梅日和 umebiyori

心が動くとき、言葉にします。テーマは、多岐にわたります。

パブロフのワンちゃん?

2022-02-15 09:35:10 | 雑記 Communis2022

 

或る日、薬局での会話を聞く機会がありました。

処方薬を待っていたのは、3名です。

「液状の薬Aは、検査の前日夕食後に飲んでください」「はい」

「薬Bは、毎朝飲んでくださいね」「はい」

薬剤師の方の「指示」に対して、とても素直に返事をなさって、何のお尋ねもなくお薬を受け取っておられました。この光景を観ながら、「だれひとり、『なぜ?』を訊かないのだなぁ」と思っていました。このやり取りは、わたくしには「指示→受容」つまりは「刺激→反応」というなんだか受け手側に主体性のないコミュニケーションのようにみえました。似たような事例は、あちらこちらに散見されます。

かつて老後2000万円問題が物議をかもしたことがあります。マスメディアにより拡散されたきらいがあり、なによりメディア関係者がこぞってとり上げていました。(最近みません)取り上げる側のメディア関係者の何名が、原本を確認したのでしょうか。単に、表層的かつ単一の試算のみをさもたいそうなことのように取り上げるメディア関係者の見識を残念に思いました。いろいろな考え方があってよいとは思いますが、私的には、単独の試算としては、定められた条件下での試算としてよくできているというのが実感でした。ただし、試算の目的により価値は異なると考えます。また、マスメディアにより少なくとも「老後資金について不足が発生し、長期的な準備が必要」とのメッセージにはなったかもしれません。

コミュニケーション行為において、送り手も受け手も、主体性を鍛えないと情報に踊らされてしまいます。以前、事実確認さえなく激高する上司がおりましたが、情報に接すると「思い込み窓(筆者の造語です)」を全開にして、感情を先に動かしてしまい強く反応してしまう、性能の良い瞬間湯沸かし器のような方が多々おられます。

「なぜ、前日の夕方に飲むの?」

「なぜ、老後資金が話題になっているの?」

「なぜ、2000万円足りない?」

わたしたちは、かつて多くのひとが接したであろう5W1H(5W2Hとも)を把握することが苦手なようです。島国、日本。高コンテキスト社会。そういった国特有の文化が背景にあろうとは思いますが、知れる限りの世界情勢を鑑みると、なんだか危うい国民性だなぁとは思います。主体性を持たないことに気づいてもいないわけですから。

 

次回は、「うわさ」を取り上げます。