
冬の装い…ということで、
椿柄が出るよう、四季帯を締めてみた。
後ろはやや雑なのだけど、
この日はずっと羽織を着たままだったので……。

こんな感じ。帯板も入れずに

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「今年もあっという間に、終わりですねぇ」
取材先へ向かう道すがら、
この案件でずっと同行予定の、
20代中盤くらいの、可愛らしい女性の編集者が
-神奈川さんにとって、どんな一年でしたか?-と
聞いてきた。
「そうねえ。ひたすら忙しい一年だったなあ」
4月から、月1冊以上のペースで書籍の制作に関わってきた。
私の守備範囲は書籍だけではないので、
他にも雑誌やWEBのコラム、広告絡み…と、
あれこれ、隙間に入ってきたし。
ひえー、とお若い彼女が、鈴のような声を上げる。
例年、12月中旬を過ぎると何となく、“店じまい”モードになり、
余裕もできるはずなのだけど、
今年はまだまだ……
少なくとも来年の2月いっぱいは、書き続けないと。
-どのようにして、今の神奈川さんがあるんですか?- と、
無邪気に聞いてくるから、
ネットが普及し始めた1997年から、自分でhtmlを手打ちして
化粧品の口コミサイトを開いたこと、
それが美容業界の目に留まって、
起業直前の山田メユミさん(アットコスメ主宰)や、
当時アルビオンの岡部美代治さんほか、大勢との人脈ができたこと、
その後、出版社を辞め、
美容や化粧品絡みの文章を書いているうち、
健康や医療に関心を持つようになり、シフトしていったこと、
…など、15年ちょっとの経緯を、2分程度にまとめて話す。
自分としては、それほどドラマチックでもなく、
ただ時流にのって、ネットの普及のおかげと
一般向けに医学、医療を書く人が少ないから、
たまたまここにいる、というくらいの温度なのだけど。
「へええー、すごい! もっと話を聞きたいです!」
そんな風に言われるのが、私には新鮮で、
少し“ぽかん”としてしまった。
-私、ゆくゆくはライターになりたいなと思っているんです-
書くことも好きだし。
-それなら、医学ライターになってよ。
今、ホント人、少ないみたいだから-
そんな、軽い調子で会話をしている中で、
ああ、私は組織に属していない人間だけれど、
後進を見つけたり、育てたり、そんな役割が
もしかしたら社会から求められているのかなあ、と
今までには自分の中にはなかった
未来を思う気持ちが、沸き起こってきた。
それも新鮮であり、不思議な感覚でもある。