昭和特撮ヒーロー列伝「ウルトラマン８０」

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【放映】１９８０年４月２日～１９８１年３月２５日

【話数】全５０回（カラー）

【制作】円谷プロ

前年の『ザ☆ウルトラマン』はアニメでした。
実写でなかったストレスも確かにあった。
そこで始まったのが『ウルトラマン８０』だった。

とにかく「実写」であったことが嬉しかった。
もう、私は高校生になっていたが期待していた。
ウルトラマンがテレビに帰ってきた。

放送開始前、「ＴＶガイド」で写真を見た。
頭部が「マスク」でなく「ヘルメット」状。
（これによって等身が縮んで見える）
口の形状が歴代のどのウルトラマンとも違う。

確かに「違和感」はあったのだが期待が打ち消した。
それだけ渇望していたのだ。

怪獣が出現しなくなって５年。
オオヤマキャップ以外戦闘経験のない防衛隊。
８０年代に入って時代は変わっていた。

そんな中に登場した新しいウルトラマンは教師。
多分に『３年Ｂ組金八先生』の影響があるようだ。
子供たちを導く先生ヒーロー。
この設定は良かったのだが、続かなかった。

学校設定を活かすための引き出しがなかったのか。
それとも「怪獣モノ」という非現実との関係か。
第２クールからＳＦ色が強くなる。
「ウルトラ」としてはこれはこれで面白かった。
ただ、路線変更による中途半端感は拭えなかった。

後半はさらにコメディ色が強くなり「ジャリ番」化。
さすがに高校生の私は付いていけなかった。
ゴモラやバルタン星人。セブンやレッドキング。
この辺りのテコ入れも虚しく空を切った。

城野エミ役の石田えり氏が途中降板。
大人の事情もあったのだろうが実に残念だった。
ハッキリ言ってユリアンのせいで死んだわけで。

ユリアンはそんなエミに命をあげるべきだった。
本来、ウルトラマンならそうしているはずだ。
で、最終回、本来の姿に戻って帰れば良かったのに。

最終クールで猛とエミのダブルウルトラマン。
こうなっていたらちょっとは違ったかも。
この方がスムーズにユリアンを登場させられた。
最終回への流れも良くなったのではないか。

まあ、愚痴を言えばキリがない。
本作を最後に昭和のウルトラは幕を下ろした。

海外制作の『グレート』・『パワード』・『ＵＳＡ』。
劇場版コメディの『ゼアス』・『ゼアス２』。
「ウルトラ」はどこへ行くのかと憂鬱になった。

１６年。日本でのＴＶシリーズは制作されなかった。
１９９６年。ＴＶでティガが復活するまで・・・。