ふいご屋の日常

ポジティフ・オルガン&チェンバロ貸出屋の傍ら歌手、の日記

今世紀初、らしい

2011-04-24 23:25:08 | 
このところコンサートの仕事が少なくて半ば引きこもっておりましたが、ひょんなことから(否、実は少し策を弄した結果?)ある演奏会に参加させていただくことになり、今日はそのGPにお出かけ。歌うのはこれまでに何度も取り組んできたバッハのマタイ。

この曲、合唱の他にバスのソロパートはイエス以外はたしか全部歌ったのではなかったか(アリアも)。で、ボロボロになった楽譜を眺めながら記憶を辿っていくと、この曲、どうやらこの10年くらい歌っていなかったような気がしてきた。ひょっとすると、今度のステージは21世紀になってからの「初マタイ」かも。
通奏低音用鍵盤楽器を複数必要とする曲だが、今回楽器屋としての出番は無くて、その分、少し気楽(苦笑)。演奏メンバーにはちらほらとお知り合いが。こちらがいきなりGPから現れたため、ビックリした人も何人か(笑)。

調律屋の目で楽譜を読むとこの曲は実に混乱する。一般的な1/6PCでは座りの悪い曲が多く、和声感の手がかりを掴み損ねている感じがつきまとう。久しぶりに歌ってみて、これには参った。
(もっとも、元のオルガンパート譜を見れば、当時はピッチの高いオルガンで移調弾きされていたことが分かり、そのようにすると折り合いのつく調律法の選択肢が広がる、とは言えるのですが。それにしても、そんなことをつらつら考えながら歌っていた私って…。ちなみに今回の調律法は、とてもフラットな奴を使います 微笑)

本番の情報はこちら。皆様には是非お運びいただきたく、よろしくお願いいたします。
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2011年4月29日(金・祝) 14時開演 於 日本キリスト教団柏教会(JR柏駅より徒歩15分)

☆バッハ/マタイ受難曲

福音史家 鳥海寮
アルト 志田理早
バス 新見準平
イエス&指揮 中川郁太郎
K.M.C.アンサンブル
K.M.C.合唱団
全席自由 2000円
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支援、ならず

2011-04-13 21:46:48 | その他
午後のお仕事の前に、前職時代から(更に遡れば高校生の頃から)お馴染みのJR某駅前広場に出かけ、自分の田舎の農漁業の支援をばと意気込んだのでした(昨日はE官房長官がここでトマトを頬張っていたとか)。
昼過ぎに着いたところ、午前の部の販売分は売り切れ、午後の部は13時から、ということ。更に午後の分を買い求めようという人たちで広場は一杯。並んでいると仕事に遅れるので、泣く泣く諦めました。次は東京駅の八重洲口へ向かうとするか。
午後の部が始まる前にはSLの前でフラダンサーの一団が踊りを披露。ウチの田舎はあの映画で一躍有名になっていましたっけ。

遠くに東京タワーの曲がった先端を眺めつつ、てくてく歩いて仕事先に到着。今日の作業の対象は震災の影響を受けていなかったようで安堵。

ところで、昨日楽器をご案内した方がご自身のブログで採り上げてくださいました→こちら
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新しい可能性

2011-04-12 22:32:32 | オルガン
しばらくコンタクトを取っていなかったヨーロッパの某ビルダー氏と、このところ連日メールをやりとりする毎日。一年ほど前にはまだ水面下に隠れていた大きなプロジェクトの数々が、ここに来て次々に具体化してきた模様で、それらの詳しい内容を聴くのはこちらとしても嬉しい限り。
今日知らされたのは、ドイツの著名な古楽アンサンブル(ここは、まだ来日していないのでは?)の主宰者のために作られることになった新しいオルガンのプロジェクトで、そのコンセプトは自分の楽器のそれとまったく同じ(ディスポジションにわずかに異同あり)。あの団体が取り組むようなレパートリーにそのような楽器が使われる可能性には自分も着目していたわけだから、自分の見立て(?)にちょっと意を強くした次第。国内の演奏団体で同じようなことを考えるところはないかしら。

今日は鍵盤楽器奏者でないある方にオルガンをご紹介。こちらでも新たなアイディアが出てきそうな予感。
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無題

2011-04-11 20:54:05 | その他
あれから1ヶ月。
少しでも揺れるとキュンキュゥンと鳴くようになってしまった我が家の看板犬。頻発する余震が終息に向かうのはいつの日か。
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千客万来の週

2011-04-10 20:29:01 | オルガン
昨日の仕事が終わり、これからまたしばらくコンサートの仕事が無い日が続くものの、その代わりに今週はお客さまの来訪が重なっていて何かと忙しい。

今日はイタリアンオルガンの置場所のごくご近所にお住まいのオルガニストS氏がお試しにお越しくださいました(自転車で10分かからない距離だとか)。つい先日いらっしゃったW氏と同じく抜群の鍵盤コントロールの持ち主で、それを見ているこちらも溜め息が出そう。こういう方々に弾いてもらえると楽器は格段に成長するから、ありがたいことです。
W氏も試していましたが、この楽器でメインのレパートリーである17世紀イタリアもの以外の曲を弾いても、少しも違和感を感じさせない場面多し。今日のお試しではなんと古典派の曲が跳び出し、これが意外なくらいぴったり。自分もこのような様式のオルガンの汎用性は高いと思っていたところですが、ひょっとするとこちらの想像以上の使われ方があるのかも。
この後も、今度は鍵盤楽器奏者以外の方の来訪の予定あり。それらの方々からどんなアイディアをいただけるか楽しみな一週間となりそう。
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7時間、一気に駆け抜けた仕事(苦笑)

2011-04-09 21:07:25 | オルガン
満開の桜咲く上野公園の中の、ご存知、国の重要文化財の木造ホールにオルガン出動。出動したコンサートはこちら。この演奏会場での使用には圧倒的なアドバンテージを持つ(笑)ウチのポジティフオルガンを持ち込みました(ただ、イタリアンを運び込むのはさすがに無理だよな)。もう何度も出動しているから、難しい搬入作業もなんのその。でも、やっぱり「フラットにステージに運び込めるところがいいなあ」というのは…本音(苦笑)。
マエストロ氏&この合唱団とは数年前にご一緒させていただいて以来。楽しくお手伝いでき、ありがとうございました。

今日のミッションはオルガンの運搬調律だけでなく、譜めくりを含むオルガンのアシスタント。その中で今回、特に特徴的なのは「レジストレーションの選択をすべて任された」ということ。ここまでのご依頼は初めてでしたが、バス/ディスカントに分割されたストップも駆使して好き勝手にやらせていただきました。わずか3ストップであっても、ちっとは広がりのある音響像を作れたのではないかと自画自賛中です。

さて、プログラム中私が絡まない=オルガンが弾かれない曲はアンコールまで無い、ということで、自分の作業は朝一番の搬入から始まり、調律(わずか10分だったよ 涙)→リハ(終了が25分押し)→すぐに着替えて5分で昼食→開場後に調律がずれ込み(20分)→ほとんど隙間無く演奏会に突入・アシスタント→休憩中調律→後半もアシスタント→終演後本番衣装から作業用衣装に着替えて→搬出(ここの時点でジャスト16時)・・・なんだか久しぶりに「無休憩」の仕事にめぐりあっちゃったなあ、という1日だった次第。ここ数年、ここまで「休めない現場」は近年稀に見るものでした(苦笑)。

事前のタイムスケジュール上はそもそも(わずかとはいえ)30分は空き時間があったのでちょっとだけでも上野公園で桜を愛でたかったが、残念ながらそれは叶わず。でも、クルマでの帰り、その前を通った東京芸大の桜は見事でした。一瞬だけでしたが、仕事にかこつけてお花見ができた今日に感謝。

かくも忙しく動き回っていましたので、撮るヒマがなくて写真は無し!です。
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少しずつ動き出すのか

2011-04-03 22:22:27 | オルガン
今日は千葉方面にオルガンの貸出のために出動。実は考えてみればオルガンを持ち出すのはほぼ一ヶ月ぶりのことで、これも先月後半に入っていた仕事が震災ですべて吹っ飛んだ結果。
来週のコンサートのためのリハだったが、今日の会場は節電のためにエレベータが停止しており、手伝いを確保するから3階の練習スペースまで階段揚げして欲しいと直前に連絡あり。ううう、ここでも電力不足の余波が…と身構えて会場に行ったら、なぜか特別にエレベータを使わせていただけました。ああ、良かった(ただ、節電のために閉館時刻が通常より繰り上がることとなり、えらく慌しいリハとなったが)。
だいぶ先の日程の仕事まで飛びまくるものだから(先週の旅行中にも一件キャンセルの連絡あり)、来週のこの仕事も無くなるんではなかろうかと内心びくびくしていたが、これは予定通り開催されると聞いて安堵し、あらためて頑張ってお務め(楽器提供の他に譜めくりやレギストラントもあり)を果たそうと思った次第。

ところで、もちろん足取りはまだ重いものの、ここに来てぼちぼちお仕事の動きも出てきた模様。まだ打診段階のものもあるが、主力のチェストオルガン、チェンバロ、イタリアンポジティフのそれぞれにお話があり、気を取り直して頑張るべしと思った週末の夜。
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