安曇野から

安曇野からよこおかめごろうの友人知人の皆様への通信、地元の状況、大好きな音楽のことなど

オペラ「利口な女狐の物語」を観る

2008-08-31 20:53:01 | Weblog
 今日は今年のサイトウキネンの2回目、オペラヤナーチェク作曲の「利口な女狐の物語」だった。ストーリーは、一匹の女狐を中心に動物の世界と、猟師を中心とした人間の世界が寓話の様に描かれ、そう宮崎駿の世界、千と千尋を思い出させる様なストーリーだった。生き物の営み、自然界の世代交代を描いているが、私の目には、例えば人間の世界が当時の欧州の資産階級、そして動物の世界が労働者階級といった姿にも見えた。昨年のチャイコフスキーの「スペードの女王」の様な、主役級が全員死んでしまう様な深刻さはないが、それはそれで考えさせる物語だったお思う。
 音楽はそれは素晴らしく、小澤さんはオペラも暗譜でオーケストラの隅々まで目が届き、オーケストラはこの時だけの七夕アンサンブルとは思えない素晴らしい響きだった。声楽陣は、私が感心したのは、松本の少年達を選抜した子供の声楽、チェコ語は勿論、きちんと歌っていて、勿論ブラボー。声楽ではないが、バレエが入っていて、終始ハエの役で周りを彩るのだが、本当に素晴らしい踊りだった。何気ない演技など、非常に精度の高いパフォーマンスで、初めての経験だった。オペラはクラシックの最高の総合芸術だと思うが、今年も本当に堪能できた。
 演奏の前、妻が楽屋裏から近くのギャラリーに行っている間、ボーとしていると、近所で買い物したと思われるオーラのある女性が歩いてくる。サングラスが格好良い。友人のハープの早川りさこさんだった。「ちょっとどうしたの?」に始まって、「まさかそこのポンヌフ(パン屋さん)で買ってきたの?」「そう、東京まで持って帰れそうだし…」と一流の音楽家だけど、全然気取りがなく、何気ないお店で美味しいものを見つけてしまう同世代の友人だった。見送ると、2分位で妻が戻ってきて、挨拶できなかったのが残念。また紹介しそこなった感じ。私とりさこさんと話をしている間にも、「サインして下さい」とファンが来られる。サインしながら「僕にもサインくれないの?」と言うと「何言ってんのよ」とケラケラ。そういえばサインもらったことがないなあ。確か、吉野直子さん(同じハーピスト)のサインは貰ったことがあるが、多分このままサインもらわないままなんだろうなー。
 そんなこんなで8月終わりですね。長かった8月でした。

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