超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

最小系外惑星は、地球に似た岩石惑星か

2009年09月29日 19時22分51秒 | 宇宙
CoRoT-7bは、直径が地球の2倍以下と、これまでに発見された系外惑星のなかでは最小だ。今年初めの発見以降に行われた観測で、地球の約5倍という質量が明らかになり、密度が地球に近い岩石惑星である可能性が強まった。

CoRoT-7bは、いっかくじゅう座の方向約500光年の距離にある恒星のまわりに今年発見された系外惑星だ。発見当初、直径が地球の1.8倍であることや公転周期が20.4時間であることはわかったが、質量までは明らかになっていなかった。

そこで、質量を知るために、ヨーロッパ南天天文台(ESO)のラ・シーヤ天文台3.6m望遠鏡に取り付けられている分光器「HARPS」を使って、恒星が惑星から受けるわずかな重力の影響を検出する観測が行われた。

その結果、惑星の質量は地球の約5倍であることがわかった。その質量と半径をもとにして決定された惑星の密度は、発見当初の指摘を裏切ることなく、地球のような岩石惑星である可能性を示すものとなった。

CoRoT-7bは、巨大地球型惑星「スーパーアース」と呼ばれる惑星の仲間に入る。これまでに発見されたスーパーアースは10個ほどで、そのうち密度が明らかにされたのは、CoRoT-7bが初めてである。

CoRoT-7bの特徴はそれだけではない。恒星のすぐ近く約250万kmの距離(太陽から水星までの20分の1未満)に位置していて、時速75万kmで公転している。この速度はこれまでに知られている惑星の中では最速で、地球の公転速度の7倍以上もある。

また、CoRoT-7bは発見当初から、表面に溶岩か沸騰した海が存在している可能性が指摘されていた。ただし、惑星の昼側の温度は2000度以上、夜側はマイナス200度と計算されており、残念ながら生命の進化は許されない環境のようだ。

なお、HARPSは、同じ恒星のまわりに、質量が地球の約8倍、公転周期が3日と17時間という別のスーパーアースCoRoT-7cの存在も明らかにした。

EOS PR 33/09

横浜ゴム、新開発のエコレーシングタイヤをWTCCに供給へ

2009年09月29日 19時19分15秒 | car
横浜ゴムは29日、「FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)」のワンメイクタイヤサプライヤーとして、2010年から2012年シリーズに環境性能を高めたECOレーシングタイヤを供給すると発表した。

今回開発したECOレーシングタイヤはゴムに配合するオイルを変更した。2010年から欧州で使用が禁止される従来の芳香族系オイルを多環芳香族成分(PCA)の少ないオイルに切り替え、乗用車用エコタイヤ『DNAアースワン』に採用したオレンジオイルを配合した。オレンジオイルはゴムをしなやかにし、グリップ力を向上させるため、環境性能を高めながら従来タイヤと同等レベルの操縦安定性やドライ・ウェットグリップを発揮するとしている。

同社は2006年から同レースにワンメイクタイヤサプライヤーとして「ADVAN A005(ドライ用)」「ADVAN A006(ウェット用)」を供給している。2010年から、ECOレーシングタイヤの供給に切り替えて、レースでも環境活動を採り入れていく。
 
同社は中期経営計画の商品開発で「2017年までにすべての商品を環境貢献商品にする」ことを目標としており、ECOレーシングタイヤの開発もこうした活動の一環。昨年の「十勝24時間レース」では非石油系資源の使用率を高めたECOレーシングタイヤで参戦している。
 
レース活動で培ったデータを活かし、走行性能と環境性能を高いレベルで両立したタイヤを開発する。

トヨタがすり傷に強いクリア塗装を開発、新型LSに採用

2009年09月29日 19時16分55秒 | car
 トヨタ自動車は、洗車傷やドアハンドル周辺のつめ傷などのすり傷に対して高い体制を持つクリア塗装“セルフレストリング・コート(自己修復性耐すり傷塗装)”を新開発。近々発売予定の新型レクサスLSに採用する。

 クルマのすり傷は、塗装最表面のクリア塗装に塗膜が破壊・変形することで生じるが、今回開発されたクリア塗装は、従来のものと比較して塗膜が破壊されにくく、さらに変形した場合にも復元するという特性を持っている。これにより、特別なメンテナンスを行うことなく、すり傷による光沢低下を防止し、長期間にわたって新車時と同様の色や艶の維持に貢献する。

 このクリア塗装は、材料である樹脂に、分子動詞の結合を促進する特殊な分子を加えることで、複数の分子との結合をしやすくし、従来にない緻密な分子構造を可能にしたもの。さらに柔軟で弾性に富んだ特性を実現し、塗膜を破壊しにくくするとともに、光や酸に対する抵抗性と変形回復性を向上させた。

 日産自動車はすでに実用化して、一部乗用車に採用してましたね。

財務相発言に円相場が右往左往

2009年09月29日 19時08分18秒 | 経済・経営・社会
藤井裕久財務相の発言を受けて、円相場が右往左往している。財務相は市場が発言を曲解したと主張しているが、市場関係者には財務相の為替をめぐる発言は一貫性に乏しいと映っている。

投機筋が売買を仕掛ける口実となっている面もあるが、市場では通貨当局のトップとして、明確なメッセージを出してほしいとの声が上がっている。

 市場関係者が驚きの声を上げたのは28日。ドルが朝方の取引で一時88.23円まで急落して8カ月ぶり安値を更新、1月に付けた14年ぶり円高水準まであと1円に迫った直後、財務相は最近の円相場の動きについて「異常ではない」との認識を示したと一部通信社が伝えた。

 これまでも財務相は「輸出のために(円が)安ければ安いほどいいという考えはおかしい」(17日)、「常識的な範囲で(介入)はあり得ない」(同)と「事実上の円高容認スタンス」(シンクタンク)と受け取れる立場を表明してきた。

 今回の発言も「これまでと変わらず」(外銀の為替責任者)として直接的な影響は限られたものの、前週末からドルがわずか1日で3円超下落する急ピッチなドル安/円高が進んだ直後の発言とあって、ドル/円を売り仕掛けた当の短期筋からも「そんなことを言って大丈夫なのか」(外銀のチーフディーラー)と案じる声が上がった。

 しかし、その数時間後に発言は一転。正午過ぎには最近の円高が「やや一方に偏ってきているとの印象を持っている」とコメントした。市場では「財務相がついにスタンスを修正した」(都銀関係者)との見方から、短期筋が円を売り戻すきっかけとなった。

 財務相がスタンスを修正したとの見方が市場で広がり、関心が一段と発言に集まり始めたことで、円相場は発言に神経質な値動きとなり始める。

 だが、財務相は午後の講演でも、ガイトナー米財務長官との会談での発言が「いつの間にか円高是認と言う話になったが、そういうことは一言も言っていない」と日本が円高を容認したとの見方を否定したものの、同時に最近の円高は「一時的な現象」と言及。

 それと前後して、円高が進んでいると記者団が問いかけたのに対し、財務相が「本当かい」と答えたと一部通信社が伝えると、市場では「いい加減にしてほしい。一国の通貨当局トップとしてメッセージを送っている自覚があるのか」(在外都銀の為替担当)と憤慨する声すら上がった。

 財務相発言に強い関心が集まり円相場が敏感な反応を示したのは、政権を担って間もない民主党政権の為替政策が、まだ不透明なことも底流にある、と受け止める声がマーケットでは多い。

 民主党が内需型経済へのシフトを強調していることで、為替市場では従来より円にやや上昇圧力がかかりやすくなるとの見方が大勢。その一方で財務相が介入に否定的な発言を繰り返したことで、ドル安地合いの中で自国通貨高にけん制発言を繰り返しているスイスやカナダ、豪、NZなどと比べて「日本は介入に距離を置いている」との見方が海外勢の間でも広がり、円が短期筋の買い仕掛けのターゲットになってきたわけだ。

 この日も財務相は、午前に最近の円相場の乱高下は「誤差の内だ」としたが、正午前には再び「円高是認など一言も言っていない」。しかし、財務相発言を手掛かりとした短期筋の売買が一巡しかけたこともあり、市場では「さすがに見慣れてきた」(先の都銀)とようやく反応が鈍り始めた。

 ある邦銀のチーフディーラーは「まだ政権を取って間もないせいか、発言に一貫性がなく慣れていない印象を受ける。短期筋は一言一句を捕らえて売買を仕掛けるかもしれないが、真意の見極めには少し冷静に、長い目で見る必要がありそうだ」と話している。

~ロイターより~

異例の「太陽活動低下」は今後どうなる?

2009年09月28日 20時35分35秒 | 宇宙
1年以上ぶりに、太陽の表面に2つの黒点が姿を見せた。予想を超えた太陽の静寂も、これで終わりになるかも知れない。冒頭の写真は、現在観測されている黒点のひとつ『AR 1026』のものだ。

太陽フレアは通常、約11年周期で活動が増減している。黒点活動の勢いは2008年中に増すと考えられていたが、実際はそうならなかった。そして2009年になっても活動度は上がっていない。太陽黒点が観測されない無黒点日が、2009年に入っても約8割を占めている。

このような太陽活動の少なさは、これまでの約100年間に見られなかったものだ。[2008年の無黒点日数は266日。1860年以降の過去150年の記録では、無黒点日が最も多かったのは1913年に記録された311日であり、2008年の記録は歴代4位に入る。]

太陽黒点の活動は、地球が太陽から受けとるエネルギーの総量と相関関係にあり、黒点活動が大きく変化すると地球の気候にも影響がある。そのため、黒点活動には気候変動の観点から特別な注目が集まっている。

今年5月などには大きな黒点が観測され、通常の状態へ戻る前兆ではと思われたものの、消失し黒点がない日々に戻った。今回観測された黒点活動も、活動が低下した期間の終わりを告げることにはならないかもしれない。

17世紀初頭にガリレオが初めて太陽黒点の科学的観測を行なって以来[観測記録自体は紀元前のギリシアや中国にも存在する]、人類は黒点をずっと数えてきた。[11年周期については、]1745年から現在まで28回のサイクルが記録され、それぞれの周期の長さには変化があることが観測されている。米航空宇宙局(NASA)で黒点観測の主任だったMichael Kaiser氏が、2009年に入って、今回のレベルも「通常の極限から外れてはいない」と語ったのはこのためだ。

(きちょうめんな人のために記しておくと、太陽の[磁場の]極性が入れ替わるため、専門的には、11年周期は実質的には22年ともいえる)。[約11年周期で増減する太陽黒点のサイクルは、古い磁場が一方の極から引き剥がされてもう一方の極まで達する周期に対応しており、1周期ごとに太陽磁場は反転する。11年周期をシュワーベ周期、2つの連続するシュワーベ周期のセットをヘール周期と呼ぶ]

[年輪年代学による14C蓄積量分析によって過去1万1400年間の太陽黒点数を分析した結果によると、過去70年間の太陽活動レベルは例外的に高く、同程度の規模での活動は8000年以上前に遡るとされる。また、太陽の磁気活動がこのように高レベルであるのは過去11400年間の10%前後に過ぎないという。

人間による科学的観測が始まって以降、何度か極小期が繰り返されており、例えば1645年から1715年にはマウンダー極小期と呼ばれる、太陽黒点数が著しく減少した期間があった。通常であれば約4万〜5万程度観測されるはずの黒点が約50を数えるだけになった期間であり、中世における小氷期中頃の寒冷期の原因のひとつとされる。

Wired Newsより

ダイワのワカサギ用ハンディ魚探?

2009年09月28日 20時22分10秒 | 家電・生活用品
ダイワ精工は、ワカサギ用ハンディ魚探「Crystia(クリスティア) ワカサギ FL - 20」を発売した。同製品は、リアルタイムで探知を行うフラッシャー方式を採用した魚群探知機で、動きの速いワカサギの群れが、今そこにいるのかを知ることができるという。

高輝度LEDを使用した円形表示部を持つ本体と、一部のバッテリも収納可能な架台、電源コード、そして振動子(超音波センサー)がセットになっており、使用時には振動子を本体に接続して水中に吊り下げる。

対象物の状況を円形表示部の色で知ることもでき、魚群の場合は多いか少ないのかを、水底の場合は硬いのか柔らかいのかを判別可能。また、仕掛けが到達している水深を映し出す反応の精密さに加えて、特定の範囲を拡大表示させることもできるという。測定できる最大深度は60m。

価格は4万7,500円(税別)となっており、バッテリは別売。同社の電動リール用バッテリをコードを介して接続するか、同社「スーパーリチウムBMシリーズ(BM1600 / BM2000等)」を直接接続する方法のどちらかで電源を確保するとのこと。

ここまでするのか…
ワカサギFL-20

スピッツァー、惑星誕生の瞬間を観測か

2009年09月28日 20時20分37秒 | 宇宙
 1000光年先の恒星LRLL 31の周囲に発達した惑星形成円盤の想像図。若いLRLL 31を取り巻くちりの円盤の内側で、物質塊が圧力を加えている様子が描かれている。スピッツァー宇宙望遠鏡の最新データに基づいて天文学者が推測し、NASAが発表した。

 旋回する円盤は星間物質から成り、惑星の形成材料となると考えられている。スピッツァーは内側の円盤からの赤外線を5カ月にわたって観測し、光度と波長が2~3週間の周期で変化を繰り返していることを突き止めた。まさにリアルタイムで惑星が生まれようとしている瞬間を観測した可能性が高いと天文学者は考えている。

巨大コールドスポットの存在に疑問

2009年09月28日 20時19分14秒 | 宇宙
 10億光年という広がりを持つ巨大な“コールドスポット”(冷たい領域)は宇宙の位相的欠陥なのか、謎のスーパーボイド(空洞)なのか、あるいは平行宇宙の痕跡なのだろうか。2004年に発見されて以来、この異常に冷たい宇宙の領域についてさまざまな学説が唱えられてきた。

 しかし今回新たに発表された分析結果によると、コールドスポットは単なる統計上の虚構であり、特別な存在ではないという。「今回の発見で、コールドスポットの存在を根本から考え直さざるを得なくなった」と、研究に参加したアメリカにあるミシガン大学のドラガン・ハッテラー氏は話す。

 同氏とその同僚レイ・チャン氏は今回の研究に当たり、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の温度地図を調べ直した。CMBはマイクロ波の拡散放射であり、ビッグバンの名残といわれている。この地図によると、CMBの平均温度は約2.7ケルビン(摂氏約マイナス270度)である。ところにより若干暖かかったり冷たかったりする小さな領域があるが、その差はマイクロケルビン(100万分の1ケルビン)に満たないわずかなものだ。

 しかしCMBの温度地図が作成された当初の研究で、平均温度より約70マイクロケルビン低い異常に低温な領域がエリダヌス座の方向に発見された。宇宙でここだけ温度偏差が非常に大きいのだ。これは衝撃的な発見だった。ビッグバンで作られた初期宇宙は基本的に均一だったというのが通説だったからだ。

 コールドスポットに関しては、CMBを吸収する巨大なガス雲、あるいは物質の存在しないぽっかり開いた宇宙の穴といった見方や、かつてわれわれの宇宙と平行して存在していた別の宇宙の痕跡という説さえ発表されている。

 しかしハッテラー氏とチャン氏はいま、それらの学説をくつがえそうとしている。コールドスポットは、CMBデータの調査で一般的に使われている統計手法の副産物であると彼らは考えているのだ。それは、球状メキシコ帽型ウェーブレット(Spherical Mexican Hat Wavelets)と呼ばれる手法である。

 Webサイト「arXiv.org」で発表された今回の研究では、もっとシンプルな2通りの統計手法が採用された。そして分析の結果、コールドスポットで確認されたCMB平均からの温度偏差は、宇宙のほかの領域と大差ないことが判明したのである。

 しかし、スペインにあるカンタブリア大学の天体物理学者パトリシオ・ヴィエルバ氏は、「コールドスポットは異常な領域である」という考え方を変えず、次のように主張している。「統計手法の精度にはばらつきがある。球状メキシコ帽型ウェーブレットと違い、今回採用された手法は単純すぎるため、CMBの温度揺らぎを正確には調べることができない」。

 さらに同氏は次のように例を挙げて説明している。「CMBの暖かい領域や冷たい領域が丸みのある形状をしている場合は、メキシコ帽型の方が検出しやすい。また、複数の異なるスケールでCMBを調べる際にもメキシコ帽型の方が高精度だ」。

死んだクジラを食べ続ける海の掃除屋

2009年09月28日 20時17分16秒 | サイエンス
 死んだクジラだけを食べる新種の生物が9種類発見された。バラエティーには欠けるメニューだが、クジラ1頭の死体で20年間、何世代も食いつなぐことができるという。

 海底でクジラの死体にありつくこの虫は、スウェーデンとカリフォルニア州沖で遠隔操作の潜水調査船によって収集された。腐食性の多毛類(ゴカイなどの仲間)の一種で、朽ち果てていくクジラの骨を覆うバクテリアを食べることに特化している。DNA鑑定を行ったところ、未知の種であることが確認された。

 研究成果を発表したスウェーデン、ヨーテボリ大学のチームに所属する動物学者ヘレナ・ビークルンド(Helena Wiklund)氏によると、ヌタウナギやサメなどがクジラの肉を食い尽くした後に、この長さ2センチほどの虫たちの出番になるという。

「クジラの大きさによっては、何世代にもわたって20年ほど住み続けることもできるだろう。大きなクジラの骨は非常に長い間、海底にとどまるから」と、ビークルンド氏は言い添える。

 しかし、ついにクジラが食べ尽くされると、虫たちは別のクジラの死体を探さなければならない。これは相当な長旅になる可能性もある。

 この小さな生物がどのようにクジラからクジラへと渡るかは、いまだ謎のままだ。ただしビークルンド氏によると、多毛類の中には微小な幼虫期に海流に乗ることができる種もいるという。「クジラの死体はかなり長い間、油脂を漏らし続けることがある。おそらく、幼虫たちは水中でこのにおいを感知して、次のクジラに狙いを定めるのだろう」。

 深海に沈んだ巨大なクジラの死骸に依存する生物は鯨骨生物群と呼ばれ、熱水噴出孔などのバクテリアに依存して生きる生物がクジラの骨を他の海域へ拡散するため足がかりにしているのかもしれない。

ギザの大ピラミッド、着工日特定?

2009年09月28日 20時14分38秒 | サイエンス
 エジプトにある“ギーザの大ピラミッド”の建設はいつ始まったのだろうか。その正確な日付を特定しようというプロジェクトが最近調査を終え、紀元前2470年8月23日という結果を発表した。

 今回調査を行ったエジプトの考古学チームは、“ソティス”と呼ばれていた恒星(現在は「シリウス」)の出現記録を基に、大ピラミッドの建設着工日を算出したという。

 ソティスは毎年、ナイル川が氾濫する時期になると、明け方の空に突然姿を現したと言われている。

 調査チームを率いたエジプト最高考古庁前長官のアブデルハリム・ヌール・エルディン氏は次のように話す。「当時ソティスは、氾濫期の始まりを告げる星だった。大きな建物や墳墓、寺院などの建設工事もそれに合せて着工された」。ナイル川が氾濫すると肥沃な土砂が運ばれ、流域に豊かな恵みがもたらされる。古代エジプトでは、氾濫期が始まる頃は縁起の良い時期とされていたのである。

 一方、歴代のファラオは、即位と同時に自らの墓の建設を始めたと言われる。エルディン氏らによれば、ギーザの大ピラミッドに埋葬されたと考えられているクフ王がファラオに即位したのは、紀元前2470年だという。

 そこで調査チームは、紀元前2470年にソティスが姿を現した正確な日付を特定するため、現代の暦と古代エジプトの暦、それにソティスの公転周期とを比較した。

 その結果、ソティスが現れたのは7月17~19日で、その35日後の8月23日に氾濫期が始まったという結論に達した。

「ソティスの出現時期を基にして、毎年訪れるナイル川の氾濫時期を特定しようというアイデアは理にかなっている」。こう話すのは、アメリカ、シカゴのアドラー・プラネタリウムで天文学を研究するマーク・ハンマーグレン氏だ。

「太陽暦を基にすれば、ソティスは毎年ほぼ同時期に出現するため、その時期がわかればナイル川の氾濫期も正確に特定できることになる」。

 ハンマーグレン氏は、エルディン氏らが算出したソティスの出現時期について、その他の研究者らの推定結果から判断しても、ほぼ間違いないと見ている。

 ただし、古代エジプト人がソティスを観測できるかどうかは、その時の天候にも左右されるため、年によってはソティスが初めて現れた日付が正確でない可能性もあるという。

 ギーザの古美術品管理の最高責任者であるマフマド・アフィフィ氏も、クフ王がファラオに即位した正確な年を特定する研究に関心を寄せている1人だ。

 古代エジプトでは、新しいファラオが即位するたびに、その年を0年とする記年法が用いられていた。そのため、当時の出来事が起こった年月日を西暦に換算することは難しいことが多い。

 その上、古代エジプト人は政略的動機から史実を改ざんすることが少なくなかったため、記録に残っている歴代ファラオの統治年もあまり信頼できない。

 クフ王の正確な即位年については、現在も研究者の間で活発な議論が交わされている。中にはエルディン氏の調査チームが特定した日付より139年も前だという研究結果もある。

 そんな中アフィフィ氏は、当時の大事業だったギーザの大ピラミッドには、設計に相当の期間が費やされた可能性が高く、建設着工もクフ王が即位した年には間に合わなかったのではないかと見ている。

 アフィフィ氏にとって、ギーザの大ピラミッドは依然、多くの謎に包まれた存在だという。「クフ王はなぜ、父親の墓があるダハシュールから30キロも離れたギーザ台地を選んで自らの墓を建てたのか。それすらわかっていない。ギーザの大ピラミッドについてはさまざまな学説が提出されているが、それがこのピラミッドの不可思議さを象徴している」と、アフィフィ氏は話している。

そんな最近出来たんじゃないと思うけれど…ひとつの案としては良いんじゃない?