バカに厳しいバカばかり

自戒の念も込めてそういうタイトルにしました。

グッドデザイン賞ノミネート済→強制排除に怒るアダルトグッズ企業の話

2006年08月25日 21時49分35秒 | ニュースで二言三言
グッドデザイン賞アダルトグッズはNo!1次突破も…【ZAKZAKより】

日本の産業デザインの進歩を半世紀にわたり後押ししてきた「グッドデザイン賞」(財団法人日本産業デザイン振興会主催)。今年度の2次審査は東京ビッグサイトで開催中だが、1次審査を突破した出展作品のうち、ある製品だけが一般公開期間中に強制的に撤去された。開発者らは「ものづくりへの思いを踏みにじる行為」と、開催者の姿勢に怒りをあらわにしている。

 「ビッグサイトに展示されると知り、生産工場で働く職人さんやパートのお姉さんたちも『自分らの仕事が認められた』とすごい喜んでくれた。見に行くのを楽しみにしてくれていたのに」
 男性用自慰用品「TENGA」のブースを一方的に撤去された「株式会社TENGA」の松本光一社長(39)は憤る。

 「アダルトグッズも日本の技術力に見合う、お客さんに喜ばれる物を」という思いから、自己資金1000万円と3年の歳月をかけ開発したTENGAは、精密な内部構造に加え、「部屋に置いても恥ずかしくなく、女性からもプレゼントできるように」と手に取りやすいデザインを採用。昨年7月の発売以来、100万個を売り上げた。

 「TENGAに携わるすべての人に誇りを持ってもらいたい」と賞に応募したところ、1次の書類審査をパス。通過すれば「Gマーク」がもらえる2次審査に向け、1カ月前から300万円以上をかけて準備を進めた。
 一度は認可した展示案に対し、開催5日前になって事務局が「商品の性格上、家族連れに配慮して直接触れないように」と急な注文を出しても、透明なアクリル板を用意して対応し、「これでいい、大丈夫」とお墨付きも得た。

 しかし、開催前日の22日、今度は「審査はするが展示は下げよ」との通告。土壇場での締め出しはさすがに拒否したが事務局は「決定事項」の一点張り。開催当日も「経緯の説明や根拠などについて書面でもらうまでここを動かない」と抵抗したが、初日3時間の幻の展示で終わった。
 「応募の際、『男性用マスターベーション補助具』と明記し、性欲制御や性感染症、性犯罪防止など商品の意義を説いた。ダメなら1次審査で落とせばいい。23日は『実際に試せないから審査対象外。だから展示も不可』と言い訳まで変わった。普段スポットライトを浴びない中小企業の職人に勇気を与えるのが賞の目的ではないのか」

 夕刊フジの取材に対し、事務局は「多忙な審査員は審査前に初めて現物を見る。女性など一部審査員から展示自体に批判があり、直前になって対象外となった」と説明。「事務局としては展示の方向だったが、アダルト関係は時期尚早だった。今後しばらくアダルトは無理」と、“エロの壁”を強調した。

ZAKZAK 2006/08/25



まあ、主催者がいくら出展者に理屈付けようと、結局「製品の使用目的がそっち系だから展示・審査はイヤ」という真意であるのは明らかで、でもひとたびアダルトグッズと解ってて書類審査をパスさせ、展示も認め、かつ出品者が高いコストかけてブースまで開設し終わった段階では、そう容易に正当化できる理由ではないのも確かではある。個々の審査員が初めてみて驚いたなんてどうでも良い話で、公式には、出展させて初めて判明した問題事実の存在するケースでもなんでもないんだから。

だからこそ「実際に試せないから審査対象外」なんて苦しい根拠をつい口走るわけで。なら例えば生理用品とか介護オムツとか、もっと言えば女性用の下着とか、いずれも意匠・形状と使用性が密接にリンクしているのが明白な、でもその場では多分「試せない」製品が会場で審査員の目に付いたら、それ全部出展後でも門前払いするのか(出展後では門前払いとは言えないが)。ていうか、今まで審査員がその場で「試せない」製品って、全部それ理由にハネてきたのか。みたいなツッコミがいくらでも出来てしまうという。

大変ズルい方法だが、いったん展示OKしておいて、で後から「子供連れの客から事務局に苦情が来た」みたいな、そういう方便で展示ストップさせる方が、嘘でもまだみんなの顔は立ったような気はするが。さすがに、だから審査もダメというのは通りにくいと思うけど。要は対応に不手際あったくせに「決定事項」なんて上から物言うような態度だから余計に反感買うのではということである。でも、そういう責任回避に走る余り、メチャクチャな物言いで必要以上に客と話こじれさせている企業とか役所なんて、今の日本の社会では毎日山ほどある気もするが。

そういうわけで、グッドデザイン賞の公式サイトからも削除されてしまった、当該製品のノミネート情報(製品の写真付)であるが、削除されたというそのページがgoogleのキャッシュに今のところ残っていて、公式サイトへの訪問者の感想書き込みなんかも残っている。一部引用すると

こういった商品に対する知識はあまりありませんが、【中略】デザイン的にも陰湿なイメージがなく(まるで男性用化粧品のような…)手に取るにも抵抗を感じることなく、より幅広い方に受け入れられるのではないかと思いました。私は障害者を支援するNPOの活動に参加していますが、そういった方々の性の問題は現状ほとんど手付かずです…こういったものをもっと活用できればと願っております。

とか、

クリックしコメントを読み、概要およびデザイナーの方のコメントに非常に共感致しました。男性用生理用品というカテゴリーにも賛成です。マスターベーションを男性の生理現象と捉えるというのは新しく、しかし自然な発想だと思います。【中略】会場で実物を見るのが楽しみです。

など、まあ疑ってかかれば自作自演の可能性も残るし、一方で否定的書き込みもあるにせよ、概ねは肯定的な意見が多かったようである。その意味では、客の方がフラットな反応だったようで。そういう意味で、更に出展者には同情を禁じえない。禁じえないのだが、ただ一点、そういう気分でこの会社のサイトを見ていたところ、たまたま商品の15秒CMが動画で見られるページがあって。

「株式会社典雅」HPより。製品15秒CM紹介ページ

ごめん、ちょっとで引いちゃいました。犬2匹はまずいだろ犬2匹は。それとも私が先進的じゃないだけなのかな。


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