かっぱ堂。

こころにうつりゆくよしなしごとをそこはかとなくかきつくればあやしうこそものぐるほしけれとかなんとか。

オレスタイル Vol.6

2006年08月17日 23時59分35秒 | 愛と笑いの夜
「大阪の家庭がみんなあーだと思われたら困るでしょ?」

2006.08.17
春風亭昇太独演会
「オレスタイル Vol.6」@ワッハ上方 ワッハホール

志の輔三昧の余韻さめやらぬ中ではありましたけれども、たまたま取れたこのチケット、昇太師を初めて生で聴けるとあって、お盆でヒマなのをいいことにさっさと仕事を切り上げ、なんばへと向かったのでありました。

本日の会場は、なんば千日前の「ワッハ上方」。今年の初めに「第1回 東西笑いの喬演」を聴きに来て以来のワッハホールでありました。前回は全席自由だったので、ちと早めに来ないとだめだったんだけども、今回は全席指定ということで、ゆったりと席に着くことが出来ました(しかも、割と良い席だった)。

というところで、本日の演目です。

 一席目:「青菜」
 二席目:「遠い記憶」
      ~中入り~
 三席目:「不動坊火焔」

今回は、パンフも演目の貼り紙もなくって、正直ちとアヤシイところではあるのですけれども、たぶんこれで合ってるのではないかなと。まあ何はともあれ、どんな風に進むのかなと楽しみにしつつ、開演を待ちました。

軽いテーマ曲とともに「携帯電話撲滅キャンペーン」のビデオが流されてのスタート。昇太師が先日、石川県へ行かれたときに撮られたというこのビデオ、随所に柳昇師匠の在りし日の姿が納められてたり、意外なゲストが登場したりでちょっと見入ってしまいました。で、ビデオの終了とともに灯りが付き、昇太師が高座に登場。近くで見ると小さい方なんだけども(昨年、よみうりホールの入り口で見かけました)、舞台下から見上げると、がちっとして、大きく見えたのが不思議な感じでした。

そんなこんなで、一席目。
大阪にやってきた東京の噺家さんのご多分に漏れず、昇太師も探り探りの長めなマクラ。笑点やらCMやらドラマやらのテレビ話しでの様子を伺いながらの出だしでしたが、これはどうやら、今回から会場が変わったのも影響していたらしい。前回のVol.5まではキタのHEP HALLだったのが、今回からミナミに。そりゃあ、また、違うもんだよねぇ。とはいえ、少しづつ客席をたぐり寄せると、最後には冒頭のような感じで、「なんで勝ちなのかわかんない息子と家族」をダシにしたりして。噺の方は、スタンダードなネタですけれども、昇太師流のアレンジ、というか演じ方が効いていて、勢いのある一席になっておりました。なかでも、硬軟激しく入れ替わる植木屋のおかみさんが面白かった。

一席目のサゲの後、音楽とともに急に立ち上がった昇太師。何を始めるのかと思えば、おもむろに帯を解いて着物をはらりと。なんだなんだと思ってみていると、脱いだ着物を丸めて舞台袖に投げた。と思ったら、舞台袖から新しい着物が。「いや、間をつなぐゲストとか呼べないんで、全部自分でやらないと」、なんて笑いながらもてきぱきと着替えた新しい着物は、かの「SWA!」のもの。さりげなく後ろを向いて、背番号4を見せたりなんかしてたんだけども、会場のどれだけの人が、それと気がついたんだろうなぁ。

そんな生着替えを挟んでの二席目。
田舎に行くと笑点の威力は絶大だと、地元静岡で同級生にスナックへ連れてかれた話しから、そもそもこの年になると、地元の同級生なんてみんなただのオッサンだなんてところから、噺の本題へと入りました。二席目は昇太師作の新作。古典でならアレンジと称すべきところだけども、今度はこれがオリジナルだから、まさに昇太師の勢いを乗せるために作られてるわけで、特に同窓会に合流した後の「叶った夢」を重ねる辺りが面白い。でも、勢いだけじゃなく、ディテールやシチュエーションにいっぱい仕掛けがあるなあという印象も受けました。「オリックス」とか、「ボールペン工場」とかね。そういう仕掛けを裏打ちに、昇太師の噺から、勢いを「演じ切っている」印象を受けたのが、今回の収穫なのかも。

こうして、二席目が終わったところで15分のお仲入り。さすがに一度袖に引き上げての休憩と相成りました。

今度も、いつもの出囃子「デイビー・クロケット」じゃない曲が流れる中、再度着替えられた昇太師が登場。「さっきの曲、良い曲だったでしょ? フランス語版のカーペンターズなんですよ。フランス語知らないけど。」と、たまたまジャケ買いしたCDを即採用した話しからの、三席目。冒頭のビデオにも登場されていたゲストお得意の講談話から、夏場限定でご活躍の二組(なんとなく、わかるでしょ?)の話しを経て、噺の本題へ。フリの通りのネタではあるのだけれど、ずーっと滑稽な怪談話でありましたね。前半の湯屋での有頂天さは、二席目の同窓会の場面にもにて、テンションがまさに正のスパイラル。でも、そこで盛り上げとかないと、後半の三人組の悪巧みが引き立たないんでしょうねぇ。太鼓の係(ってとりあえず書いちゃいましたけども、要するにちんどん屋さん)が、遅刻してきた上にミスして叱られたのに逆ギレしちゃう様も、面白かった。強いて言えば、寄席から調達してきた幽霊役の芸人さんがちょっと曖昧な感じだったかなぁ。

そんなこんなで、ビッタリ2時間の独演会、楽しんできたわけですけれども、今後はもう少し頻繁に、大阪でもやりたいなんてお話しもありました。新作のみの会を、近々大阪でも聴けるのかも。

今回は前後編に分けずに、バキッと書いちゃいました。だらっと長くてすんません。この辺で、お開きです。

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