ふいご屋の日常

ポジティフ・オルガン&チェンバロ貸出屋の傍ら歌手、の日記

2013年楽器研究+イタリア演奏旅行(1) ~Ganderkesee(ドイツ・ニーダーザクセン州)

2013-05-25 23:12:22 | オルガン
5月6日から17日にかけてドイツ・スイス・イタリアを巡ってまいりました。そもそもの主目的は青木洋也氏率いる声楽アンサンブルのヴェネツィア公演への参加であったのですが、それに毎年続けている自分の研究目的の用事をくっつけて11日間の旅行に仕立てたという次第。
事細かに旅行記を書くのもなんですので、ここでは主に弾いて回った楽器のことを記録していきます。

最初に試奏を行った楽器はブレーメンの南西方面に位置する小さな町Ganderkeseeのオルガン。

5月7日 Arp Schnitger(1699)/Johann Heinrich Klappmeyer(1760)
(St. Cyprianus und Cornelius zu Ganderkesee)

�/22/P 
変形ミーントーン 約466Hz
ショートオクターヴ

Hauptwerk
Principal 8´
Quintadena 16´
Rohrfloete 8´
Oktave 4´
Superoktave 2´
Waldfloete 2´
Sesquialtera 2f.
Quinte 11/2´
Mixtur 4f.
Trompete 8´

Brustwerk
Gedackt 8´
Blockfloete 4´
Spitzfloete 2´
Oktave 2´
Sifflöte 11/2´
Scharff 3f.

Pedal
Principal 8´
Oktave 4´
Subbass 16´
Posaune 16´
Trompete 8´
Trompete 4´

元々はアルプ・シュニットガーが1699年に新建造したプルダウンペダル付の2段鍵盤楽器。その後1760年にクラップマイアーが独立したペダルヴェルクを追加した。ご多聞に漏れずその後いろいろな改造を蒙ったが2005年に1699/1760年の状態へ修復。
シュニットガーのオリジナル部分は手鍵盤も含めかなりの割合で残っている。

自分はブクステフーデを主な材料として使ってあれこれとチェック。もっとも、試奏タイムはあまり長くなかったので途中で教会のオルガニスト氏にデモンストレーションを依頼。楽器と仲良くなるのに時間が十分でない時はむしろ他人が弾くのに任せるのも楽器を知るための一つの策なので。
この楽器は上記の修復前の段階からコンタクトしたことがあって、今回の訪問はそこから経過すること実に足掛け10年目で実現したものでした。自分が弾くことのできたシュニットガーのオルガンはこれで7台目。

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エンリコ・オノフリ来日公演withチパンゴ・コンソート放送のお知らせ(5月29日NHK-FM)

2013-05-25 21:01:43 | オルガン
3月20日に上野学園石橋メモリアルホールで行われましたエンリコ・オノフリ来日公演のすべての模様がNHK-FM「ベストオブクラシック」で放送されます(5月29日 19:30~21:10)。

先月NHK-BSで放送された際は全編でない短縮版でしたが今回はアンコールを含めての放送となります。オルガンを出動させた持ち主としてはヘンデルのオルガン協奏曲作品4の3の演奏も聴けるのが実に楽しみです。

早々にチケットが売り切れた公演であったためにお聴きになれなかった方、また先月のBSをお見逃しになった方も、是非29日はラジオの前へ(笑)

エンリコ・オノフリ氏日本語版オフィシャルサイトはこちら
NHKの当該サイトはこちら


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無事帰国しました

2013-05-20 23:05:16 | 
良いこともそうでないことも(?)いろいろな出来事のあった渡欧が終わりました。今回、特にやり残し感が強くて行った先にもう一度引き返したい気持ちなのはなんだろう(苦笑)

いつになるやらわかりませんが、旅行記はぼちぼち書きます。

写真はヴェネツィア、夜のカ・ペーザロ。
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渡航中です

2013-05-10 06:57:02 | オルガン
5月6日にブレーメンから入りました。ただいまひたすら南下中。今日はヴィースバーデンからバーゼルへ移動します。
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臨時休業のお知らせ

2013-04-19 19:46:31 | 
5月6日より17日まで、ヨーロッパへの研究&演奏旅行のために国内での楽器お貸出業務をお休みさせていただきます。よろしくお願いいたします。

歌で加わる演奏会が行われるのはイタリアですが、その前に北ドイツから入り、南下してスイスを通過し16世紀と17世紀のオルガンを数台、ならびに歴史的様式による現代のビルダーの楽器の試奏をする他、オリジナルチェンバロのプライベートコレクションへの訪問などを予定しています。

レポートにどうかご期待くださいませ(笑)
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直前出演情報(自分にとってもshort notice)

2013-03-07 00:08:25 | 
楽器屋の傍らでちょこっと歌い手の仕事をしていると楽器を出している現場で急に「歌って~」というお誘いが時々舞い込んだりします。

で、急きょ出演することになった今週末の演奏会をご案内。

★南沢コーラス第8回定期演奏会★
2013年3月10日(日)13時半開演 於 杉並公会堂
J.S.バッハ <ロ短調ミサ>BWV232 

ソプラノ坂井田真実子
メゾソプラノ日野妙果
テノール松原陸
バリトン薮内俊弥

管弦楽:健友会管弦楽団

山神健志指揮 南沢コーラス

詳しくはこちら

指揮者の山神氏から、こちらの合唱への賛助出演のお話しがあったのが、先週金曜日。自分史的には数年前、某団体で当日のGPでいきなりシャルパンティエの「真夜中のミサ」に乗って、と言われたのが「最短の出演依頼案件」ですが、一週間前にロ短調ミサを、と言われるのも客観的には同じくらいの無茶ぶりの部類に入るんでしょうか(苦笑)。

ロ短調ミサを歌うのは3年ぶりなれど通算7回目のステージなので、そんなshort noticeでもまずは問題ないというところではあります。じっくり復習もしましたし。
ちなみにその7回の中の、一回はバスのソロで出演したもの(大好きなQuoniam tu solusでした)、また一回だけ通奏低音チェンバロで参加したという公演もありました。そんなのを引き受けたあの頃は若かったなあ(汗)

というわけで、数々の思い出の詰まった(?)バッハ晩年の大曲の演奏。オケやソリスト、そして合唱にもお知り合いが多い中、オルガン提供の傍らで自らも楽しみたいと思います(^.^)
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お勧め演奏会情報(2月11日)

2013-02-08 11:49:42 | オルガン



直前となってしまいましたが、下記演奏会のご案内を。私は主力兵器のポジティフオルガンをご提供。あ、一部の方からはお尋ねいただきましたが、私は出演はしません(笑)

★合唱団スコラ・カントールム第22回定期演奏会★
2013年2月11日(月祝)15時開演 於 三鷹市芸術文化センター 風のホール
○G.P.da パレストリーナ(ca1525-1594)「ミサ・ブレヴィス」
○ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ(1732-1795)/モテット「目覚めよ、と呼ぶ声あり」
○J.S.バッハ(1685-1750)/カンタータ「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4
 同/カンタータ「イエスよ、汝わが魂を」BWV78
ほか

テノール:大貫浩史
バス:浦野智行

フラウト・トラヴェルソ:新井道代
オーボエ:三宮正満・尾崎温子
ヴァイオリン:桐山建志(コンサートマスター)・鍋谷里香・大西律子・原田 陽
ヴィオラ:上田美佐子・天野寿彦
チェロ:西沢央子
コントラバス:櫻井 茂
オルガン:今井奈緒子

合唱:スコラ・カントールム
指揮:野中 裕

詳しくはこちら

毎年ご一緒させていただいている、少数精鋭の声楽メンバ―による演奏会。毎回この団体はなんとも意欲的なプログラムを組まれるので、それを聴きにいらっしゃる固定層も多い模様。主宰・指揮者の野中氏は大学の出身サークルが同じ、彼も私も在籍中はそこの学生指揮者だったというつながりですが、この団体の在り様もあの独特なサークル(笑)出身ならではの彼のリーダーシップのなせるわざかも、と毎度思うのであります(^_^)

皆様には是非ご来臨賜りますよう、お願い申し上げます。

さて、何よりも自分の楽器の特性を存分に引き出してくださることがごの仕事に携わる者にとっての無上の喜びなのでありますが、その点でも今公演は大変嬉しい現場。お馴染み、今井さんのオルガンの抜群の「歌い回し」は、今回のオルガン独奏では更に際立っており、それもこのプログラムにに大変なインパクトを与えています。何を弾かれるかはお越しになってからのお楽しみ、ということでここでは敢えて書きません(^^) ウチの楽器の分割ストップを駆使した、少し込み入ったレジストレーションの妙も是非直接確かめに来てくださいませ。

(画像は、大雪が心配された6日のリハ風景)
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お勧め演奏会情報(3月20日)

2013-01-13 23:02:58 | オルガン


今年の第1四半期の大仕事の一つをご案内。今までも何度かすれ違うチャンスがあったのに叶わなかったエンリコ・オノフリ氏との現場にいよいよイタリアンオルガンを用いて初参戦(!)します。

★エンリコ・オノフリwithチパンゴ・コンソートlive in Japan2013★

2013年3月20日(水・祝) 14:00開演 於 上野学園 石橋メモリアルホール

エンリコ・オノフリ(バロック・ヴァイオリン&指揮)/チパンゴ・コンソート

Vn:杉田せつ子、小野萬里、渡邊慶子、長岡聡季、天野寿彦、廣海史帆、上野美科
Vla:朝吹園子、伴野剛
Vc:懸田貴嗣、西山健一、金子鈴太郎
Vlo:諸岡典経
Theorbo:高本一郎
Org:形亜樹子
Cemb:渡邊孝

1.A.コレッリ(1653-1713)
ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ(教会ソナタ) 第1番 ニ長調 Op.5-1とフランチェスコ・ジェミニアーニ編曲版(1687-1762)合奏協奏曲第1番ニ長調(コレッリのソナタOp.5-1による)
2. G.F.ヘンデル (1685-1759)
オルガン協奏曲第3番ト短調Op.4-3,HWV291
3. A.ヴィヴァルディ (1678-1741)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 Op.8-8 RV.332
4. D.スカルラッティ(1685-1757)/C.エイヴィソン(1709-1770)
《ドメニコ・スカルラッティの練習曲にもとづく7声の協奏曲集》より 協奏曲第5番ニ短調
5. A.ヴィヴァルディ
協奏曲集《調和の霊感》より 協奏曲第10番 ロ短調 RV.580
6. J.S.バッハ(1685-1750)
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
7. A.コレッリ
合奏協奏曲ニ長調 Op.6-4


詳しくはこちらへ。

言うまでもなく大変緊張する現場ではありますが、このような素晴らしい案件に加わることができてとても楽しみにしているところでもあります。イタリアンオルガンがそのキャラと一致するヘンデルのコンチェルトで用いられるのはビルダーへ発注する時点から狙っていたことでしたから、その実現は持ち主として心待ちにしていたわけで(今までそれに相応しい楽器をなかなか調達できなかったため、ピリオド楽器のアンサンブルでヘンデルのコンチェルトが演奏される機会は日本ではほとんど無かったはずなのです)。

聞けばチケットはだいぶ販売好調とのこと。お求めは是非お早めに。皆様のお越しをお待ちしています。
(ちなみにこの公演では、完成したばかりの新しいチェンバロも登場予定。そちらも是非お楽しみに ←あ、それは私の持ち物ではありません。念のため)



オルガンは早速その現場に向けての調整を開始しました。今日はキーアクションを中心に。
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お勧め演奏会情報(2月24日+3月17日)

2013-01-11 22:24:16 | 


昨日掲載した演奏会のお知らせです。昨日の記事と一緒に、画像とこちらもご参照ください。

★富士の国やまなし国文祭参加公演★
【1】バッハアカデミーワークショップVol.1<サックバット>
2013年2月23日(土)15~18時 於 山梨大学赤レンガ館
講師 大内邦靖(山梨大学大学院准教授)

【2-1】バッハアカデミーオープニングコンサート
2013年2月24日(日)15時 於 甲府市総合市民会館芸術ホール
J.S.バッハ/カンタータ第4番「キリストは死の縄目につきたまえり」BWV4

【2-2】J.S.バッハ/ヨハネ受難曲BWV245(第4稿)レクチャーコンサート
同日 15時30分 (会場は2-1に同じ)

【3】J.S.バッハ/ヨハネ受難曲BWV245(第4稿)全曲演奏会
2013年3月17日(日)17時 於 甲府市総合市民会館芸術ホール

ソプラノ 川口聖加 野呂瀬絢佳(2/24)
アルト 小原伸枝
バリトン 小林由樹(ピラト)
バリトン 森野信生(アリア)
バス 小原浄二(イエス) 石井賢(2/24)

合唱 合唱団「甲府コレギウム・アウレウム」
管弦楽 山梨バッハアカデミーアンサンブル(Vla諸岡涼子 Vc諸岡範澄 Cemb辰巳美納子 ほか)
    古楽器室内合奏団ムジカフォレスタ(ツィンク細川大介、サックバット三宅伸哉・大内邦靖・首藤健一・巻島俊明)(2/23&24)

指揮・テノール(福音史家・アリア) 片野耕喜




私は合唱メンバーの中に加わるほか、2月24日のレクチャーコンサートではイエスを、3月17日にはペテロを歌う予定(前者は言うまでもなく大変なお役目。ご存知の通り後者はわずかな出番ですが、重要なフィグーラが織り込まれていますね)。
昨日から練習に参加し始めましたがさすが片野さん、ドイツ語のディクションの処理と音楽の大きな組み立て方は非常に勉強になります。これから2か月間、甲府での練習に楽しく通うことになるでしょう。

皆様のお越しを是非ともお待ちしております。



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甲斐の国へ

2013-01-10 22:11:01 | 
普段、鍵盤楽器提供と歌での出演という合わせ技(笑)をしょっちゅうやっているワタクシではありますが、歌だけの現場もたま~に、年に数回といった頻度で話を頂いています。

そんな現場の今年一発目の案件の練習のために今日は日帰りで甲府へ。お題はカンタータの第4番(本番は2月24日)とヨハネ受難曲第4稿(全曲演奏会が3月17日、プレレクチャーとしての抜粋演奏が2月24日)。いずれも甲府での演奏会となります。
エキストラのお仕事というと以前は直前のオケ合せから参加するケースが多かったですが、たとえ歌った経験がある曲でも最近は極力事前に何度か練習に参加するようにしています。特に受難曲など物語が展開していく曲は身体の中にそれが染み込んでいないと上っ面を撫でるような音楽しか自分の中から出てこないから歌っていてももどかしいったらありゃしない。というわけで、場所が遠いことなどものかわ、これから2ヶ月強せっせと甲斐路を通おうというわけです。
お声がけくださったのは、実は歌でお手合わせをするのは初めての片野耕喜さん(今回、彼が歌い振りされます)。ブレーメンにいらしたことから共通の話題に事欠かず、楽しい練習となるに違いありません(^-^)/

演奏会の詳しい情報は追って掲載します。個人的には2月24日のヨハネの抜粋の方が大変。その意味するところは改めて(苦笑)

(ただいま高尾。ここで再び各停に乗り換え~)
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