まあーだだよー 2013年02月05日 17時22分00秒 | 詩 こう 何日も温かいと ぱっと 咲きたくなる だれよりも 早く咲きたくなる でも 慌ててはいけない 足元の いぬふぐりだって はやる気持ちを ぐっと 押さえている さあ だれかさんが あわてん坊かな
ブログ再開します 2013年02月04日 17時14分27秒 | 詩 この時期にしては異常な温かさに誘われて野路を歩いた。私も術後4ヶ月経ち日々しのぎやすい状態になった。 放牧された牛に暖かく迎えられ、お互いに挨拶を交わした。「おまえ様も春が待ち通しのかい」と牛に問えば「そうそう」と大きな瞳が答えた。 野路歩けば、傍らには黄色のタンポポが土に張り付くように、したたかに咲いていた。タンポポに負けてはおられない。
晩秋の朝顔の歌 (はしちゃんの詩)より 2012年11月20日 17時42分23秒 | 詩 空の青と 同じ色した朝顔の花が まん丸な実をつけたまま 枯れてしまった ひんやり秋風が 通り抜けるたびに 竹格子にからまったつるが 歌いだす しゃらんしゃらん しゃらんしゃらん そっと寄り添う 朝顔の実も 一緒に歌い始めた しゃらんこ しゃらんこ
秋の終幕 2012年11月18日 17時08分15秒 | 詩 黄金色の衣脱ぎ捨てた 背え高のっぽの 銀杏の木に肩ぐるまされて 青い青い空に そっと そっと 触れてみようか ほろろん ほろろん それとも 根方に拡がる 黄金色の落ち葉の ふかふか布団に まどろんで見ようか ほろろん ほろろん はしちゃんの 思い出袋は もう 秋で いっぱいだ
うろこ雲 2012年11月16日 17時35分57秒 | 詩 ひょい ひょい ひょうーいっと 飛んだよ うろこ雲の上を飛んだよ ふわり ふわり 軽い身体を傾いで 雲間から覗くと 秋色に染まる古里が 静かに息づいているよ もし これが夢なら 目覚めないで欲しい 世のしらがみ捨てた この軽い身の心地よさを もう少し下さい
すすきの終演 2012年11月13日 17時25分10秒 | 詩 ひつじ雲と 白さきそって 波おどりに夢中だった すすきの穂が だんだん やせ細りはじめ 秋風の 冷たいため息を聞いている でも だいじょうぶ 来年も 十五夜のまん丸お月さまに似合いの すすきの穂が 草原を埋め尽くすにちがいない やがて 冬日に散り逝く やせすすきに はしちゃんは ちいさな ちいさな さよならをした
うめばちそう (はしちゃんの詩)より 2012年11月11日 15時54分35秒 | 詩 秋風に 枯れ草がカサカサと歌う草原に 牛が2頭 佇んでいる 茶色の大きな瞳が 沈みゆく夕日を追っている 取り残された不安か 迫り来る冬への不安か 夕日に照る牛の背なは 動かぬ哀愁を 背負っているかのようだ うめばちそうの 白い花が 牛の瞳のなかで ふるふる ふるふる 小さく揺れている
秋の陽だまり (はしちゃんの詩) 2012年11月09日 18時27分02秒 | 詩 この廃屋の庭に 黙って立ち続けて 幾年が過ぎたことか 「おーい 今年は不作だなあ』と 語りかける あるじは もう居ない 小春日和の午後の陽を むさぼる柿の実 ひとつ 時間だけは 刻々と過ぎ行くばかり
どうして泣くの (はしちゃんの詩)より 2012年11月07日 17時30分47秒 | 詩 あら 泣いてるの? そんな可愛い顔して泣くなんて みんなみんな 悲しくなるじゃないの 夏に戻りたいって? そう言えば 夏の夜に咲くレース状の真白な花は 優し気でしなやかで 奇麗だったね さあ 涙をふいて 里山で一番の 可愛こちゃんよ 秋の終幕を 悔いのないように 華やかに引いてちょうだいな (烏瓜讃歌)
すずかけの実 (はしちゃんの詩)より 2012年11月05日 17時12分18秒 | 詩 小さな丘にそびえ立つ すずかけの実が欲しいと 母にねだると 「父ちゃんに言って」という すずかけの実がどうしても欲しいと 泣きべそ顔で父にねだると 「母ちゃんに言え」と. . . . あれから何十年 秋霖の空にぶら下がる すずかけの実が「ふふふっ」と笑う あの日のページを もう一度欲しいと すずかけの実を仰ぎ見ながら 問うてみる