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枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

湖南三山を巡る、その3 常楽寺本堂、三重塔

2012-02-15 | 古いもの、昔の人
          湖南三山の三つ目、常楽寺です。湖南市西寺。長寿寺とともに、嘗て阿星山
          五千坊と言われた多くの寺の一つ。
          山号も同じ阿星山。長寿寺の東寺に対し西寺と呼ばれます。
          この寺も和銅年間(710前後)良弁僧正の開基と伝えます。
          現存する本堂は1360年(室町前期)の建立。桁行7間、梁間6間、入母屋造、
          檜皮葺きの大堂。3間の向拝、蟇股を有します。柱上の組物は二手先組。
          (当初の出三斗に肘木1枚加えたものと言われます。)
          この本堂も、檜皮葺の屋根が柔らかな曲線を描き、魅了されますが、私にとって
          嬉しいのは隣に三重塔を持つことです。湖南三山では唯ひとつ。
          この三間瓦葺の三重塔は、1398年の再建という記録を持ちます。前時代から
          引き継がれた古風な趣を持つ和様の塔で長さ7.6mの相輪を含めた全高23.3m。
          初重から三重まで組物寸法、垂木間隔とも同じ、上層に行くほど垂木の数を
          減らしています。木組の密度が高い塔で、その中に吸いこまれて行くような感覚
          を覚えます。

          本堂と三重塔を囲む裏山の道には、西国三十三観音仏が点在します。
          紅葉が去り、彩りの少ない季節でしたが、
          春になれば、花咲く山と緑の田園に包まれるであろう寺々・・
          そんな時を思わせる素朴な湖南三山を巡る旅でした。