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あなたまであと一歩 

すべての風景のそこに、あなたが居てほしい。
最愛の人との、とるにたらない日々の断片を綴ります。

片づけられない心 2

2011-04-28 | 震える
災害応援の2週間は、大変だったでしょうとみんなが言ってくれる。
確かに、ひどく切ない日々だった。

わざわざ人事企画部の知り合いにお願いして、対策本部がある場所ではない被災地に派遣してもらった。
私が立会した建物は、木造でツーバイフォー以外の、損害保険会社の用語でいうところの家計地震保険が付保されている建物。
知識が少ない私に鑑定できるのは、そこまで。
それでも、1日15件くらいは見て回った。
国が決めた全損一括認定地域以外でも、全損の建物は多く、言葉を失うような惨状がそこにあった。
一方で、認定方法では無責となってしまう建物もあった。
津波被害はもちろんのこと。
建物の地震保険の認定方法は、建物の基礎、外壁、屋根、柱の損傷状況で決まるので、それ以外の部分が壊れてても、ダメ。
ひび割れの鑑定には、迷いもあった。
今回、つくづく認定方法に問題があると感じずにはいられないような壊れ方もあり…。
今、愚痴っても仕方ないけれど。

女性一人で立会に行くと、まずはビックリされたり、不信されたりします。
…ついでに威嚇も多少、泣き落とし?!も多少、感謝もいっぱいされました。
初めてではないので、慣れてはいますが、いろんなエピソードが毎日たくさん起こるので、ストレスは溜まります。
喜ばれても、ストレスは溜まりますね。
そもそもが、被害にあって多くを失っている方に感謝されたり、有難がられたりするのは、最後まで慣れませんでした。
いろんな涙をもらったりすると、ホテルでひとりになった時に自分も涙が出ます。
もし自分の身に起こったら、っていうことも考えずにはいられなくなります。
そして、ヒロの身にも起こっている、お義父さんやお義母さんも苦しんでいると思えば、切なさややるせなさは募ります。

自分の家に帰ってきても、そういったいろいろなことが心の中で、なかなか片づけることが出来ません。
何より私には守りたいものがある。
ヒロとの生活。
ヒロとの暮らしがどれほどに尊いものかということを改めて実感して、ヒロが恋しくもなりました。

余震が起きるたびに生きた心地がしなかった、仕事が手につかなかったと言ってたヒロの言葉もきっと、あながち大げさではないに違いなく…。
ただ、幸いにも私が赴いた土地は、私が滞在していた2週間は大きな余震がなく、あっても震度3程度が数回。
さすがに、停電が恐くて懐中電灯を傍に置いて眠ったけれど、余震に対しての恐怖心はなかった。

土日は立会の予約が多く、休めなかったので休日出勤をし、結果働き詰めだったけれど、今のところ身体の疲れはなく、ただ心は疲労した、ちょっとだけ。
ヒロの実家にも、日曜日の午後に行くことが出来た。
ひとりで訪ねて大そう驚かれたけれど、暖かく迎えられ楽しいひと時も過ごせた。
応援に出かけたことには満足している。
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希望・分別・多感・誓い・想い

2011-03-24 | 震える
お彼岸の3連休に、ヒロの実家に出かける予定で購入していたチケットの払い戻しをしてもらってきた。
私にとっては、初めてのヒロが生まれた街を歩く機会だった。
ヒロが通った小学校とか中学校、いろんなところを案内してもらうはずだった。

私を嫌って、最後まで結婚に反対していた、いや今も認めてくれていないらしい、ヒロのお婆ちゃんとの対決の時も、延期となった。
でも、延期でも、無事で何より。
お元気で居てくれたら、いつかきっと、機会は巡ってくるだろうから。

私がヒロと住むこの街でも、津波による浸水を受けた個所がある。
ずいぶんと多くの車両も浸水したようで、本当にお気の毒です。
せっかく車両保険に加入していても、たいていの一般個人ユーザーが所有している車両は地震・津波・噴火特約の付保がないせいで、保険金が支払われない。
それを嘆く知人は多い。
しかも、付保規制が布かれ始めていて、新たに付けたくても付けられないから、なおのことやっかい。

では、建物や動産に付けている地震保険はどうか。
こんなに多くの人が被災していて、ニュースでは被害総額は25兆円とも言われているけれど、本当にちゃんと払ってもらえるのか、そんなことも、ここ数日聞かれることがある。
それは、民間の保険会社のみで手当てするわけではなく、日本政府が積立してきている地震災害に対する準備金も当てられるので、現状では心配はいらないと言っていいのではないかと思う。
この積立金は、支払総額が1,150億円を超える災害となった場合に、優先して使われるもの。
積立金の管理をしている「地震再保険特会」と言えば、事業仕分け第3弾で議論されたものだけど、結局ちゃんと使われることになってしまいそうで、これもまた何ともはや、仕分けされてしまわなくて良かったと言っていいのかな。

いまだに被災地の現状を聞かされれば、やっぱり胸が締め付けられるような思いに駆られるし、自分の無力さとか、更には、まだまだ余震がこうも全国で頻繁にあると不安だし、日本はどうなっちゃうのかな、いつ一息つけるのかな、などと暗い気持にもなりますが、一方で、もうすでに復興の為に動き出している人もいっぱいいて、現地で今も寝る間も惜しんで必死に頑張っている人たちを目の当たりにして、力をもらったりもします。
みんなに頭が下がりますね。
被災者にも、それを支援する人、壊滅状態の地で頑張っているレスキュー隊、警察官、消防官、自衛官の懸命の努力、海外ボランティアの皆さんや他国の温かい手当て、みんなみんな。
巨額の義援金を差し出してくれた著名人も、限りあるおこづかいからねん出して送金する小学生にも、感嘆しながらも切なくて涙が出そうになります。

のど元過ぎれば…、ではなくて、ずっとずっと忘れてはいけない大切なことを教わっている気がします。


新年度の研修関係で、今日は日帰りで出張してきたのですが、研修所に数名の2011年度新入社員が宿泊していました。
聞けば、私が勤めている会社の東北地方の入社予定者は、幸いにも全員無事だったそうですが、震災により避難所で暮らしていたメンバーについて、研修所へ招へいしたとのこと。
彼らを見ているだけで、胸が熱くなりました。
まだ、こんなに寒いけど、もうすぐ春は来るんだよね。

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きっと神様は見捨てる筈がない

2011-03-18 | 震える
余震が何回もあって、連日恐いし不安。
被災地に住んでいる人たちは、なおさらでしょう。
みんなみんな辛い。
福島の原発のこともある。
日本は試練の時をむかえているのかも知れない。
日本人の正念場。
今こそ日本がひとつになる時なんだと思います。
それにしても、あまりにその犠牲は大きい。

お義父さんに、今来ても仕方がないから待っとけ、って言われたそうです。
ヒロの辛い気持ちを考えると、泣きたくなります。
弱音を吐かないから、気になる。
もっと甘えてくれるとか、私にあたってくれてもいいのに、なるべくいつもどおりに優しくしてくれるから困ってしまう。
そういうところは、お義父さんにきっと似たんだね。
お義父さんも、きっと頑張ってる、強くて逞しい。
お義父さんの言葉に、TVで見た、被災地の辛くても一生懸命生きようとしている人たちの顔を思い出す。

ソファーで医学雑誌に目を通しているヒロをただ見つめていると、茶化すように、かまってほしいの?と訊かれた。
私はそんなに頼りない?
頼りないよね、すぐ涙が出てしまうし。

「整斉と自分に与えられた仕事をやることも、今だからこそ大切なんだよ。手を抜けないだろ、個人的な感情で左右されちゃいけないんだよ、きっと。」

「じゃあ、仕事が終わって家に戻ってきた時くらい、私に意地悪しても冷たくしても、心ここに非ずでもいいからね。」

「そんなことしたら、まりんすぐ泣くくせに。」

泣かれるとめんどくさいから、いつもご機嫌取ることを心がけているそうだ。
そうなんだ、って言って立ち上がってキッチンに行こうとしたら、手首をつかまれた。

「意地悪してもいいって言ったくせに、怒ってるの?」

そのままヒロにカラダをあずけて抱きつくと、かすかに消毒液の匂いがした。

「やっぱりさ、ちょっとだけ私を離さないで。」

ヒロの膝の上で何度も鳥が啄むようなキスをして、私たちはちょっとだけ笑った。

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瞳は決して閉じてはいけない

2011-03-16 | 震える
ヒロが大好きな、そして私ももちろん好きなミスチルの桜井さんの東北地方太平洋沖地震の被災者に向けたメッセージ。

Message from 桜井 和寿

昨日の夜にUPされたようですが、私は、ほんの少し前に読ませてもらいました。
何より桜井さんらしいメッセージだと思いました。
すぐ傍で語りかけてくれているような暖かい温もりを感じる優しくって人懐っこい桜井さんらしい言葉が並んでいました。
日付が変わったので、もう昨日だけれど、静岡の方でも地震がありました。
先の見えない不穏が続いてる。

耐えるように息をしているヒロにさえ、私も掛けてあげる言葉が見つかりません。
心配していた友人の消息がわかったのは、ひとりだけ。
その方でさえ、住まいは大きく被害を受けて、なんとか水だけは確保出来ている状況だそうです。
こんなに寒い今日なのに。

岩手や宮城のほうの未だ消息がわからない友人や知人。
ヒロの父方の叔母さん夫婦は、被害の大きい地に住んでいるのですが、やっぱり連絡が取れません。
連絡がつかないだけであってほしい。

ヒロの実家は三陸地方からは少し離れているのですが、それでも津波の被害を受けました。
漁を生業としているお義父さんやお義兄さんや一緒に漁を行っている近隣の同業の方たちは、船を沖に出して、津波から守ったそうです。
ただし結果的に港に残した2隻は、転覆していたそうです。

避難場所に避難していたお義母さんとヒロが、やっとこさ連絡が取れたのは、日曜日の朝でした。
それでも、こちらからは交通が遮断されていて、駆けつけることも出来ない。
もどかしい。

ミスチルの桜井さんのメッセージを見たヒロは、唇を少し動かしたけれど、それだけ。
きっと声にならなかったんだと思う。
余談ですが、ヒロは好きが高じて、桜井さんの声色が得意で、カラオケでもミスチルしか歌いません。
大好きなんですよね、桜井さんが。
ヒロが、心の中でミスチルの歌を辿りながら、勇気づけられているといいな。


「ヒロの大切な人は、私も大切にするから、念じるからね。」

そう言うとヒロは、弱弱しい声で、ありがとうって言ってくれた。

そうして、一番大切なのは、まりんだから、覚えておいて、忘れないで、って私の手を取って小さく笑ってくれた。
ただ見つめるしかない私に、

「そういうことだから。」

って言ってはにかむ様に下を向いた。
それは、何より心細いって言っているように聞こえた。
握られたままの手を私は自分の口元に置いて泣いた。
私が泣いちゃいけないのに、泣きたいのはきっとヒロなのに。

ヒロが黙って、私の頬の涙を口で吸ってくれた。
私たちは、ただ、ソファーで、ただ黙ったままTVを見ている。

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震える

2011-03-13 | 震える
“地震、雷、火事、大山風”という慣用句があるけれど、これを越えるくらい恐いと思い知らされたのが、今回の津波。
胸が締めつけられる思いで、私もTVに釘付けになっていた。

職に就いて以来、仕事柄、被災地に足を運ぶことが多い。
とは言っても、私が出張して行く頃には、街は徐々に復旧し始めているので、本当の意味で、被災直後の街を知っているわけではないけれど、それでも、被災地へ入ることが解除された直後の街で、愕然としなかった事はない。
同じような惨景を何度見てもだ。

金曜日は私も地震を体感したけれど、不幸中の幸いであろう、被害は最小であった。
けれど、ヒロの実家は、被害があり、私たちは、この3日間生きたここちがしなかった。

今は、ひとりでも多くのひとが、生還して欲しいと祈らずにはいられません。
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