函館から帰ってきて
翌々日、父の見舞いに行った
眠っている父をしばらく眺めていたら目を覚まし
私と目が合うと
私の名前を呼んだ
私「おはよう。よく寝てた」
父「帰って寝ろ」
私「今来たばっかりだよ 笑」
父「もう寝ろ」
私「父さんも寝るの?疲れた?」
父「ねる」
私「わかった、そしたら今日は帰るね。またね。」
休憩室で泣いた
私はきっと疲れた顔をしていたんだと思う
半身が動かなくなり
言葉も重くなりながら
それでも、まだ、子供の心配をするんだ
こんなおばさんになってもまだ心配させるんだ
次は元気な顔を見せようと思った
それから2日毎に見舞いに行った
主人の母も乳ガンで手術したばかりだから
交互に仕事が終わって速攻病院に向かう生活
疲れがどうしても溜まっていき、風邪をひいてしまう
こじらせるわけには行かないから
ちゃんと養生していたけどなかなか治らない
11/6 医師から説明
「お父様の病状は前にもお話しましたが、トルーソー症候群と言って、血を固めたり、サラサラにしたりする機能がうまく働かなくなっています。ガン末期の症状です。
お父様からは余命を宣告した際に延命はしないとうかがっていましたが、それでご家族は納得されていますか?
1分でも1秒でも長くと胃瘻をする方もいますが、僕としては…意識もはっきりとしていて、もう、また、ツライ手術をしてまでそれをする事は必要ないのではないかと考え、今の薬を点滴から経口薬に変えて、特養に戻っていただき、少しでも普通の生活に近い環境でと思っています」
看護師さんが別室に私達家族を呼んで
先生からの説明で何か納得出来ない事はありませんでしたか?
聞きたくても聞けなかった事はありませんでしたか?
「先生は義務的な話し方をされているように思われるかもしれませんがね、お父様は今まで頑張って来たから、もう、いいんじゃないかって、まだ、ご飯が食べられるうちに、病院を出て、たまに食べたいものを食べて、頑張らないでいいんじゃないかって」
と泣いて説明してくれて
母は
「そっか…良くなったと思って、家にも帰れる希望が出たのに…残念。そうですか」
と言った
「ご納得いただけすか?」
という言葉に
母も弟も私も頷くのが精一杯だった
右半身が不自由になり
失語症になった父は
その日も懸命にリハビリをしていた
全く動かない右手のリハビリ
頭には思い浮かんでも言葉を導き出す事が出来ない失語症の言語のリハビリ
動きにくくなってしまった右足のストレッチと訓練
どんな気持ちでいるんだろう
外泊だけど家に帰れるとまで言われたのに…
父さんはもう悟っている
でも、リハビリを懸命にするのは
帰りたいからだと思う
叶えてあげたい
どうにか叶えてあげたい
それが私達家族の同じ思いでした
今日はここまで
翌々日、父の見舞いに行った
眠っている父をしばらく眺めていたら目を覚まし
私と目が合うと
私の名前を呼んだ
私「おはよう。よく寝てた」
父「帰って寝ろ」
私「今来たばっかりだよ 笑」
父「もう寝ろ」
私「父さんも寝るの?疲れた?」
父「ねる」
私「わかった、そしたら今日は帰るね。またね。」
休憩室で泣いた
私はきっと疲れた顔をしていたんだと思う
半身が動かなくなり
言葉も重くなりながら
それでも、まだ、子供の心配をするんだ
こんなおばさんになってもまだ心配させるんだ
次は元気な顔を見せようと思った
それから2日毎に見舞いに行った
主人の母も乳ガンで手術したばかりだから
交互に仕事が終わって速攻病院に向かう生活
疲れがどうしても溜まっていき、風邪をひいてしまう
こじらせるわけには行かないから
ちゃんと養生していたけどなかなか治らない
11/6 医師から説明
「お父様の病状は前にもお話しましたが、トルーソー症候群と言って、血を固めたり、サラサラにしたりする機能がうまく働かなくなっています。ガン末期の症状です。
お父様からは余命を宣告した際に延命はしないとうかがっていましたが、それでご家族は納得されていますか?
1分でも1秒でも長くと胃瘻をする方もいますが、僕としては…意識もはっきりとしていて、もう、また、ツライ手術をしてまでそれをする事は必要ないのではないかと考え、今の薬を点滴から経口薬に変えて、特養に戻っていただき、少しでも普通の生活に近い環境でと思っています」
看護師さんが別室に私達家族を呼んで
先生からの説明で何か納得出来ない事はありませんでしたか?
聞きたくても聞けなかった事はありませんでしたか?
「先生は義務的な話し方をされているように思われるかもしれませんがね、お父様は今まで頑張って来たから、もう、いいんじゃないかって、まだ、ご飯が食べられるうちに、病院を出て、たまに食べたいものを食べて、頑張らないでいいんじゃないかって」
と泣いて説明してくれて
母は
「そっか…良くなったと思って、家にも帰れる希望が出たのに…残念。そうですか」
と言った
「ご納得いただけすか?」
という言葉に
母も弟も私も頷くのが精一杯だった
右半身が不自由になり
失語症になった父は
その日も懸命にリハビリをしていた
全く動かない右手のリハビリ
頭には思い浮かんでも言葉を導き出す事が出来ない失語症の言語のリハビリ
動きにくくなってしまった右足のストレッチと訓練
どんな気持ちでいるんだろう
外泊だけど家に帰れるとまで言われたのに…
父さんはもう悟っている
でも、リハビリを懸命にするのは
帰りたいからだと思う
叶えてあげたい
どうにか叶えてあげたい
それが私達家族の同じ思いでした
今日はここまで