珈琲ひらり

熱い珈琲、もしくは冷珈なんかを飲む片手間に読めるようなそんな文章をお楽しみください。

黄金の雨 グリム童話

2007年12月01日 | 雑記
 『黄金の雨』


 むかし、父と母を両方亡くした貧しい少女がいました。
 あまりに貧しくて、住む家も無ければ、寝る場所もありませんでした。
 服は着たきりで、食べるものといえば、見知らぬ人からもらったパン一切れだけでした。
 それでも少女は心優しく、神様がきっと助けてくれると信じていました。
 見知らぬ人からパンを貰った日、そのまま道を歩いていると、貧しい人に声をかけられました。
「食べるものを恵んでくれませんか。お腹がぺこぺこなんです」
 少女はすぐに持っていたパンをすべて差し出して、こう言うのでした。
「これをどうぞ。これは天からあなたに送られてきたものですから」
 しばらくすると、道端に座って泣いている子どもに出会いました。通り過ぎようとすると、少年が叫びました。
「頭が寒いよう! かぶるものをください」
 貧しい少女はすぐに自分の帽子を脱いで、それを少年に与えました。
 さらに進むと、上着が無いので凍えそうだという少女に出会ったので、すぐに自分の着ている上着をあげました。
 日が暮れてきたので、森の中に入って、そこで一夜を過ごそうと思いました。森に入ってまもなく、寒さで凍えて死んでしまいそうな幼い子どもに出会いました。心優しい少女はこう思いました。
「もうすっかり暗くなったから、だれにも見られる心配は無いわ」
 そこで着ているものをぜんぶ脱ぎ、ふるえているかわいそうな子どもに着せてやると、その場を立ち去りました。
 もう少女には何も残っていませんでした。落ち葉を自分の体にかぶせようとしたときに、とつぜん空から黄金の雨が降ってきました。最初は星が落ちてきたのかと思いましたが、地面に落ちた細かな粒を見ると、金のかけらだということがわかりました。黄金の雨に打たれていると、いつのまにか自分が頭からつま先まで、温かくて上等の服でつつまれているのがわかりました。少女は黄金のかけらを拾い集めると、それを貧しい人々に分け与えるためにその後の生涯を送りました。


 ― グリム童話 ―



 もしももっと歳を取っていたら、
 もしももっと深みのある人生を送れていたら、
 もう少し、うまい事が言えたのか、
 それはわからないのですが、
 現時点では、このお話をご紹介する事しか出来なくて。

 前にちらりと、人の悩みに乗るよりも、その悩んでいる人に、自分の幸せな姿を見せる方が、相談に乗るよりも正しい、っていう夜回り先生のお話を書いたと思うのですが、
 現時点での僕は本当に幸せですよ、と伝えたいです。
 母が亡くなって、それで母の代わりは僕がしなくっちゃ、父や妹は僕が守らなくっちゃ、
 そう自分に課して、
 自分を二の次にして、
 がんばってというか、
 自分を縛って、
 そのくせ、その想いに不満も抱いて、だから人に八つ当たりしたり、妬んだり、歩けなかったり、自分を二の次にしている自分が苦しいから、そういう自分を正当化するために、好きな人にそんな自分をそのまま受け入れてもらいたくって我が侭を言って困らせて、傷つけて、
 ほんとにそんな自分で、どうしようもなくて。
 けれども、その解決策は本当は自分でもわかっていて。
 でもだからといって、自分の想いに縛られすぎて、わかっていても、その道に進めなくて、それがまた苦しくて、上の事を繰り返す、ジレンマ。空回り。
 そんな僕が、ずっと避けてた自分の想いを父と話す、という事や、進みたくても進めなかった道に進めたのは、本当にCさん、あなたのおかげです。
 本当に今、僕は心から笑えていますし、
 本当に進んだ道で出会えた人たちも、心から心配してくれたり、怒ってくれたり、世話をやいてくれたり、そういう優しい人たちばかりで、
 そういう人たちに出逢えたのも、
 今、僕が笑えているのも、
 前に進みたくても進めなかった僕の背中をCさんが押してくださったからで。
 本当に感謝しても感謝し足りません。
 本当にCさんのおかげで、すごく僕は幸せなのですよ。
 上のお話で、少女に優しさを貰った人たちのように。
 だから、心優しい少女に、黄金の雨が降ったように、
 今、Cさんの心を包んでいる問題にも、必ず、黄金の雨が降るって信じています。
 というか、本当に僕を救ってくださったCさんに黄金の雨が降らなければおかしいですもの。
 うん。
 必ずCさんに黄金の雨が降って、雪がとけて、春になるように、Cさんの心を包む問題が解決して、Cさんが心から微笑まれる事を、信じていますし、心の奥底から、祈るように願っております。

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