上北沢暗室雑記帳

写真に関するよしなしごとを

現像にまつわるうっかりミス

2005年01月23日 17時18分58秒 | 放言
今日もまたやってしまった。リールにフィルムを巻き込んで、タンクに入れて、さあ蓋をしようとしたら、ない!。ふと見回すと、ダークバッグのすぐ脇、見えるところに現像タンクの蓋が!。なんでキミはそこにいるの!?。むなしく右往左往する両手…。 ということが、半年に一回くらいある。こうなったらしかたがない。苦笑しつつタンクを伏せて、ダークバッグからそぉ~っと手を抜いてあわてて蓋を、ということになる。幸い光線被りでパーになったことはまだない(気づいてないだけかも)。

これに比べて取り返しの付かないのが、フィルム巻き損ねの癒着。定着が終わって、現像されたフィルムにさあご対面、至福の瞬間を迎えるはずが、あっちゃー…と思わず漏れる寂しい声。フィルム同士がくっついて現像液も定着液も触れなかった部分、即ち撮影直後と同じ状態のフィルムをこうして可視光下で見てしまっているのだからもう遅い。しかもほとんどの場合、効率を上げるために、1本のステンリールに2本のフィルムを背中合わせに巻いているので、被害も2倍。これをやってしまったときは、ダメになってしまったカットの被写体にもよるが、2日くらい落ち込む。ベタを焼く暗室作業の時にもまたよみがえってうんざり。実は前回の現像で久しぶりにやってしまった。撮ったのがたいしたものではなくて軽傷だったが、もう20年以上やってていまだこのザマに情けなくなる。同時に、高校写真部で現像を覚えた頃はこの失敗の常習で、よく先輩に怒られたのを思い出してしみじみ。

もうひとつ、いまだに時々やってしまう失敗、現像開始時刻の未確認。タンクに現像液を入れるとき、キリのいいように○時○分丁度に液が入り終わるよう腕時計の秒針ばかり睨んでいて、肝心の何分に開始したかがわからなくなってしまう、ということがたまにある。現像液注入後に、30秒の連続撹拌を終えると、とっととメスカップを洗って停止液と定着液の準備、冬場は定着液の湯煎も、なんてバタバタやってる間に完全に時間がわからなくなる。途中で1分に一度5秒間の撹拌はやっているのに、やはり秒針しか見ていない。えーっと、連続撹拌の後に2回撹拌したっけ、いや、3回だったか…?。アンダーよりオーバーの方がましだけど…などと苦渋の決断のかいなく、結局1分オーバーでべったり黒いネガにため息を付くことも何度か。

以上のうっかりミスとは別次元だが、リール根本の現像ムラや、乾燥時のホコリとか、いまだ完璧な現像にはほど遠い。外注して実をとるより、失敗しながらプロセスを楽しもうと思う。全くのルーチンワークに嫌気がさすこともしばしばなのだが、定着後にタンクを開けて塗れたフィルムを光にかざす瞬間は、やはり得難いものだ。
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