしい。
最愛の人との、とるにたらない日々の断片を綴ります。

have a nice life

2013-07-02 | あなたの心のある場所 私の居場所
雨の日には雨特有のにおいがあって、夏の夜にもやっぱりにおいがある。
夏が始まったころの夜は、昼間あんなにお日さまが照ってまぶしかったのに、どこかひんやりした感じもあるのはこの街特有のものか。

翌日のランチのロールサンド用のパンを調達しにコンビニに出かけた帰り、家の近くに出来たダイソーのピンク色の看板を見てウズウズする。
プチプラの小物入れとか可愛いチープグッズには心揺さぶられるけどヒロが嫌がるから我慢。
それは105円だから、とかそういうことじゃなくて、コチャコチャと小物を並べたりするより統一感を大事にしたいらしく。
ダイソーで統一するとか、って半ばやけ気味のジョークに真顔で返してくる。
あり得ないと言わんばかりだ。
こういうところの拘りをヒロは決して曲げない。

ちょっと油断してると、いつのまにか新しいお店が出来ていたりするから、そういう時に街も生きてるんだって思う。
やわらかい風が心地よくて、夜にブラブラする。
大きな白い犬を散歩させる女性や自転車の高校生とすれ違う夜。
この街の今頃の夜の匂いが好きだ。
少しだけ海のにおいも混じっているのは、港のある街だから?!
もう2本大きな通りを上がれば路面電車が走る通りに出る。
何年この街に暮らした?

課の後輩女性のIターン転勤を見送った。
2年9か月、彼女は初めての土地に転属する。
この街で育って、独り暮らしは初めてだと聞く。
小中高大学就職すべてこの街で過ごしてきて、新しい何かを掴めたらと彼女は言って空港の手荷物検査場の前で何度も会釈して頭を揺らして笑顔で入っていった。
3年後また戻ってくると約束して。


Mr.Children -Tomorrow never knows & HANABI ap bank fes 12 LIVE


去年はMちゃんを送り出した。
今年はYさん。
私も見知らぬこの地にやってきて今日も立っている、ただし辛うじて。




そんなに遅くなっただろうか。
夜の散歩を心配したヒロが迎えに来てくれた。

「何やってんの?」

遊び過ぎ?
心配した?

そう訊くと、するだろっ、何時だと思ってんだよって呆れ顔で言うから思わず声を出して笑う。
だってさ夏のいいにおいが始まったから簡単に家に入るのがもったいなくて。
結局もう1周マンションの周りを寄りそって腕を絡めて歩く。

内緒の話をおしえてあげると、ヒロはただ首を傾げて、一拍おいてからマジって訊いてきた。
ベランダに置いた大きなグレーのプランターで順調に育ってるんだよ、さつま芋。
プランターじゃ無理だろって笑うけど、そうとも限らない。
深いし大きいし、すでに根が長くなっている苗?だもの、いけるかもしれない。
パッションフルーツといい、今年の我が家のベランダは楽しみが多いのだ。

暫くしてヒロは、くすくす笑い始めた。
ちょっとバカにしてる、でも愛情もあるよねきっとその瞳の中に。
つないだ手を揺らすから、ヒロから溢れ出た愛情が勢いよく私に降ってくる気がした。
私の日常はたまに苦しいけど淡々と流れている。
少しがっかりするほどに。
7月になったな、ってヒロが当たり前のことを言うのを目を少し閉じて訊くと、今度こそ間違いなく愛が溢れてる気がした。
そんな世間話の挨拶代わりみたいなセリフにさえ癒されるんだもの。

ねえ、私はヒロに愛されてるよね?
俯き加減に小声で唱える。

「ええ?」
って訊き返すヒロに、ううん答えなくていい、って言って歩幅をヒロに合わせるように大きくする。

「なんでそんな当然のこと、訊くなよ。」
。。。なんだ聞えてたか。




私たちは細心の注意を払いながら、自分たち勝手に今日も暮らす。








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安らぎの色は何色だと思う?

2013-06-19 | あなたの心のある場所 私の居場所
冷蔵庫を開けるお風呂上りのヒロの背中にそっと近づいて、背中をおでこで、ちょんちょんっとする。
缶ビールとグラスを2つ持ってリビングに行くヒロを、ええっとぉって言いながら、やっぱり冷蔵庫でシャルルビアンサンごと冷やしていた蒸した野菜と鶏を持って追いかける。
それをテーブルに置いて乾杯する。
何をつけて食べるの?って訊かれて慌ててキッチンに戻る。
ジンジャーソース忘れた。

「いいねぇ。」

晩ごはんはバナナとヨーグルトって、ダイエットでもしてるつもり?

「(医局の)冷蔵庫に入ってたから。」

バナナも?

「いや。。。ヨーグルト。」

ふむ。
きっとそんなところだろうと思った。
そう言って胸を張る。

ヒロがもう1度グラスを掲げた。
だから、また乾杯。
ねぇ、何の乾杯?そう訊くと、お互いお疲れさんだろ、ってヒロが小さく微笑んでまたグラスを揚げた。

もう、何回すんのよ。
そう言っても、本当は嬉しくなってウキウキの声になってしまう。
今日もお疲れ様でした、先生。

「お疲れ様でした、課長。」

他人が見たら、単なるおバカさんな夫婦だろうけれど、ふたりきりだからいいんだもん。


「ところでさ。。。」



「ボーナス出たんだろ、そういう季節なんだな。」
羨ましいでしょ。


ヒロにボーナスはない。
年俸制なので貰ったことがないらしい。
ヒロは首を振って、それから半分嫌味な顔で、どうせバーゲン資金だろってお見通し。


いくつになったら物欲が消えるかな?

そう言うと、新しい洋服が欲しい、靴が欲しいって、そういう欲は有った方が健全だとキミと一緒にいるようになって思うようになったよ、度を越さなきゃさって悟りを開いたみたいな口調で言う。

お互いの表情に、その仕草に、ああ小っちゃな幸せを見つけたみたいに心は安らぎ、もっと大きな安心を得たような気がしてくる。
大切な時間をありがとう。
ねぇ、退屈じゃない時も欠伸って出るのね。
ヒロの笑顔に癒されて、そっと重ねてくれるその手が私のいろんなところを撫ぜてくれた。
私はどんどん癒されて眠りまで連れてきた。
ねぇ、こういうのって色で例えると何色かなあ。





Mr.Children「彩り」Mr.Children "HOME" TOUR 2007



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目指すはシンプル

2013-05-16 | あなたの心のある場所 私の居場所
ウチの課の優績が決まった、出来過ぎ。
強運の持ち主なのか、なんなのか。
6月には本社で表彰される。。。らしい、知ってるけど。
素直に喜べないのは、他人の目を気にしすぎてるからってわかってる。
強運の持ち主?
そんな、そんな。

連絡会で優績の報告、御礼は予定どおり。
ただし課の中はとんでもないカオスも抱えてて、もはや隠しきれない事態ですが。

業務飽和、長期欠勤者、たまに抑うつ状態になってしまう情緒不安定者を抱えて、新入社員2名は順調に育つの?
何より長たる人間が、頼りない。
長たる人間が私。
1人になると押しつぶされそうになって放心してしまう。


「嫌味言われた?」

本当のことだから、ってそう言うとヒロが悲しそうな顔をする。
ヒロの表情は、私の合わせ鏡。
ヒロの労いの視線だけが私を不安から解放してくれる、そんな単純だったらいいのに。

「支店長の野望は?」

考えたくもない、って言うとやっと笑った。
そこは笑うところじゃないんですけど。

じゃあ、取りあえずオレの隣でひっそり喜べよ、って頭を抱いてくれた。


喜ばないと罰が当たる、って思い直してみたり。
だって2,3月、私たちに優績を取らせたいって頑張ってくれた代理店さんがいて、勝ち取ったものだから。
まりんのマネージャー職昇進の贐にって、いっしょに優績を目指してくれた人たちが大勢いるんだから。
たとえ、全店の他の優績を取った課から比べればギリギリの平凡な成績でもウチの支店では、ウチの課だけがいただいたご褒美。

2012年度の13か月目と位置付けた4月は惨敗だったけど、今年度は前年優績がフラッグと言われない為にと自分でかけてるプレッシャーが重いけど、始まってるから勝たなきゃいけない、そういうこともわかってる。



いつも笑顔でやさしくて強い花になりたい。
MR. CHILDREN 花-Memento-Mori-




「いいか、絶対成れよ支店長に。」

なんで、ヒロまでそんなこと言うのよ。
そう言いながら私はヒロに包まれてる感覚をハッキリと感じてる。
いつ辞めてもいいんだよ、食うに困らないから、なんて言わないこと、それこそが私を全部受け止めてくれてることなんだ、ってわかってるから。
この人は、私の仕事がうまく行かないと私が心を粉々にしてしまうことを知ってるに違いない。

ねえ、いつか言っていたよね。
もし私がどこぞの田舎の支店長になって更に遠くに赴任することになったら、今の病院辞めて付いてきてくれるって。
今もその気持ち変わらない?

そう聞くと、もちろんって間髪入れずに答えてくれた。
だから、そっか安心したって返す。
けっしてそれを私が望んでるわけじゃない。
だけどそう思ってくれるその心意気が嬉しくて。


指も脚も心も絡める。
いろんなとこを絡めたい。

「イヤラシイな。」

そうだね。
だけど、そのくらいヒロにくっついてたい。


ヒロが思い立ったように突然私のほうに向き直ってから、新しいソファーを買おうよ、って言った。
ソファー?って訊く私に、大きくて座り心地がいいやつを買おうって、もう1度言った。

デ~ンって感じ?

「デ~ンって感じ。」

そのソファーで何をするの?って訊くと、ふたりで座るって。
たぶん、もっと広いヒロの隣の席を買ってくれるってこと、らしい。












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寄りそってるのか、平行線なのか

2013-05-14 | あなたの心のある場所 私の居場所
職場で“ベッドでまっぱ事件”を話す。
明らかにみんな引きながらも大いに笑う、笑うしかないだろう。
なんで目が覚めないと言われても、目が覚めないんだな、これが。

旦那さんきっと疲れ吹っ飛んだと思うよ、と言われ私も苦笑、やっぱりただ笑うしかない。
でも、正確には意識は多少戻ってたらしく、帰ってきたの?とかパンツ履くのメンドクサイとか言ってたらしく。
それもっと凄いかもって言われ、言われてみれば確かに、って思う。
当たり前に履かせてもらってる。
酔ってなくてただ眠いだけでそうなるのが凄いとも言われた。

私は寝相が悪くて寝返りもよくするらしいのですが、それも睡眠の深さに関係があるらしく。
子供だと成長ホルモンがたくさん分泌されるらしいのですが、さて私はどうなんだろう。



今朝はホットドッグを作ってみた。
ホットドッグ?ホットドック?

「どっちでもいいんじゃないの。」

そう言われればそうだけど、気になりだしたら気になる。
語源とか知ってたらおしえてよ。

「ダックスフントに似てるから。」

似てる?
長くて茶色ってこと?

「大事なとこに似てる。」

大事なとこ?げっ!
。。。今日のヒロのランチなのよ?

「気にしない。」

本当なの?
ダックスフントは、大事なとこも長いの?

「あっ、イヤラシイ。興味津々だな。」

あのね、本当にそういう語源なのかってこと!

「通説。ホントのところはわかんないんだろ誰にも。」

ふぅ~ん。
あっ、パンがね、ちょっと甘めできっと美味しいよ。

「女性が食べるほうが、どうだろうな。」

なんで蒸し返すのか、朝なのに。


ヒロは噛みあわない会話をして、私が首を傾げたり平行したり困ったりするのが好きらしい。







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bonyari

2013-04-25 | あなたの心のある場所 私の居場所
人事考課の季節。
ウチの会社は数値主義だけど、そこだけでは計り知れないものってある。
後ろめたいわけでもないけど、居場所が無くて会社の近くのサンマルクでチョコクロワッサンと籠る。

平日の店内。
気が付けば周りが興味深い。
アイスコーヒーを半分だけ飲んで、腕組みして長くは座りづらい、ましてや眠るのにも根気がいりそうな木の椅子で眠るひと。
隣の白髪頭の男性は、白いケータイ電話に比較的大きめのマスコットをいくつも付けていて、何度もケータイをポケットから出しては覗き込んでいる。
電卓を片手に真剣に何やら伝票らしきものを捲って計算している人。
私は何してるように見えるかなぁ。

大きな欠伸をしながら、ちっとも進んでないことに気づく。
人を評価するのって難しい。
何としてもいい評価をつけたいと思うとついには瞑想になる。
課のメンバーのひとりひとりの良いとこ知って欲しいんだよね。
数字なんて結果で、でもプロセスを大事にする評価をしたい。
私がそうされたかったから。

午後、会社に戻ってプロモーターから現状説明。
今年は、生保苦しいだろうな。
かなりみんなから絞り出してもらったから。



デスクがある6Fの窓から外を眺める。
ヒロはどうしてるかなぁ。
そんなことも考えてる。
ぼんやりしてしまう。



ポケットのスマホがメールの着信を知らせる。
ヒロからだ。
“これから、懇親会”って。




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寂しいって顔してるかな

2013-04-24 | あなたの心のある場所 私の居場所
マッサージ良かったみたい、すっかり足が軽くなった感じ。

朝、ベッドの中で起こされて膝曲げてごらんよ、って言われて答える。
私は脚の筋肉が衰えてるから浮腫むし辛くなる、らしい。

で、積極的休息を実践。
積極的休息って何?
ヒロが言ってたけど、聞きそびれたのでホントのところよくわからないけれど、軽い運動をして痛みを取るってことかと。。。何となく想像で思ってる。
今朝はマンションの周りをゆっくりと歩くことにした。
まあ、散歩。

朝ごはんはヒロが作ってくれるから、ゆっくり30分歩いてきた。
息が上がらないように気を付けて。
今朝はホットケーキ。
私はいつもどおりに、ふかふかだって喜んでる自分を演じてた。
喜ばなきゃ、いつもどおりにしなきゃ、って。
実際、ヒロの焼くホットケーキは、良く膨らんでてふかふかで、ちょうどよいキツネ色なんだけどね。



ただいま、って帰るとなんか変な感じ。
役目逆転?!

「どうだった?」


ぜんぜん痛くなかったし、大丈夫だった。
今朝はけっこう暖かくて、歩いていて気持ちが良かった。
ヒロも一緒のほうが、良かったかも。
なんとなくねって最後に付け加える、ヒロの表情を窺ってた。

そう言うと、じゃあ暫く毎日歩いたら?って言われた。
脚力つけて老化を遅らせる目的。



ヒロは今日から沖縄に学会出張、とうとう。。。
今から寂しい気がしてきたから、今日仕事を終えて帰宅したら、どんなにか寂しいだろう。
返事返さなくてもいいからメールしてもいい?って訊くと、すぐにいいよぉ~って言ってくれた。

今日は病院の駐車場まで送る。
短い距離だから、すぐに着いちゃう。

ヒロがいない間に、新しい車乗り回しちゃおうかな。

「いいよぉ。」

ダメだよ、って怒ると思ったのに、いいよだなんて。
今朝はいいよ、ばっかりだ。

会社の同僚とご飯食べに行くから。
そう言っても。

いいよ、以外に言うことないの?

そう言ったとき。
「メール待ってるよ。」

私が寂しいのわかってるから、今朝はやさしくしてくれてたんだ。
病院の裏手の駐車場の入り口付近で車を止める。
たまらなくなってヒロの左手に手を置く。
道行く人、車の横を歩いていく人が気になって、シートに押し付けるように手を繋ぐ、思わずため息が出る。
ヒロが自分の手を私の手の下から上に乗せ返して握り返してくれると、なんだか今生の別れみたいに切ないと思った。
二人っきりに慣れたからか、ひとりっきりになりたくない。
それからついでに、自分の意志としても、ひとりっきりに慣れたくない。



日曜日まで帰ってこないけど、言いたくない。
寂しいなんて言ったら終わりだ。
帰ってくるまで待っていられなくなる。



沖縄から帰ってきたら、いっしょに歩いて、朝から外ご飯して。

やっぱり。
「いいよぉ。」だった。

そのいいよぉ~が悲しくさせてるんだと思う。





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まだまだ甘ちゃん

2013-04-02 | あなたの心のある場所 私の居場所
日曜の夜、久々のプラネタリウム。
ドライブの帰り、何気に近くを通って入ってみることにしたんだけど、隣の天文台も一般開放されていて、たっぷり星空を満喫した。

大きな望遠鏡を覗きこむ少年の姿に、ヒロを重ねる。
私たちにもこのくらいの子どもがいてもおかしくなくて、もしいたら、こんなふうに星空を覗きこんで興奮した顔を見せるのだろうか、とか。
ヒロの子どもを持つことがかなわない私は、子どものヒロに出会うことが出来ない。
一瞬、思いが交錯して少しだけ寂しくて。

子どもの頃、夜の空は単一の黒に近い青だと思っていたけど、そんなことなくて、いろんな色が混ざり合ってたんだって思った。
だから夜空はどの空よりも神秘的。
赤だったり、黄色だったり、黒だったりが混ざってるのに、それなのにこの潔さは、どんな感情も受け入れてくれそうなほどの深さは、宇宙に繋がっているのだ、限りなく。

そして私の宇宙は、ヒロの宇宙に繋がっててほしい。
朝日が差し込む朝も、どうしようもなく落ち込む夜も、どこまでも突き抜けるような高い空のような晴れの心も、どんより低い雲に引かれていきそうになるそんな時も、その全部をヒロが抱え込んでくれなくてもいいけど、ちょっとだけ、その端っこが繋がってて欲しい。

プラネタリウムの宇宙を見上げながら、暗闇でそっと手を重ねる。
すごく大切なものが、人という輪郭の外側、その醸し出す雰囲気まですべてをひとまとめに隣にある。
ヒロとヒロが大切にしているすべてを私も大切にしたいと思う。


ヒロと居れば、それだけで心が満たされてく不思議。
面白い話をしてくれなくても、私の話を半分しか聞いてくれなくても、いざという時私の呼吸の乱れを感じ取って、そっと手を握ってくれれば、それでいい。
その手からヒロの心が伝わって、病みから必ず解き放ってくれる。
手当はヒロの得意分野だからね。



来週末、ゴルフの打ちっぱなしに私も付いていきたいと直訴する。
ヒロのイベントゴルフ。
付き合いでやる程度だからなかなか上達しないんだって。

ヒロとスポーツってなんか結びつかない。
知ってるのはスキーは、まあまあかな。
ボードはけっこう上手。
あと、時間を見つけると走ってるらしいこと。
それが朝だったら外、そうじゃない時は、リハビリ室のトレッドミルを独占してるらしいといつだったか、病院の誰かに聞いた。
でも、それくらいだ。
泳げないし、サッカーは見るけど詳しくない。
野球はまったく興味が無いらしい。
でも、それでもゴルフは連れ出されて仕方なく出かけてくことがある。
今回は、沖縄の学会の後に、どうしても断れないらしい。
で、打ちっぱなし。
みんなの迷惑にならない為にだって。


私もね、今年はゴルフ復活しようかなって思って。

「接待対策?」

う~ん、それもある。

「それ以外は?」

ヒロといっしょに打ちっぱなしに行きたいから。




ふたりの新しい時間を見つけられそう、共有しない?




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その唇を、うなじに感じながら…

2013-03-04 | あなたの心のある場所 私の居場所
土曜日。
宿直明け、言っていたとおり日曜の朝わりと早くに帰ってきた。
私にしては上出来のたまご丼を食べて、ソファーで温かいウーロン茶を飲んだ。

ゆうべは忙しかったのか、眠そうな目をしていて、ちょっと可愛そうになる。

先週の埋め合わせをしようと早く帰ってきてくれたのなら、気にしなくていいから、ゆっくりしてようよ。

大丈夫なんだよ、って言われても、そうじゃあ出かけましょ、とは言えないくらいやつれてさえ見える。
案の定、片づけをしているうちに、ソファーで眠り込んでしまってるし。

どうしていいかわからない。
どうしてあげるのがいいんだろう。
しばらく、じっとヒロの顔を見つめること、それくらいしか出来ないなんて。





結局、本日もインドアインベッド。
自分からセーターを脱ぎすてて、ブラジャーも外す。
手を引かれてベッドに。
私の胸に顔を埋めて合図。
疲れてるのは関係ないの?

ヒロのの温もり、その指先から感じてく。


ヒロの荒くなる吐息に気が遠くなるような気がした昼下がり。
誘われるままにヒロの洋服を脱がす。

昼間の明るい日差しの中で抱き合うと、ずっと昔、仕事を終わるヒロをホテルで待って、宿直明け、抱き合った日々を思い出す。
切なさも、同じ。



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あの頃の幸せと孤独

2013-02-28 | あなたの心のある場所 私の居場所
必ずしも忘れたわけじゃない。
それでも私たちの間でヒロの妻の話は、きっとどこかで避けている話題。
必ずしも正確にわかってるわけじゃない。
それでも私たちがいっしょに暮らす意味。


数年前、私たちは今住んでいるこの街に越してきた。
生まれ育った街からほど遠くない同じような港のある街。

大学時代を東京で過ごした私は、実家からそれほど遠くないこの街を訪ねたことはなかった。
旅行と言えば、ついつい遠出にばかり目が行き、以外に近い場所って行ったことなかったりするのは、私だけではきっとないだろう。


私たちは、病院側で用意してくれたマンションで今日も暮らす。
繁華街に意外に近く、もっと意外なことは病院がけっこうな繁華街にあるということ。
だけれどちょっと不便なのは、大型スーパーが遠い。日用品を買うにはちょっと不便。
それでも私は気にいっている。

昔はろくに家にも戻れず研究や仕事に没頭していたヒロも、少し余裕が出来たのか、予定が立てられるようになって、私たちはいろんなところを散策したり、当たり前の恋人同士のように楽しんだ。
記憶や思い出を共有できることが単純に嬉しかった。


ヒロは、病院の院長が引っ張ってくれてこの病院に勤めることになった。
本当は講座に戻って、自分の研究を続けたかっただろうに、今もあそこにヒロの居場所はないのだろうか。
ここ最近のことをいろいろ思えばそんなこともないことを私は少しずつ悟ってきた。

いつだったか、かつてヒロが大学院に居た頃の講師の人が、比較的若くして亡くなった際の葬儀に私もついて行ったことがあった。
通夜の席で、先輩に、おまえが勤務医とはな、って言われていたことがあった。
それから、おまえたちまだ続いていたんだな、とも。
ヒロは微塵もそんなものへの未練など知らない、聞いたこともないって顔をしていたけれど、きっと本当はそうではないのだろうと思う。
ヒロが部屋に居る時、片時も医学関係の英語の雑誌を傍から離さないのを知っているから。


私は両親に嘘をついてひとりで暮らしていると説明していたので、事あるごとに仕送りがあり、そのたびヒロは少しだけ悲しそうな顔をしていた。
そんなことも思い出しては、今となってはそれも懐かしい。
ただ、ちゃんと結婚した今も、母はいろいろと送りつけてくる。
何せ私なもので。。。
それはそれで今は嬉しくもある。

それから、週末ごとにケンカもよくしていた。
これは今も変わらないか。。。
小さなものが多かったけど、そんな時はふたりで居ても言いようもないくらい淋しくて。
いっしょにいるからこんなに悲しい思いをするのに、やっぱりいっしょに居たい。
ケンカをした後の孤独は一人で居る時の孤独より恐い。

書きだせば、思い起こせばいろいろ文章に出来ても、日々の生活はだいたいにおいて平凡に幸せに出来ている。

私はと言えば、以前にいた部署よりずっとのんびりした支社での勤務が最初物足りなくも感じたけど、すぐに慣れて、仕事もこの街に住むリズムも捕まえた。
そして、今この場所でリーダー職になれた。



いつか結婚する、あの頃はそう思っていた。

お盆やお正月に、別々に帰省して過ごさなければならないことは、ある意味現実に引き戻される瞬間だった。

仮初の家族は本当の家族のもとに秘密を抱えて帰っていく。
新しい年がきて、最初に顔を合わせる人がヒロじゃないということは、重大な問題だった。
朝目覚めたとき、どうしてもヒロに会いたくて切なかったよって言ったら、ふうん、とまんざらでもない声でそう言って、それから私の髪をぐしゃぐしゃに撫ぜたりする。

私にこんなに思われて嬉しいでしょ、っておどけてそう言うと、ヒロは、本に目を落としたまま、まあなと言ってその続きを言わないけれど、そっと私の指の間に指をすべり込ませて黙って握ってくれる。
これ以上はこれで勘弁して、とでも言うように。

いっしょに暮らし始めて思いがけない事件がおきても、いつだってヒロを信じてきた。
自分のことも信じてきた、乗り越えられると。
私たちの生活。
私とヒロの生活、その大切な日々。
幸せで、ちょっとだけ孤独。




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意外と・・・心が狭い

2013-02-20 | あなたの心のある場所 私の居場所
抄読会が中止になったのか、早めに終わったのか、どっちでもいいけど、とりあえず早く帰ってきてくれると嬉しくなる。
今夜のメインは焼き物、サバの味噌漬け。
もちろん漬けたのは私じゃなくて、私は焼いただけ。
ただ、ヒロは塩を振っただけのほうが好きらしい。

ご飯を食べながらニヤニヤするのは違反?

「気になる。」

ホントに私はヒロと一緒が好きなんだなぁって思うから、それを考えてるとニヤニヤしちゃうんだよね。



嬉しいからか、ほかにたいして話題もなかったからか忘れたけど、旧友との再会、ミスチルライブの件を話すと、どうやらそれが気分を害したらしく。


ねぇ、私ってどんな大学生だったと思う?
ちょっと唐突な私。

「ミス○○○だった。」

。。。だからそういうんじゃなくて、と言ってもしつこく繰り返すから、あれは今考えると汚点だから、と語尾を強めたくなる。

「だから、目立つの好きだったんだろ?」
ヒロからすれば、チャラチャラしてたふうに捉えてるんだろうけれど、それは誤解というものだ。

私は意外と堅実派というか、真面目だったんだから。

「知ってる。どうすればサークルに金が入るか、それが手っ取り早い方法だったんだろ。」
それはね、確かにサークルの活動費は潤ったけどね。


そして、自分は1度学部トップを取ってからは、それがプレッシャーになって、ひたすら勉強した日々だったとつまらなそうに言う。
苦痛、苦悩の日々だったと。
そういうの気にしないマイペースなひとだと思ってたけど違ってたんだ、今知ったと心の中でつぶやく。


でも、そのおかげで留学もできたじゃない。

「けど、まりんには振られた。」


だから、それは悪かったとは思うけど、何故今蒸し返すのか。
留学にいっしょに付いていかなかったことを、あとでどれだけ後悔したか、おしえたのに。
こんなに一緒に居たがりなの知ってるくせに。


つまりは、いっしょにじゃなく私だけがライブに行ったことが気に入らないらしい。


「4月までセトリばらすなよ。」

ばらしてないじゃない。


せっかく楽しくご飯食べてたのに結局ケンカになる、なんで?
朝は優しかったのにな。。。


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ともに過ごす日々を愛おしいと思えたら

2013-02-18 | あなたの心のある場所 私の居場所
結婚記念日って、祝うもの?
婚姻届を出したこととか挙式したことを忘れないためじゃなくて、寄り添って生きることを決めたその時の気持ちを思い出す日でありえるなら。
特別なイベントやプレゼントが無くたって、心が思い出せばそれでいい。

お義父さんやお義母さんの温もりが、ヒロと結婚したことを奇蹟に押し上げてくれる気がする。

見失わず大切なものを追いかけよう。

私はこの歳になってもダメダメな奥さんだけど、そこからステップアップする可能性はまだあるはず、私には十分伸び代あるはずって信じよう自分を。
おそらく私以外誰も信じないだろうから、せめて自分くらい信じよう。
なにせ、そばにはヒロが居てくれるもんね。

ヒロ、私にはまだあなたの愛情が届いていない余白があるよ。
そしてあなたの余白は全部私が埋められたらいいな、って思う。

風と星とメビウスの輪 - Mr.Children - STADIUM TOUR 2011 SENSE -in the field-


知ってるんだ。
お義祖母ちゃんは、私を呼べばヒロがついてくるって。
実家に寄りつかない親不孝者のヒロを来させる方法。
歩きたいなんて、少しでも辿り着くのを遅らせようって魂胆、見え見えすぎ!
違うよって言っても、私と歩きたかったって言い訳しても。

居間でお茶を飲んでいても、お義父さんが入ってきた途端、自分の部屋に行こうとする、相も変わらないヒロ。

お義父さんはきっとヒロと話したいって思ってると思うよ。
そう言っても、聴いているのかいないのか。
自分の実家が居心地悪い人って、そうそういないと思うんだけど、って言っても耳が受け付けてくれないみたいで、ああ、これは家に持ち帰ろうなどと本を手にして独り言を言って殻に閉じこもる男。

「べつにいいんだよ。」
「特別話すことない。お互い元気だって確認した。」

私の知らない次元で通じ合ってるってこと?



夕食の時、じつは、おととしの今日式をあげたんですよね、って控えめに言ってみた。

「わかってたわよぉ。だから二人でお祝いしなくていいんだろうかねって言ってたのよ。」


私は欲張りだから、家族で祝ってもらえたほうがいい、強がりでもなんでもなくて、素直にそう思う。


どうせ二人で居ても、3文字以上の言葉なかなか話してくれないんです。
そうか、とか、うん、とか、違うとか。
ちょっと大げさに言ってみる。

そしたら、お義祖母ちゃんが言ってくれた。
「たまには、愛してるって言ってやんなさい。アイラブユーってね。」

全員爆笑。
お義父さんも笑ってた、お義母さんもお義兄さんも、お霧兄さんの奥さんも。
姪っ子がアイラブユーって言ってみて、ってヒロにせがむ光景に、二人きりの家族は少しさびしいかもって思った。
だけどすべてを手にすることは出来ないから、それは仕方ない。

たぶん、ずっと二人きり家族だけど、それでもこれからもずっと、ずっとよろしくねって心の中で思う。



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いっしょに歩いてくれるだけでいいの

2013-02-17 | あなたの心のある場所 私の居場所
新幹線が眠りを誘うのか、単なる徹夜でおしゃべりを続けたツケがまわってきたのか、まるきり気を失ったかのように、誰かがそこだけを切り取って持っていったかのように完全に“ない”状態で、私は駅名を告げるアナウンスに飛び起きてホームに降りた。

さあ、ここから乗り換えて違う電車に乗る。
この次降りるときの笑顔を全身に感じたくて。
景色が変わってく、白に近づいてく。
窓の外を見ながら、やっぱり昨夜の余韻に浸りながら、ミスチルの『やわらかい風』が耳に心地よくて、また眠りそうになる。


ヒロはホームでちゃんと待っていてくれた。
その姿を確認して、ドアが開くのももどかしく走って駆け寄りたかったけど、荷物が重くて出来ず。
よっこいしょ、どっこいしょって感じでピギーバッグをホームにのせて、ガラガラと歩く。

お土産買いすぎちゃった。

「そうか。」

ん?どうだったって訊かないの?

「…どうだった?」

すごく良かった。

「そうか。」
拗ねてるのか、何なのか。

「4月はヒロと行ける。」


そう言っても、そうかってやっぱりそれだけ。
気をとり直して、しつこく話しかける…しかない。

実家に寄ってきた?

「まだ。」

ヒロが笑顔で待っててくれるって思うとドキドキした。
ヒロに会いたかった。

「よせよ。」
タクシーの中でそう言うと、ちょっと憮然とした顔で言うから本当に取りつく島がない。

ちょっと照れたでしょ。

「なんで。」

なんでって、こっちのセリフでなんで3文字以上言わないの?
そう言うと、言われて気づいたって顔でこっちを見るから、見つめ返す。
…笑った!

笑った…。


坂を登ったところで、ここでいいですとタクシーの運転手さんに言うから、今度は私が怪訝な顔をする番になった。

家の前まで行こうよ、荷物あるのに。

「歩こう、ちょっと歩きたいんだ。」

私の手からトートバッグを取って自分の右肩にかけてピギーバッグを引きながら、私の左手をもう一方の手で引いてくれた。
もっとくっつきたくて、手を離してヒロの肘に手をかける。

ねえ、会いたかった。
そうもう一度言う。
私のほうをじっと見て、無言で前に視線を戻して、を交互に繰り返しながら歩くから何度でも言ってみる。

ヒロの顔を見るのが待ち遠しかった。
会いたかった。

「わかったよ。」

会いたかった。


家につくまでずっと言い続けてた。

「そんな言われても、どうすればいいんだか…」

いいよぉ、ただ頷いてくれれば、もういい。
もう、なんでもいい。




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リアル

2013-02-06 | あなたの心のある場所 私の居場所
私が塞いだり凹んだりしていると気になって、なんとかしないとなぁって思うって、ヒロは私の背中に向かって言ってくれた。
意見が食い違って腹を立てても、強い言葉を自分で使っておいて、その言葉で私が傷ついたんじゃないかって心配になる。
そして、いろいろ不満もあるだろうけど、今のオレたちも悪くないだろ、ってやっぱり私の背中に話しかける。

怖くて振り向けなかった。
ヒロはどんな顔で言っているのだろう。


私はね、治験コーディネーターさんと仲良く話したって聞いただけでね嫉妬してる。

「仲良くしてるわけじゃないよ。」

わかったけど、それでも嫉妬してしまうんだよね。



私だけが知っているヒロが、どんなにあっても満足できない。
もっともっと私のほうを見てくれたらって思ってる。
私はヒロの気持ちをちっとも気遣ってないよね。

仕事と仕事の合間にね、ヒロを思う時がある。
背が高くて痩せている男のひとのヒロにどこか似た後姿を見たり、ダボダボのワークパンツでウロウロしているひとを見ると、このひとも脚が細すぎてカッコ悪いからと細身のパンツを履かないのだろうか、とか。
素敵なスーツ姿の男のひとを見かけると、ヒロにもああいうYシャツを選んであげたいとか。
おしゃれなレストランみたいな素敵な盛り付けで美味しいご飯を食卓に並べて驚かせたいとか。
なんて言ったら、今夜会ったらなんて言おうかとか…。
こんなに溢れてくるのは、きっとヒロを愛してやまないからだ、とか。

そのどれも、ヒロがどう考えるのかとか受とるのか本当はどう思ってるのか、とか考えてない。
私はただ勝手に思って、勝手に想像して、会えばそういったものを両手に抱えて、ヒロに体当たりしてた。




だからね、すごいいろいろ反省した。
顧みたから、自分も周りも。







ヒロはバカだと思う。
トオルに嫉妬するなんて、私が治験コーディネーターさんに嫉妬するより悠に愚かだって気づいてた?

「トオルには、とっくに勝ってる自信がある。」


わかる、わかるその気持ち。
勝ってるって思いが不安にさせる。
負ける時もある、って知っているから。



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ホーム・スイート・ホーム

2012-11-09 | あなたの心のある場所 私の居場所

精神的肉体的に疲れた一泊二日の長い?出張を終えて帰宅。

ヒロはまだ帰ってきていなかった。

よかった。

ご飯作るのめんどくさいし、とにかく疲れた。



洋服を着たまま、ベッドでゴロゴロ。

来週も出張。

今度は研修だけど、今から2泊3日を長いと思ってる。

ヒロと離れ離れの2泊3日。

目を瞑ってただミスチルに身を任せる。


蘇生

ヒロが帰ってきたとき、ウトウトしていた。

ベッドに背を持たせるようにして。

その私に馬乗りになってヒロがキスをしてくれた。

両方のほっぺにも、鼻にも、唇にも。

何度も、何度も、ただいまって1回1回言いながら。

疲れたし不安だった、なぜだかわからないけど。

「そう?でも心配することはない。」

いろいろあるの。

「オレたちは、いつだってそうだろ。」

会いたかった。




笑顔を見せ合う、優しくし合う。


「おかえりは?」

あっ、そうだった。


おかえり、おかえりなさい。



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あなたと暮らす明日も、また次の明日も

2012-10-23 | あなたの心のある場所 私の居場所
ヒロがソファーで頭をほんの本当に小さく上下させながら居眠りをしていて、その姿をミルクティーを入れたマグカップを持ったまま暫く見ていた。
今日は疲れたのかな、疲れることがあったのかな。

今日は、ナゲットみたいなスプリを作った。
スプリは、イタリアのファーストフード?ミートソースとモッツアレラチーズ入りのサフランライスコロッケ。
形が揃うようになったな、ローマで食べたのとおんなじ味だって、凄く美味しいよって褒めてくれた。
ヒロはこのスプリとロゼワインでおなかを満たして、眠ってしまった。

明日も忙しいんだから、今日は早くベッドで寝ようよ、って声をかける。

ベッドで二言三言、話をする。

あのね、スプリを揚げながら思い出してた。
まるでおとぎ話のお姫様が住んでいるような尖った屋根のお城とか、四角くギザギザの塔とか、独特の槍のような形の松とか、いろいろ思い出してた、イタリア旅行のこと。
ちょうど去年の今頃でしょ?

「毎年行けるといいんだけどな、まりんは貧乏くじ引いたな。」

ん?

纏まった休暇が取りづらい仕事をしてるから?

そうね…ウチの社員も残業が多かったり、忙しくしてるけど、それでも連続休暇は取らないと組合もうるさいし、取るのが当たり前って認識は皆あるから、なんだかんだと毎年取ってる。

でもね、ある程度年次が進むと、結婚もしてるし、全国型は転勤族だから、連続休暇で帰省したり、そもそも子どもがいたりしたら、教育費とかかかるのを想定して、みんな結構倹約してるから、毎年海外なんて行かないよ。




いつのまにかヒロの寝息が規則正しく、すぅ~、すぅ~っと聞こえてきて、私も目をつぶる。


今はこのままで十分。
いっしょにこうして同じベッドで眠ることができれば十分。
時が過ぎれば、たぶん近い将来この気持ちは変わっているかもしれないけれど、そのときは今よりきっと重ねた時の分だけ余裕があるから、その時はいっしょに出来ることを何でもいいからひとつ見つけようね。
何でもいいからね。

すっかり眠ってしまったと思っていたヒロが話し始める。

「たまにすごく心配になるよ。自分にもしものことがあったとき、キミがひとりになってしまうだろ。」
「まりんを支えてくれるものが仕事しかないなんてことはあっちゃダメだから…それで…まりんをひとりぼっちに出来ないから…。」

寝言なのか、無理やり眠りを遠ざけて話してるのか…酔ってしまってるのか。
何も言えず、そのうち睡魔が降りてきた。
ヒロがくれる愛情に包まれて心地よく。
その勝手な心配をよそにね。



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