やっぱり煙草は妊婦に悪影響を及ぼす

2013年12月18日 | Weblog
…という、米国国立衛生研究所(NIH)のニュースリリースがありましたので、日本語化しました。

やっぱり煙草はダメ、ということを追認する結果です。

ただ、煙草だけでなく、大麻や覚醒剤やコカイン迄調査対象にするところがアメリカらしいなぁ…と思いますが。

タバコや薬物が死産リスクを高める

 最近の研究結果によると、妊娠中におけるタバコ/大麻/処方薬としての鎮痛薬/違法ドラッグの摂取が死産率を高める可能性が示唆された。
 
 死産とは、妊娠第20週以降に胎児を死んだ状態で出産することを指す。アメリカ合衆国での死産率は、1950年の0.18%から2006年には0.6%に低下した。ただ、2006年の0.6%という数字も、多くの発展途上国より高い。

 死産の原因/予防方法を探るべく、米国国立衛生研究所は死産協力研究ネットワーク(Stillbirth Collaborative Reserch Network, SCRN)を立ち上げた。米国国立衛生研究所傘下の国立子供の健康/発達研究所(National Institute of Child Health and Human Development, NICHD)のEunice Kennedy Shriverの支援の下、SCRNは59の医療機関を通じ、死産経験者600名以上/健全な出産を行った約2,000名の女性を対象に調査を行った。

 研究グループは臍帯/血液のサンプルを採取した。そして、血液のサンプルを対象にコチニン(cotinine、ニコチンの誘導体)の有無を調べた。また、臍帯を対象にコカイン/アンフェタミン(覚せい剤の主成分)/処方薬としての鎮痛薬(モルヒネ/コデイン等)/大麻の有無も調べた。女性に対しては、妊娠中の喫煙/薬物使用状態について聞き取り調査を行った。調査結果は、2013年12月6日版の”Obstetrics & Gynecology”誌に発表した。

 調査結果、陽性反応を示した者の割合は以下の通りであった。

【コチニン】
死産をした者:19%、健全な出産を行った者:9%

【その他の薬物】
死産をした者:7%、健全な出産をした者:4%

 上記の結果及び被験者への聞き取り調査結果から研究グループは、死産が発生する危険性は喫煙によって1.8~2.8倍になると推定した。また、煙草を吸っていないと主張していながらコチニン陽性反応を示した者(=副流煙を吸った為と思われる)では、死産が発生する危険性は約2倍になると推定した。
 
 違法薬物への依存割合は、死産経験者では健全な出産を行った者の約2倍であった。このことは、臍帯を対象にした検査で薬物に対し陽性反応を示した者で、死産の発生リスクが約2倍であったことからも裏付けられる。但し研究グループは、煙草と大麻について完全には区別出来なかった。また、覚せい剤/処方薬としての鎮痛薬について陽性反応を示した被験者の数は僅かであった。なので、これらの薬物と死産の関係を明確にするには、追加の研究が必要である。

 アメリカ合衆国の幾つかの州で大麻が合法化され、その他の薬物についてもその使用が広まっている状態であるが、上記の結果は、妊娠中の薬物/煙草の使用を止めさせる必要があることを示している。

 NICHDの上級研究員であるUma M. Reddy博士は、「これ迄、喫煙が死産を誘発するリスク要因であることは知られていたが、今回の調査結果はこの事実を裏付けるものであった。更に、副流煙による二次喫煙が死産の発生率を高め得ることも示された」と語った。


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