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ふいご屋の日常

ポジティフ・オルガン&チェンバロ貸出屋の傍ら歌手、の日記

お勧め演奏会情報~【5月25日Salicus Kammerchorデビューコンサート】

2015-05-19 21:43:32 | オルガン
先週土曜日の、ラモーのオペラ=バレ<優雅なインドの国々>にはたくさんのお客様にお越しいただき、ありがとうございました。
久しぶりのオペラ出演を終え、これからしばらくはまた楽器屋としてのお役目が続きます(歌い手の活動、来年の分はいくつか決まっているのだけれど)。

次は東京藝術大学バッハカンタータクラブのメンバーを中心とした若手声楽家の方々による、新しいアンサンブルの旗揚げ公演をお手伝いします。

Salicus Kammerchor第一回演奏会
2015年5月25日(月) 19時15分開演 於 武蔵野市民文化会館小ホール
 

S 金成佳枝・鏑木綾・中須美喜・山口紗知
A 岩渕絵里・野間愛・前島眞奈美・井川弘毅
T 金沢青児・富本泰成・沼田臣矢・渡辺研一郎
B 青木海斗・大津康平・谷本喜基・西久保孝弘

Vc 小林奏太
Org 田宮亮

指揮 櫻井元希

<プログラム>
J.S.バッハ/Singet dem Herrn ein neues Lied BWV255(a 8) ほか、グレゴリオ聖歌、イザーク、ラッソ、パレストリーナ、セルミジ、モンテヴェルディ、プレトーリウス、シュッツ、シャイン、パッヘルベルの諸作品。

https://twitter.com/salicus_kc

メインに大バッハのモテットの至宝を据え、その音楽世界に至る中世以来の諸傑作を組み合わせた、考え抜かれたコンセプトのプログラムです。
皆様のお越しを是非ともお待ち申し上げております。



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お勧め演奏会情報~ベルニエのルソン

2015-03-31 21:10:26 | オルガン
棕櫚の日曜日をバッハのマタイ受難曲の現場で過ごした後、この聖木曜日にはこのフランスバロックの受難楽に自分も初めて邂逅します。

★光を求めて★ ~暗闇の祈り~
~ニコラ・ベルニエ(1664~1734パリ)のルソン・ド・テネブル ほか

2015年4月2日(木)15時半~(昼公演)、19時半~(夜公演) 於 近江楽堂(初台/東京オペラシティ内)
ソプラノ:居森優子・染谷熱子 ヴァイオリン:阿部まりこ ヴィオール:中山真一 オルガン:堀切麻里子




ニコラ・ベルニエのルソンを初めとして、コアな古楽愛好家の方々でも実演に触れる機会の少ない秘曲の数々が演奏されるとあって、何より私自身がとても楽しみにしている企画です。皆様のお越しを是非ともお待ちしています。

ところで、自分が提供する久しぶりの「特殊仕様のオルガン」に、今回指定のピッチとテンペラメントを仕込むのは初めて、であるような(^^)

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またもや本邦初の企画(おそらく)

2015-03-20 10:03:30 | オルガン
またもやご無沙汰してしまいました。当ブログは放置状態に近くお恥ずかしい限りではありますが、昨年はオルガンとチェンバロのコンサートへのご提供、歌い手としての活動が例年以上の量であった他、CD録音やTV収録への楽器提供、あるブックレットのお手伝いなど、別のジャンルに関してお声掛けいただく機会も増えて参りました。この世界に仕事として関わり始めた10年前に今のような状況は予想できなかったことではあり、これもひとえに皆様のご愛顧の賜物と厚く御礼申し上げる次第です。

イタリアのオルガンビルダーGiovanni Pradella氏との協同の、真に伝統的な手法を用いて造られたイタリアバロックオルガンを用いては、これまでにも多くの魅力的なプログラムに関わらせていただいてきましたが、このたびの企画もおそらく日本で初めての、注目すべき演奏会と思われます。
(1/4ミーントーンのイタリア様式のオルガンによってあの「フィオーリ・ムジカーリ」の全部が演奏されたことはこれまでに無い筈。加えてこの調律のための委嘱作品までもやってしまうのですから、なんて意欲的なことかと…)

このようなお話に関わらせていただけるのですから、とてもとても今のお仕事は辞められません(笑)。是非とも皆様のお越しをお待ち申し上げております。


ジローラモ・フレスコバルディ≪音楽の花束Fiori musicali≫全曲+中全音律オルガンのための委嘱新作ほか
2015年3月28日(土)15時開演 於 日本基督教団本郷教会(JR西荻窪駅北口より徒歩10分)

オルガン/大井浩明
(オルガン提供・調律/石井 賢)

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生存確認…

2014-11-17 15:31:45 | オルガン
完全に放置状態に陥っているのに、毎日何人もの方にご訪問いただき心苦しい限りです。気がついたら放置期間はあわや1年になろうとしていて…
手持ちの楽器を出したり、他人のチェンバロを運搬調律したりの相変わらずの仕事ぶりですが、ひとまず春からの現場のいくつかを並べておこうかと(敬称略)。


小林道夫指揮松本バッハ祝祭アンサンブル<バッハ/ロ短調ミサ>2月11日 松本ザ・ハーモニーホール

大塚直哉指揮<メサイアVol.3>3月23日 姫路パルナソスホール

野中裕指揮合唱団スコラ・カントールム<バッハ/マタイ受難曲>7月6日 石橋メモリアルホール

パーセル・プロジェクト2014 10月17日 日本福音ルーテル東京教会

渡邊順生指揮<モンテヴェルディ/聖母マリアの夕べの祈り>10月26日 一橋大学兼松講堂

エンリコ・オノフリ&チパンゴ・コンソート<ヴェネツィア、霧の中の光>11月16日 石橋メモリアルホール


今年の仕事もまだまだ続きます(歌でもチェンバロでも)。レガールとイタリアンオルガンをもう少し出したい、というところ。
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お勧め演奏会情報(12月28日)

2013-12-23 12:37:06 | オルガン
ブログもWebページの方も更新が止まっているのでまたもや消息を尋ねてくる方もいらっしゃいますが、はい、歌も楽器屋としても引き続き普通に活動しております。ひとえに本人の怠慢ゆえの結果。お恥ずかしい限りです(仮にも廃業したわけではありませんですよ 笑)

この秋はバッハのカンタータの難曲ソロを歌わせていただいたり(http://blog.goo.ne.jp/nirasaki_church/e/f7b97cf5c02de033553bb53c1fd69cc2)、お馴染み「北とぴあ国際音楽祭」のメイン公演(フィガロの結婚)に混ぜていただいたり、レガールの出動が続いたり(アントネッロによる<オルフェオ>公演等)とかなり盛り沢山。出動件数は昨年比横ばいですが、今年もまた心躍るような現場に加えていただき、感謝の一年でした。
…と、一年の総括はまたあらためるとして、本年最後の、お勧めしたい演奏会のご案内を。

★二台オルガンのコンサート★
~Le vend souffle ou il veut~
(風は思いのままに吹く)

2013年12月28日(土) 15時開演 於 日本基督教団本郷教会(杉並区上荻)

G.ガブリエリ:二重合唱のための作品(2台オルガン用編曲版)
G.F.ヘンデル:『水上の音楽』より
J.P.ルゲイ:2台のオルガンのためのカプリッチョ
ほか

オルガン:梅干野安未 堀切麻里子
(使用オルガン:Giovanni Pradella Bottega Organara2010年建造=礼拝堂正面右側に配置、および草苅オルガン工房2001年建造=後方バルコニー上に配置)

全席自由2000円(前売り1800円)、ペア券3000円

3年前にデカいイタリアンのオルガンがやって来て以来、それと同様の規模のオルガンとのデュオコンサートがあれば素敵だろうにと思っていたものですが、昔から親しくさせていただいているお二人がその企画を作ってくださいました。

そういうわけで、ディスポジション、風圧、鍵盤の様式など、両者で重なる部分と異なった部分とが複雑に織りなすこの2台のオルガンの響きは自分にとっても初体験。教会の、据え付け型のオルガンの調整調律はポジティフに比べれば格段に手間がかかる中、自分もイタリアンとの折り合いを慎重に図りつつ準備を進めているところです。

お二人のオルガニストによる素晴らしいオルガンデュオをお楽しみいただきたく、皆様のお越しをお待ちしています(お二人の、それぞれのソロもあります)




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2013年楽器研究+イタリア演奏旅行(10) ~ボローニャのタリアヴィーニコレクション(5月15日)

2013-06-06 17:39:02 | オルガン
演奏会の翌日、他のメンバーの面々がムラーノ島のヴェネツィアンガラスの工房に行ったり、フィレンツェ弾丸ツアー(驚)を敢行した完全オフのこの日、自分は単独行でボローニャに行ってまいりました。

オルガニストにして音楽学者のLuigi Ferdinando Tagliavini氏の膨大な鍵盤楽器のコレクションは以前より有名でしたが、近年、元教会のお御堂である現施設に移されて公開されるようになりました。今回はそれを狙ってヴェネツィアから出掛けたという次第。
場所はマッジョーレ広場から中央駅の方向に少し戻った辺り。

博物館に収められた歴史的鍵盤楽器を弾けるケースは本当に限られていて、一般的には所有者側と個人的なつながりがあるか、あるいは伝手のある人から紹介状を得るなどをしないと試奏は叶いません。今回は以前より複数の人を介してコンタクトするルートのあった、高名なオルガニストでありここの館長を務めるLiuwe Tamminga氏にアポイントを入れてこの訪問が実現したのでした。というわけでこんなにまとまった数のオリジナルのチェンバロの類を弾くことができたのはかなり久しぶり。「友達の友達だから、我々も友達だよねー」と快く申込みを受けてくれたTammiga氏、彼とのコンタクトの指南をしてくれたオルガニストYさん、オランダのビルダーIさんなどなどに大感謝です。

この楽器コレクションはTagliavini氏がお祖父さんの遺産として相続した管楽器数本から始まったようですが、現在はその大部分がチェンバロ、ピアノを中心とした鍵盤楽器で構成され、数は数十台にも及ぶのだそう。そんな楽器が並ぶ様子はヨーロッパ各地の大きな楽器博物館での光景とさして変わるところはないようにも見えますが、これが個人コレクションだと認識した瞬間、やはり度肝を抜かれる思いがしたのです。

さすがにこれらすべての楽器を触るのは時間的にも不可能なれど、いくつかを自由に試奏させてもらえました。
チェンバロではやはりこれ。Giovanni Battista Giusti(1679)。インナーアウターモデル。音域GG,AA-c3。ディスポジションは2×8'、1×4'。


気がついてみればチェンバロよりもずっと長時間試していたのはオルガンの2台。一つは17世紀後半のパルマのビルダー一派による、お御堂の正面に鎮座するこのような美しい楽器。

それと向かい合うように階上のバルコニーに置かれたのはPetronio Giovagnoni(ボローニャ)~1760年頃。

イタリアに来たにも関わらず、旅程のここに至るまで堪能する機会があまり多くなかったオリジナルのイタリアン・プリンチパーレの音に邂逅し、あらためて大興奮したのであります。

滅多にお目にかかれないような楽器も多数。そのような楽器の最右翼と思われるのはフィレンツェの製作者Giovanni Ferrini(クリストフォリの弟子の由)による「ピアノチェンバロ」(第一鍵盤がチェンバロ、第二鍵盤がフォルテピアノ)~1746年。このタイプの楽器としては最古のもの、とBoalchが書いている。


楽器本体はイタリアン、アウターケース(マホガニー製)やスタンドがいかにもイギリス趣味のチェンバロというのはこれ。ボローニャの製作者Gocciniによる、イギリスの貴婦人のためのウェディングプレゼント~1721年。


などなど、いちいち挙げていったら本当に切りがありません(汗)。気がついたらあっという間に2時間が経過。
ここでTamminga氏から思いがけず素敵な贈り物が。もうあまり時間が無いのでちょっとだけだが、と、コレクションからほど近いサン・ペトロニオ聖堂に案内され、この名手による、銘器の誉れ高いオルガンのデモンストレーションを間近で聴くという恩恵に浴することになりました。自分がコンソールまで上げてもらえたのは2つあるうちの使徒書簡側の楽器=Lorenzo da Prato, 1471-75, Giovanni Battista Facchetti, 1531。写真から、これが12フィートオルガンであることがお判りでしょうか。黒鍵はGis/Asは分割されているが、Es/Disの方は分かれてなかった。


かくして、Tamminga氏の厚意に完全におんぶした形の楽器コレクション訪問はこれで終了。ブレーメン近郊のシュニットガーの試奏から始まったこの旅の楽器研究のセクションはこのように夢心地のうちに幕を閉じたのであります。ああ、楽しかった。

遅い昼ごはんを食べた後は(その他の音楽関係施設は3年前に訪問していたこともあって)そのまま再びヴェネツィアへとんぼ返り。










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2013年楽器研究+イタリア演奏旅行(5) ~ウチの楽器の姉妹楽器編@スイス

2013-05-31 23:39:22 | オルガン
今回の旅行では、自分の持っているオルガンと同じ製作者のものを複数台見る機会があったことも、いつもには無い体験でした。以下の楽器をアレンジしてくれた現地在住のお友達お二人に大感謝。

5月10日 Orgelmakerij van der Putten(Spät mittelalterige Orgel 2010)~Privatbesitz



自分のポジティフとレガールを作ってくれたオランダのWinold van der Puttenは、以前より楽器図像学を駆使して中世楽器を積極的に復元していて、自分もそれらを弾かせてもらってきましたが、比較的最近作られたオルガンがこれ。個人蔵(@バーゼル)。見た目はポルタティーフの親分みたい(^_^)
説明は抜きにして、ともかくその音を聴いていただきたく(次の動画はお披露目時のものだったと思います)

中世オルガンということでしたから古ーい曲の楽譜をいくつか持っていきましが、ハンス・コッターでもこの楽器にはまだ新しすぎる感じでパウマンあたりだとしっくりいったのかも。
Winoldが嬉々として作ったであろうその様子が目に浮かびました。

5月10日 Giovanni Pradella Bottega Organara(Truhenorgel im italienischen Stil 2011)~Privatbesitz

上記とは別の、私のお友達が所有している、イタリアのスタイルのOrgano di legno。見た目は少し大きめの、(いわゆる)ポジティフオルガンですが、これは一般的なGedackt(閉管)主体でなく、ごく一部を除きほとんど木管の開管で構成されているという、ユニークなディスポジション。同様の構成はインスブルックのHofkircheにある楽器に見られますが、ホント、これだと通奏低音の音響のイメージが変わります。
ジョヴァンニ、ここでも良い仕事をしていました。



スイスフランを使う間もなく、翌日は再びユーロ通貨国へ移動し、次はいよいよ「演奏旅行編」です。

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2013年楽器研究+イタリア演奏旅行(4) ~弾かなかった楽器(ヴィースバーデン編)

2013-05-28 18:09:18 | オルガン
ノルトラインヴェストファーレン州のレムゴから、今回の旅の3つ目の宿泊地であるヘッセン州のヴィースバーデンへの移動は6時間の電車の旅。まあ、そこそこ大変ではありましたが、実に20年ぶりくらいにライン河に沿った鉄路を通り、車窓からの風景を楽しめたのでありました(あ、ローレライも観たんだが、写真を撮り忘れた)。

ヴィースバーデン(および、その対岸のマインツ)は、自分にとってはこれまた1500年くらいに建造された某ゴシックオルガンを弾きに行く時の拠点ですが、今回、ここでは楽器に触ることをまったく計画せず。なので、事前情報も持たずにたまたま遭遇したこの楽器にはすぐに飛びつきました。

5月9日 E.F.Walcker & Cie(1863)
(Ev.Marktkirche zu Wiesbaden)

IV/P/85

ディスポジションは…省略(笑)



自分にとってはこのあたりの楽器はもはや守備範囲外(?)ですが、それでも昔ドイツで1850年頃のオリジナルのオルガンは数台弾いたこともあって、その時のロマン派の特有の、香り立つような音を覚えている身としては、ああ、この楽器もきっと同様の「歴史的様式の楽器」特有の芳香を残していて、同時代の曲を弾くならばどんなにぴったりなことだろう、と、やはり音を聴いてみたくなるものです。最初期のヴァルカ―に銘器は多いですし。
教会でオルガンの説明をしていたご婦人にも「もう少し長く滞在するのなら、コンサートを聴けるのに~」と袖を引っ張られる始末でした(折しも今年は最初の建造からちょうど150年経ち、記念のコンサートがいろいろとある様子でした)。で、音に触れるチャンスは残念ながら無く、資料だけ買い求めて退散。

ヴィースバーデン滞在の当初の目的は、実のところはただ一つ、現地に派遣中のN氏と一緒に楽しく美味いものを食べること(笑)。
まずは、それまで食べていなかったシュパーゲルのスープ。当然ですね(^_^)/


あるいは(前日は肉を抜いたので)、ここではSchnitzelを。


連れて行ってもらったBrauereiはこちら。お店をアレンジしてくれたSさん、ありがとう。また行きましょうね。

かくしてこの街での滞在はわずか17時間で、翌日はスイスに侵入。

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2013年楽器研究+イタリア演奏旅行(3) ~弾いていない楽器(ブレーメン編)

2013-05-27 20:37:08 | オルガン
行った先でも特にアポイントを入れていなかったので単に眺めただけの楽器もあります。備忘録として。

5月7日 Gottfried Silbermann(1734以前)
(Dom zu Bremen )

I/-/8
464.6Hz、不均等律(nach Kristian Wegscheider)
音域C,D-c3

Rohrfloete 8'
Principal 4'
Floete 4'(Rohrfloete)
Nasart 3'
Octav 2'
Sesquialtera
Quinte 1 1/3'
Suffloete 1'



Domのクリプタの中にある楽器。何度も訪れるもなぜかいまだにアポイントを入れたことがない。
結局、ジルバーマンはまだ2台しか弾いたことがないなあ^^;
この地域にG.ジルバーマンの楽器があることは珍しいが、ここに収められたのは1939年の由。

5月7日 Giovanni Pradella Bottega Organara(2011)
(Unser lieben Frauenkirche zu Bremen/Prof.Manfred Cordes)

Ⅰ/-/6
CDEFGA-c3

Principale (8’)
Flauto stoppo 8'
Ottava
Quintadecima
Flauto in duodecima
Fiffaro


ウチにあるイタリアンオルガンの姉妹楽器だが、閉管の8'一列が加わっている。本当に眺めに行っただけでした。

ブレーメンはオルガン巡りの拠点として自分には特別な街。今回もわずかな日数ながら滞在を楽しみました。
下の写真は到着した夜、お友達のご協力の下(?)ヴェーザーの畔で早速頑張って時差調整を敢行した時の食卓。で、これはSchweine Haxeのプレートでしたが、やっぱりそのボリュームに完敗。


翌日の夜はブレーメンのビールを堪能。このお店は初めてで、何とも味わい深いビールでした。また来よう(^^)




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2013年楽器研究+イタリア演奏旅行(2) ~Lemgo(ドイツ ノルトラインヴェストファーレン州)

2013-05-26 21:50:29 | オルガン
ブレーメンの宿を早朝に出て2か所目の滞在地へ移動。3回も電車を乗り換えて、着いた先はノルトラインヴェストファーレン州の町レムゴ(あるいはレムゴー)。

町の名前を言っても、そこ、いったいどこ?という反応が返ってくることが多かったのでしたが、デトモルトの北方にある、歴史ある旧ハンザ都市で情報はこちら
主だった施設をすべて見てもさほど時間がかからないような小さな町ですが、こちらはそういう町ばかり歩いて周っていて(歴史的オルガン巡りの行先は基本的には大都市ではありません)、駅から町の中心部に向かっていくにつれ、何だかいつものいい感じの光景(笑)が目の前に広がっていくので嬉しくなってきました。

5月8日 Schwalbennestorgel(ツバメの巣オルガン) Familie Slegel(1586-1595)/Familie Scherer(1612-1613)/Rowan West(2010)
(St.Marien zu Lemgo)

�/20/P 
ミーントーン 470Hz
ショートオクターヴ

Hauptwerk
Praestant 8'
Quintatien 8'
Gedackt 8'
Octave 4'
Holfloyte 4'
Mixtur 2-4f.
Scharff 3-6f.
Barpfeiff 8'

Oberwerk
Praestant 4'
Holpfeiff 8'
Nasatt 3'
Waltpfeiff 2'
Cimbell 3f.
Trumpett 8'
Zinke 8'

Pedal
Bordaunen Bass 16'
Bassunen Bass 16'
Trumpeten Bass 8'
Cornet Bass 2'
Gemshorenfloyt 1'


ご覧のように「ツバメの巣」の通称がぴったりの姿。Schnitzwerkはタンゲルミュンデとイメージが近い。

オランダのビルダー一族のSlegelによる最初の楽器は一段鍵盤、ルネサンスオルガンによく見られるような前扉が付いていたもののようであるが、これをハンブルクのScherer一族が拡大し扉も外された。この楽器もこれまた後世の改造を蒙ったが、現在見られるのはそのSchererによるちょうど400年前の姿につい最近復元されたもの。
前日のGanderkeseeの楽器と事情が異なり、この楽器に残されたオリジナルの笛はHWのPraestant8'(Scherer)のみであるが、その他の笛は他の場所に現存するSlegelやSchererの楽器の笛などを元に綿密に復元された(特筆すべきHWのBarpfeiffはミヒャエル・プレトリウスの文献からの再現)。

この楽器からは実に深い感銘を受けました。基本的に17世紀の音楽に強い関心を持っているせいもあるとはいえ、前日のSchnitgerよりもずっと仲良くなれそうな感じ(笑)。スウェーリンクやシャイデマン、ヴェックマンやブクステフーデを弾くのが楽しすぎ、この日は十分時間をもらえたこともあって市内観光をすべてやめてしっかり弾き込ませていただいたのでした(途中で疲れたのでちょっとホテルに戻ってうたた寝した後にまた戻ったり…汗)

アクセスするのがちょっと難しい場所にあるオルガンですが、自分にとってはタンゲルミュンデのScherer同様、時間をおかずにまた必ず再訪したいと思う楽器のリストに堂々と加わわることとなった次第。

この楽器による録音は、ちょうどハラルド・フォーゲル氏によるスウェーリンクのCDが出たばかり(SACD: MDG 914 1690-6)。師のインプロによる、この楽器のディスポジション紹介トラックもとても素晴らしいです。




オルガンとお別れした後は、歴史的な市庁舎前の広場でこの時季ならではの味覚を食す。当然です(^_^)





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